BEGIN、梅雨明け直後の沖縄で歌って踊って「うた」をお祝い!マルシャ ショーラで加山雄三と「サライ」を総勢8,500人で大合唱!!
配信日時: 2019-07-01 15:00:00
<沖縄からうた開き!うたの日コンサート2019in嘉手納 オフィシャルレポート>2019.6.30(日) @沖縄県 嘉手納町兼久海浜公園
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楽しいときも苦しいときも、いつも人々に寄り添い、勇気づけてきた「うた」。その「うた」に年に一度、感謝の気持ちを表す日を作ろうと、石垣島出身の3人組バンド・BEGINが2001年から始めたのが「うたの日コンサート」だ。今年は6月30日(日)の開催で、沖縄本島はちょうど前日に梅雨明け宣言が出たばかり。強い真夏の日差しが照りつける中、会場の嘉手納町兼久海浜公園には県内外から約8000人の観客が集い、BEGINをはじめとする約500人の出演者と共に、「うたの日」のお祝いを楽しんだ。
当日のトップバッターは、沖縄で活動する4人組インディーズバンド「HoRookies(ホルキーズ)」。2014年に「うたの日前夜祭」に出演するため結成され、今年はついに本編への初出演を果たした。メンバー全員がボーカルをとるスタイルで、それぞれにカラーの違う歌声に加え、息の合ったコーラスワークも魅力。真夏の野外コンサートのオープニングにふさわしいポップなロックチューン「幕開け」を皮切りに、全4曲を熱演した。
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続いては伊江島出身の女性シンガーソングライター、21歳のAnlyが登場。「うたの日は伊江島にいた頃から知っていたので、ここに立てて嬉しい」と喜びを語り、アコースティックギターをかき鳴らしながら「PEACE」など4曲を歌った。力強くソウルフルでありながら、キュートさとしなやかさを併せ持つヴォーカルと、ループペダルも駆使して作り上げるエッジの効いたギターサウンドは、唯一無二の存在感。“今一番ライブで観たいシンガーソングライター”という評判が、決して大げさではないことを実感させられた。
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そしてステージはBEGINにスイッチ。彼らのヒット曲の中でも特に人気が高い「島人ぬ宝」「海の声」「オジー自慢のオリオンビール」の3曲が立て続けに繰り出された。観客は総立ちになって手を振り、身体を揺らして曲を口ずさみ、会場全体が一体となって盛り上がっていく。近年の「うたの日」が提唱する「観客も出演者」というコンセプトが、明確に感じられた瞬間だった。
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BEGINの後は、東京から駆けつけた「The Breeze & I」が出演。2016年の結成後、BEGINも縁の深い渋谷のライブハウスB.Y.Gを拠点に活動する彼らは、洋楽ポップスなどを4声コーラスアレンジで聞かせるコーラスバンド。男女各2名による爽やかなハーモニーとアコースティックサウンドで、「Honolulu how do you do」などの洋楽カバーを中心に全5曲を歌い上げた。
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その後は嘉手納町連合青年会(千原郷友会)によるエイサー演舞を挟み、ハワイから来沖したウクレレの名手、ハーブ・オオタ・Jrが登場。彼はにこやかに「皆さま、アローハ」と挨拶した後、ウクレレでのソロ演奏をスタートさせた。従来のウクレレのイメージを一変させる、ふくよかできらびやかで繊細な音色が、夕陽に照らされる会場に響き渡る。演奏した曲はハワイアンにとどまらず、ポリスやジョージ・ベンソンなど洋楽のカバーも。原曲とはひと味違う、ウクレレならではの美しいアレンジに、感嘆した客席から惜しみない拍手が送られた。
