武田薬品、シャイアー買収案に対し進行中の欧州委員会によるフェーズ1審査につき見解を発表

プレスリリース発表元企業:Takeda Pharmaceutical Company Limited

配信日時: 2018-11-01 17:49:00

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(大阪)- (ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)(以下、「武田薬品」)は本日、2018年5月8日に発表したShire plc(以下、「シャイアー」)の買収案(以下、「本買収」)に対する欧州委員会(以下、「EC」)によるフェーズ1審査の一環としてのECとの協議に関し、以下の声明を発表しました。

武田薬品は、武田薬品の市販製品エンタイビオ(ベドリズマブ)と第3相臨床試験の段階にあるシャイアーのパイプライン化合物SHP647について、炎症性腸疾患の分野で将来的に重複を来たす可能性につきECと協議中であり、SHP647および付随する一定の権利のあり得べき売却を解決策として提案したことを確認します。

当社は引き続きエンタイビオの取り組みに傾注しますが、本剤は60カ国以上で市販承認を取得しており、武田薬品の多様な消化器系疾患領域ポートフォリオに不可欠な製品となっています。

武田薬品がECと協議中のその他の市販製品やパイプライン資産はありません。

武田薬品は、ECとの協議の結果、本取引の完了に向けた発表済みのスケジュールが遅れるとは予想していません。追加的な発表は必要に応じて行います。

本買収には、引き続き特定の条件が存在し、これには、残された規制当局からの承認の受領や両社の株主による承認が含まれます。

エンタイビオ(ベドリズマブ)について

ベドリズマブは腸管選択的な生物学的製剤で、静注製剤として承認されています1。本剤は、α4β7インテグリンと特異的に拮抗し、α4β7インテグリンの粘膜アドレシン細胞接着分子1(MAdCAM-1)との接着を阻害し、血管細胞接着分子1(VCAM-1)との接着は阻害しないように設計されたヒト化モノクローナル抗体です2。MAdCAM-1は、消化管の血管とリンパ節で優先的に発現します3。α4β7インテグリンは循環白血球のサブセットで発現します14。これらの細胞は、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)で炎症過程を媒介する役割を果たすことが示されています4 5。ベドリズマブはα4β7インテグリンを阻害することで、特定の白血球が腸管組織に浸潤する能力を制限し得るものです。

ベドリズマブ静注製剤は、中等度から重度の活動性UC/CD成人患者で、従来の治療薬ないし腫瘍壊死因子α(TNFα)拮抗薬が効果不十分であったか、効果を失ったか、忍容できなかった患者に対する治療薬として承認されています。ベドリズマブ静注製剤は米国、欧州連合を含む60カ国以上で市販承認を取得しており、これまでに20万患者年以上の使用歴があります6

治療適応症

潰瘍性大腸炎

ベドリズマブは、中等度から重度の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者で、従来の治療薬ないし腫瘍壊死因子α(TNFα)拮抗薬が効果不十分であったか、効果を失ったか、忍容できなかった患者に対する治療が適応となっています。

クローン病

ベドリズマブは、中等度から重度の活動性クローン病成人患者で、従来の治療薬ないし腫瘍壊死因子α(TNFα)拮抗薬が効果不十分であったか、効果を失ったか、忍容できなかった患者に対する治療が適応となっています。

重要な安全性情報

禁忌

本剤の活性成分または何らかの賦形剤に対する過敏症。

特別な警告および使用上の特別な注意事項

ベドリズマブは、アナフィラキシーを含め、過敏症反応が発生した場合に対処する能力を備えている医療専門家が投与しなければなりません。ベドリズマブ投与に際しては、適切なモニタリングと医療上のサポート手段を即時に利用できる状態にしておく必要があります。注入中と注入完了まではすべての患者を観察します。

注入に伴う反応

臨床試験では注入に伴う反応(IRR)と過敏症反応が報告されており、その大半は重症度が軽度から中等度でした。重度のIRR、アナフィラキシー反応、その他重度の反応が発生した場合、ベドリズマブ投与を即時中止し、適切な処置(例:エピネフリンや抗ヒスタミン薬)を開始しなければなりません。軽度から中等度のIRRが発生した場合、注入の速度を落とすか注入を中断し、適切な処置を開始します(例:エピネフリンや抗ヒスタミン薬)。軽度から中等度のIRRが治まったら注入を続けます。ベドリズマブに対し軽度から中等度のIRRを経験している患者の場合、医師は次回の注入に先立ち、リスクを最小化させるため、前処置(例:抗ヒスタミン薬、ヒドロコルチゾン、パラセタモールのいずれか、または組み合わせを使用)を検討する必要があります。

