マイクロ波観測衛星「WMAP」の運用が終了

2010年10月8日 09:00

印刷

記事提供元:sorae.jp

Image credit: NASA

Image credit: NASA[写真拡大]

 米航空宇宙局(NASA)は10月6日、マイクロ波観測衛星「WMAP(ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機)」の運用が終了したと発表した。

 WMAPは宇宙背景放射探査機「COBE」の後続機として、2001年6月30日に打ち上げられ、太陽と地球系のラグランジュ点L2で、高い精度でマイクロ波背景放射(CMB)の観測を続けた。WMAPのデータを分析することによって、宇宙の年齢が137億5000万歳であることや、宇宙の組成の4.6%が通常物質、23%がダークマター、72%がダークエネルギーであるなどの成果が得られ、ギネスブックにも掲載されている。

 WMAPからの最後のデータは2010年8月20日に受信され、WMAPは9月8日にエンジンを点火し、ミッション軌道を離れ、太陽を回るパーキング軌道に投入された。

 「私たちは2001年に探査機を打ち上げ、初期の目的よりもはるか多くの成果を達成しました。そして今、衛星のオペレーションを終える時が来ました」

 WMAPのミッションについて、実験責任者でジョーンズ・ホプキンス大学のチャールズ・ベネット氏(Charles Bennett)はこのように述べた。

 写真=NASA。

 ■NASA's WMAP Project Completes Satellite Operations
http://www.nasa.gov/topics/universe/features/wmap-complete.html

 【関連記事】
ハーシェル宇宙望遠鏡、死にかけの恒星の周りから水蒸気を発見
ESO、観測史上最大の恒星を発見
史上最大のガンマ線バーストを観測、機器は一時使用不能
赤外線宇宙望遠鏡「WISE」、全天観測完了
ソーラーセイル実証機「イカロス」、ガンマ線バーストを観測

関連記事