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ソロの後は、県内各地から参集したフラチームと「ウクレレオーケストラ」がステージへ。それぞれ約100名ずつ、合計200名のメンバーが、ハーブ・オオタ・Jrと一緒に、BEGINオリジナルのハワイアンナンバー「私の好きな星」など3曲を披露した。ハワイのグラミー賞と言われるナ・ホク・ハノハノ賞を受賞したハーブ・オオタ・Jrと、沖縄のアマチュアプレイヤーが同じ舞台に立ち、一つの音楽を奏でるという希有なシーン。これもまた「参加型イベント」をモットーとする、「うたの日」ならではのコラボといえるだろう。
ハワイアンコーナーが終わると、プログラムはいよいよ佳境へ。観客の歓声が高まる中、ついに“若大将”こと加山雄三がステージに登場した。加山といえば、日本にハワイアン音楽を浸透させた立役者ともいえる人物。まずはその代表曲「お嫁においで」を歌い出すと、御年82歳とはとても思えない、昔から変わらぬ甘く艶やかな歌声が、夕暮れの空に爽やかに響き渡った。間奏ではハーブ・オオタ・Jrの華麗なウクレレソロも繰り出され、豪華共演に思わずため息。続けて「君といつまでも」が始まると、客席は「待ってました!」とばかりにどよめく。間奏では栄昇が「でーじ幸せだなあ! 僕は加山雄三さんといるときが一番幸せなんだ!」と叫び、加山が嬉しそうに「ありがとう!」と返す姿が印象的だった。
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その後も「蒼い星くず」「夕陽は赤く」「海、その愛」と、ヒット曲を立て続けに歌う加山。途中で「実はいま背骨が圧迫骨折していて、深くお辞儀ができず、エレキギターも持てない」と明かしたが、そんな状態であるなどとはまったく感じさせない、力強い歌声で客席を魅了し続けた。
若大将の後は、いよいよ「うたの日」のメインイベントともいえる「マルシャ ショーラ」コーナーに突入。二拍子のブラジル音楽「マルシャ」のリズムにのせて、BEGINナンバーや昭和のヒット歌謡などをメドレー形式で演奏するもので、音楽に合わせ、観客も足踏みや手振りなどで参加するスタイルが特徴だ。足踏みによる運動効果も大きいと言われており、栄昇は「ここからは皆さんが主役です! 昨年の記録(7000歩)を塗り替えましょう!」と呼びかけ、約1時間のマルシャショーラタイムが始まった。
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舞台上のスクリーンには曲のタイトルと歌詞が表示され、観客も総立ちで踊り出す中、今日の出演者が順番にステージに上がり、メインボーカルをとっていく。AnlyがWhiteberryの「夏祭り」をはつらつと歌ったかと思えば、サンバダンサーの宮城姉妹と司会のきゃんひとみがキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」をカバーしたり、プロレスラーの真壁刀義がハスキーヴォイスで「勝手にシンドバッド」に挑戦したりと、ここでしか聴けない、見られないステージが次々と展開されていく。客席では老若男女、あらゆる世代の人々が思い思いに足踏みして手を叩き、腕を振り上げて曲に身を任せ、音楽と一体となるひとときを楽しんでいる。うたの日コンサートが単なる音楽フェスではなく、参加者みんながうたを楽しみ、歌をお祝いする集いなのだということを、改めて感じさせる光景だった。
終盤はBEGINがヒットナンバー「国道508号線」「笑顔のまんま」「ソウセイ」を畳みかけ、最高潮まで盛り上げたのち、オーラスは加山雄三の名曲「サライ」で締め。
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加山が再びステージに登場すると、客席から大歓声が上がり、指笛の音が飛び交った。加山が歌い始めると共に、会場にビッグウェーブが広がり、サビでは大合唱が湧き上がる。とっぷりと暮れた夜空に、観客を含めた出演者全員の歌声が響き渡る中、合計歩数も見事8300歩を達成し、ステージ上の500人+観客席の8000人、合計8500人の「出演者」による「うたの日」は、大団円で幕を下ろした。
来年(2020年)はBEGINが結成30周年、うたの日コンサートも20回目を迎えるメモリアルイヤーとなる。来年の「うたの日」がどんな一日になるか、今から楽しみに待ちたい。
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