感染症

ベドリズマブは腸管選択的なインテグリン拮抗薬で、未確認の全身免疫抑制作用はありません。医師は日和見感染症や、腸管が防護バリアとなっている感染症のリスクが増大する可能性に留意しなければなりません。結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、リステリア症、日和見感染症など活動性の重症感染症を持つ患者では、感染症がコントロールされるまでベドリズマブによる治療を開始すべきではなく、医師はベドリズマブによる長期治療中に重症感染症を発症した患者では治療の保留を検討すべきです。コントロールされた慢性重症感染症の患者や重症感染症の再発歴がある患者でベドリズマブの使用を検討する際は注意しなければなりません。患者は治療開始前、治療中、治療後に感染症の入念なモニタリングを受ける必要があります。ベドリズマブ治療の開始に先立ち、各国の診療手順に従い、結核スクリーニングの検討が必要な場合があります。一部のインテグリン拮抗薬と一部の全身免疫抑制剤に伴って進行性多巣性白質脳症(PML)が発症した実例があります。PMLはジョン・カニンガム(JC)ウイルスが引き起こす希少な日和見感染症で、多くの場合に致死的となります。ベドリズマブは、腸管にホーミングしたリンパ球に発現するα4β7インテグリンに結合することで、腸管に対し免疫抑制作用を及ぼします。健康な被験者で全身免疫抑制作用は観察されなかったものの、炎症性腸疾患を持つ患者の全身免疫系の機能に対する作用は不明です。医療専門家は、ベドリズマブ投与中の患者で神経系の何らかの兆候や症状の新規発現ないし悪化につきモニタリングし、それらが発生した場合は神経科への紹介を検討する必要があります。PMLが疑われる場合、ベドリズマブ治療を保留し、PMLが確認された場合は治療を永久的に中止しなければなりません。PMLに伴う典型的な兆候や症状は多様で、数日から数週間にわたり進行します。これらの兆候や症状には、半身における進行性衰弱、四肢の巧緻性障害、視力障害、精神錯乱や人格変化につながる思考・記憶・見当識の変化が含まれます。障害の進行は通常、数週間から数カ月に及び、死亡ないし重度の障害をもたらします。

悪性腫瘍

潰瘍性大腸炎やクローン病の患者では悪性腫瘍のリスクが増大します。免疫調節機能を持つ医薬品は悪性腫瘍のリスクを増大させる場合があります。

バイオ製品の先使用および併用

ナタリズマブによる治療歴を持つ患者でのベドリズマブ臨床試験データで利用できるものは存在しません。これらの患者でベドリズマブの使用を検討する場合は注意を払わなければなりません。ベドリズマブと免疫抑制バイオ医薬品の併用に関する臨床試験データで利用できるものは存在しません。従って、これら患者でのベドリズマブの使用は推奨されません。

ワクチン接種

すべての患者はベドリズマブ治療の開始に先立ち、推奨されるすべての予防接種について最新情報を得る必要があります。ベドリズマブの投与を受ける患者は、非生ワクチン(例:サブユニットワクチンまたは不活化ワクチン)の接種か、利点がリスクを上回る場合に限って生ワクチンの接種が可能です。

有害反応には鼻咽頭炎、頭痛、関節痛、上気道感染、気管支炎、インフルエンザ、副鼻腔炎、咳、口腔咽頭痛、悪心、発疹、搔痒、背部痛、四肢痛、発熱、疲労が含まれます。

各国で承認された添付文書については、各国の規制当局にお問い合わせください。

米国の読者の皆さまは、エンタイビオの「患者向け医薬品ガイド」を含む完全な添付文書情報をご覧ください7

EUの読者の皆さまは、エンタイビオの「製品概要」(SmPC) をご覧ください。

消化器系疾患領域に対する武田薬品の取り組み

消化器系疾患は複雑で、衰弱をもたらし、人生を一変させる場合があります。武田薬品および協業パートナーはこの未充足ニーズを認識しながら、25年以上にわたって革新的な医薬品と献身的な患者疾患サポートプログラムの提供を通じ、患者の皆さまの生活改善に傾注してきました。武田薬品は患者よるこれら疾患の管理方法の向上を強く願っています。さらに武田薬品は炎症性腸疾患、胃酸関連疾患、消化管運動障害など未充足ニーズの高い消化器系疾患領域をリードしています。また当社の消化器系疾患領域研究開発チームは、セリアック病と肝疾患に対するソリューションに加え、マイクロバイオーム医薬を通じた科学の進歩も追求しています。

武田薬品工業について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究開発活動をオンコロジー、消化器系疾患、神経精神疾患の各治療領域とワクチンに集中させています。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。特にオンコロジーと消化器系疾患における革新的な製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の現在の成長を加速させています。武田薬品の約3万人の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。詳細情報についてはhttps://www.takeda.com/newsroom/をご覧ください。

