デジタルデータで建築の記憶を後世へ。解体が始まった菊竹清訓氏設計の名建築「旧都城市⺠会館」。

プレスリリース発表元企業:gluon

配信日時: 2019-07-28 23:00:00

デジタルデータで建築の記憶を後世へ。解体が始まった菊竹清訓氏設計の名建築「旧都城市⺠会館」。

デジタルデータで建築の記憶を後世へ。解体が始まった菊竹清訓氏設計の名建築「旧都城市⺠会館」。

デジタルデータで建築の記憶を後世へ。解体が始まった菊竹清訓氏設計の名建築「旧都城市⺠会館」。


建築家・菊竹清訓氏が設計したメタボリズムの代表作「旧都城市民会館」(宮崎県都城市)。
解体着工を前に、名建築の価値を後世に残すため、gluon(グルーオン)+KUMONOS(クモノス)が中心となり、都城市協力のもと建物内外の3次元計測を行った。3次元レーザースキャン、フォトグラメトリ、ドローンなどの測量技術を組み合わせ、計8000枚以上の写真を撮影しデジタルデータとして記録。
測定した3次元点群データや撮影した写真を基に、3Dデジタルアーカイブとして建物の3Dデータを作成しウェブサイトで公開する。


◆概要

建築や都市のデジタル化を推進するgluon(グルーオン)と、豊富な測量実績と新しい測量技術を切り拓くKUMONOS CORPORATION(クモノスコーポレーション)が互いの知識やノウハウを掛け合わせ、建築を3 次元データで保存する「3D デジタルアーカイブプロジェクト」を始動。

解体着工前に、宮崎県都城市の協力のもと、『旧都城市民会館』を立体的に計測を実施。

取得したデータから3Dモデルの生成が始まっており、写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や構造を記録。建築家・菊竹清訓氏が設計したメタボリズムの代表作とされる名建築の価値を後世へ継承していくことを目指します。


◆空間のデジタル記述で培ってきた技術を活用し、3種の計測を実施


(1)3Dレーザースキャン

3Dレーザースキャナーを用いて、建物の形状を立体的にスキャン。取得したデータは、原寸で計測されており、点群データと呼ばれる、点が集まって空間を形容するデータとなります。世界遺産や文化財のアーカイブ、復元、修繕工事のシミュレーション、CGモデリングなど幅広い応用性を持っており、3次元データとして永遠に残すことができる技術として注目されています。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyMjU0NjkjNjIzMjdfZmVXTUtVVWZ2Vy5qcGc.jpg ]
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(2)フォトグラメトリ

360度あらゆる方向から撮影した写真をコンピューターで解析し、3Dモデルを立ち上げる技術です。カメラやスマートフォンなどで撮影した写真から生成が可能なことや、PCやフォトグラメトリ用のソフトが高性能化してきていることから、3Dスキャナーなどの機械がなくても誰でも簡単に扱うことができる技術となりつつあります。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyMjU0NjkjNjIzMjdfQ2tzTmpHbEFjai5qcGc.jpg ]

(3)ドローンによる空撮

特徴的な屋根の形状や構造を記録するため、ドローンによる空撮を実施。撮影した写真を解析し、フォトグラメトリと点群データを作成します。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyMjU0NjkjNjIzMjdfbHd0TUxNaGtuUy5qcGc.jpg ]

◆クラウドファンディングは2 日で目標額を達成

3 次元計測の活動費を集めるためクラウドファンディングを実施。建築の文化的価値、デジタルアーカイブの大切さ、3D データを活用した空間体験の拡張性、地元建築への想いなど、分野の枠を超えて多くの人にプロジェクトに賛同頂き、目標額を達成しました。現在も更なる支援と応援の声が続々と集まっています。募集期間は8 月14 日まで。

【クラウドファンディング募集ページ】https://camp-fire.jp/projects/view/158741


◆撮影した写真の総数は8000枚以上。各チームでデータの解析がスタート。

現在、データ解析・点群データの生成が進行中。8 月下旬 に3 次元点群データの公開を予定しています。

また、本プロジェクトでは計測・保存する活動だけでなく、トークセッションやワークショップを通して、デジタルアーカイブの役割や3 次元データの活用方法などを知るトークセッションや、3 次元計測した点群データから市民会館のウォークスルーを作るハンズオン形式のワークショップを開催。より深く学ぶ機会や新たな創作のきっかけとなる場を創出します。

8 月29 日 (木) トークセッション『建築のデジタルアーカイブ』の開催。

9 月14 日 (土) ワークショップ『Unity で建物のウォークスルーを作ってみよう!』の開催。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyMjU0NjkjNjIzMjdfcGxRWlpUb1BUZy5qcGc.jpg ]

◆主催:gluon + KUMONOS

gluon(グルーオン)

「建築・都市」「テクノロジー」「ビジネス」を軸に、領域を横断して新しい価値を生み出すコンサルティングのプラットフォーム。コンピューテーショナルデザインを取り入れた設計・制作を展開する豊田啓介、エンジニアリングを専門とする金田充弘、建築周辺分野の先端技術実装に豊富な実績を持つ堀川淳一郎ら、それぞれの専門領域を繋ぎながら、ビジョン構築や技術開発・実装に取り組んでいます。


KUMONOS CORPORATION(クモノスコーポレーション)

1995年、阪神・淡路大震災の復興への貢献を目指して、大阪府箕面市で創業しました。“測れないものを測る” をモットーに、常識を覆す測量システムを創造。さらに、創業当初から導入している3Dレーザースキャナの活用により、建築・土木の分野のみならず、文化財・スポーツ施設・観光資源などの維持メンテナンス、映画・VRなどのコンテンツビジネスなどの各分野でも実績を重ねています。最先端の測量技術により、建築物の維持管理、リニューアルに貢献します。


◆旧都城市民会館について

1966 年竣工。戦後日本を代表する建築家・菊竹清訓氏による設計。建築も都市も自然や社会のように新陳代謝していくという「メタボリズム」の建築思想に基づいて設計され、鉄筋コンクリート造の下部構造の上に、鉄骨造の屋根がかかり、梁を放射状に並べた特徴的な形状が存在感のある建築物です。

1966 年の開館から約40 年にわたり、都城市の文化振興拠点として利用されていましたが、施設・設備の老朽化のため本会館は閉館、2019 年7月より解体が始まった。



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