重要事項の通知

本発表は、本発表に従うものであるか否かを問わず、何らかの証券の購入、その他の形での取得、引き受け、売却、その他の形での処分の申し出、招待、あるいは申し出の勧誘を構成するものでも、表彰するものでも、一部を形成するものでもなく、そのようなものを意図するものでもありません。

英国および日本以外の法域における本発表の配布は法規によって規制されていることがあり、したがって、本発表を入手した人はそのような規制について自ら情報を得てそれを順守するべきです。そのような規制を順守しない場合、そのような関係法域の証券法規の違反に該当することがあります。

ウェブサイトへの掲載

シティ・コードのルール26.1に従い、本発表の写しは武田のウェブサイト(www.takeda.com/investors/offer-for-shire)で2018年10月29日正午(ロンドン時間)までに公表されます(制限法域の居住者に関する特定の規制が適用されます)。本発表中で言及されているウェブサイトの内容は、本発表に含まれるものではなく、その一部を構成するものでもありません。

シティ・コードの開示要件

シティ・コードのルール8.3(a)に基づき、被提案会社の一切のクラスの関係証券または証券交換提案者(提案が専ら現金のみであるかその可能性が高いことが発表されている提案者を除く提案者)の一切の証券の1%以上を保有する人は、提案期間の開始後に、また(それより後になる場合は)何らかの証券交換提案者が初めて特定される発表の後に、開始時ポジション開示を行わなければなりません。開始時ポジション開示は、(i) 被提案会社および (ii) 証券交換提案者のそれぞれの関係証券についての持分およびショート・ポジションならびに引受権の明細を含む必要があります。ルール8.3(a)が適用される人による開始時ポジション開示は、提案期間の開始から10営業日後の午後3時30分(ロンドン時間)までに、また(適切な場合は)何らかの証券交換提案者が初めて特定される発表の10営業日後の午後3時30分(ロンドン時間)までに行わなければなりません。開始時ポジション開示を行う期限より前に被提案会社または証券交換提案者の関係証券を取引する関係者は、代わりに取引開示を行わなければなりません。

シティ・コードのルール8.3(b)に基づき、被提案会社の一切のクラスの証券または証券交換提案者の一切の証券の1%以上を保有するか保有するに至った人は、その人が被提案会社または証券交換提案者の関係証券を取引する場合は、取引開示を行わなければなりません。取引開示は、関係取引の詳細ならびに (i) 被提案会社および (ii) 証券交換提案者のそれぞれの関係証券についての持分およびショート・ポジションならびに引受権の明細を含む必要があります。ただし、ルール8に基づいて以前に開示されている詳細は対象ではありません。ルール8.3(b)が適用される人による取引開示は、関係取引の日の翌営業日の午後3時30分(ロンドン時間)までに行わなければなりません。

被提案会社または証券交換提案者の関係証券の持分の取得または支配を目的として、公式であれ非公式であれ、契約または合意に従って2人以上の人が共同で行動する場合、それらの人はルール8.3の目的では1人の人と見なされます。

開始時ポジション開示は被提案会社および一切の提案者も行わなければならず、取引開示は被提案会社、一切の提案者、およびそれと同調して行動する一切の人も行わなければなりません(ルール8.1、8.2、8.4)。

関係証券の開始時ポジション開示および取引開示の対象とする必要がある被提案会社および提案会社の詳細は、パネルのウェブサイト(www.thetakeoverpanel.org.uk)の開示表の中に記載されています。これには、発行されている関係証券の数、提案期間が開始した時、何らかの提案者が初めて特定された時の詳細が含まれます。開始時ポジション開示または取引開示を行う義務があるかどうかについて疑問がある場合は、パネルのマーケット調査ユニット(+44 (0)20 7638 0129)に連絡を取るべきです。

1 Entyvio® Summary of Product Characteristics. March 2018.

2 Soler D, Chapman T, Yang LL, et al. The binding specificity and selective antagonism of vedolizumab, an anti-α4β7 integrin therapeutic antibody in development for inflammatory bowel diseases. J Pharmacol Exp Ther. 2009;330:864-875.

3 Briskin M, Winsor-Hines D, Shyjan A, et al. Human mucosal addressin cell adhesion molecule-1 is preferentially expressed in intestinal tract and associated lymphoid tissue. Am J Pathol. 1997;151:97 110.

4 Eksteen B, Liaskou E, Adams DH. Lymphocyte homing and its roles in the pathogenesis of IBD. Inflamm Bowel Dis. 2008;14:1298 1312.

5 Wyant T, Fedyk E, Abhyankar B. An overview of the mechanism of action of the monoclonal antibody vedolizumab. J Crohns Colitis. 2016;10:1437-1444.

6 Takeda. 2018. Data on file.

7 Entyvio (vedolizumab) Prescribing Information. February 2018.

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