第2b相試験のデータによれば、メルクが治験中の週1回投与型DPP-4阻害薬MK-3102により2型糖尿病患者の血糖値が有意に低下
配信日時: 2012-10-03 21:46:00
MK-3102の第3相試験は進行中
(ベルリン)- (ビジネスワイヤ) -- 米国とカナダ以外ではMSDとして知られるメルク(NYSE: MRK)は本日、MK-3102の第2b相試験データを発表しました。MK-3102はメルクが治験中の週1回投与型DPP-4阻害薬で、2型糖尿病の治療薬として開発が進められています。2型糖尿病患者における期間12週間の試験にて、MK-3102はプラセボと比較して有意に血糖値を低下させ、 同薬投与患者における症候性低血糖の発症率はプラセボの場合と同程度でした。これらのデータは本日、ベルリンで開催中の第48回欧州糖尿病学会(EASD)で発表されました。
論文の主執筆者であるメルク・リサーチ・ラボラトリーズ臨床研究・代謝部門のIra Gantz(M.D.)は、次のように述べています。「MK-3102は承認された場合、2型糖尿病患者に対し、血糖値を低下させる上で週1回投与型治療薬の新しい選択肢を提供することになります。 」
試験デザイン
本日発表された知見は、多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照用量範囲探索試験から得られたもので、試験は食事療法と運動によっては適切な血糖管理ができない2型糖尿病患者にて、MK-3102の5種類の用量(0.25、1、3、10、25 mg)を評価するようにデザインされました。
ベースラインにおける平均HbA1cが約8パーセントの患者計685人をランダム化し、12週間にわたって571人の患者に対しMK-3102を週1回、5種類の用量(0.25mg、n=113;1mg、n=115;3mg、n=114;10mg、n=115;25mg、n=114)のいずれかで投与し、114人の患者にはプラセボを投与しました。主要評価項目は12週間後におけるHbA1cのベースラインからの変化量とし、種々の用量においてプラセボとの比較を行いました。副次的評価項目は食後2時間血糖値と空腹時血漿血糖値としました。
試験結果
MK-3102はいずれの用量においても、約8パーセントというベースライン平均からHbA1cをプラセボと比較して有意に(p<0.001)低下させました。12週間後の被験者集団全体において、ベースラインからのプラセボ補正後HbA1cの低下量は、MK-3102の25 mg投与群が0.71パーセント、10 mg投与群が0.67パーセント、3 mg投与群が0.49パーセント、1 mg投与群が0.50パーセント、0.25 mg投与群が0.28パーセントでした。
食後2時間血糖値(PMG)と空腹時血糖値(FPG)の副次的評価項目に関しては、試験対象となったすべての用量で、統計的に有意な(p<0.001)傾向が観察されました。12週間後における食後2時間のベースラインからのプラセボ補正後PMG低下量は、MK-3102投与量との関係で、25 mg=2.5 mmol/L、10 mg=2.3 mmol/L、3 mg=1.9 mmol/L、1 mg=1.9 mmol/L、0.25 mg=1.0 mmol/Lとなりました。FPGの場合、12週間後のベースラインからのプラセボ補正後低下量は、25 mg=1.2 mmol/L、10 mg=0.7 mmol/L、3 mg=0.8 mmol/L、1 mg=1.1 mmol/L、0.25 mg=0.1 mmol/Lでした。
本試験でMK-3102は全般的に良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは一般的にプラセボと同等でした。
糖尿病は慢性の進行性疾患で、米国の2600万人近くの患者を含め、世界で3億6600万人が患っていますが、米国全国健康・栄養調査(NHANES)の1999~2006年のデータによれば、患者の40パーセント以上は米国糖尿病学会(ADA)が目標とする「7.0パーセント未満のHbA1c」を達成していません。
メルク・リサーチ・ラボラトリーズの糖尿病・内分泌担当シニアバイスプレジデント兼フランチャイズヘッドであるナンシー・ソーンベリーは、次のように述べています。「DPP-4阻害薬というクラスが発見されて以来、メルクは2型糖尿病の治療法に関する研究を前進させるべく、積極的に取り組んできました。2型糖尿病患者を対象としたこれら第2b相試験の結果は励みとなるもので、当社はMK-3102の開発プロセスを前進させる第3相試験を開始しています。」
メルクについて
今日のメルクはヘルスケアの世界的リーダー企業として、世界中の人々の健康に寄与する事業に取り組んでいます。メルクは米国とカナダ以外ではMSDとして知られています。当社の処方薬、ワクチン、生物製剤、消費者向けケア製品およびアニマルヘルス用製品を通じ、顧客と協働して140カ国以上で事業を展開し、革新的な医療ソリューションを提供しています。また広い範囲を対象とするポリシー、プログラム、提携活動を通じて、医療アクセスを推進するという責務を果たしています。詳細情報に関してはwww.merck.comをご覧ください。ツイッター、フェイスブック、ユーチューブでも当社情報を入手できます。
将来見通しに関する記述
本プレスリリースは1995年米国民事証券訴訟改革法におけるセーフハーバー条項で定義される意味での「将来見通しに関する記述」を含みます。それらの記述は、将来の財務および事業の結果、合併後の会社の計画、目的、期待、意図、その他の歴史的事実でない記述を含め、メルクとシェリング・プラウ両社の合併による恩恵に関する記述を含みますが、それらに限定されません。それら記述はメルク経営陣の現時点における予想や期待に基づくもので、多くのリスクや不確実性の影響を受けます。実際の結果はそれら将来見通しに関する記述に記されたものと異なる場合があります。
実際の結果が将来見通しに関する記述で記されたものと異なる場合の原因となり得るものとして、メルクとシェリング・プラウの合併で期待された相乗効果のすべてが実現しない可能性または期待した期間中に実現しない可能性、米国および海外における製薬業界に対する規制や医療法令の影響、将来の市況を正確に予測するメルクの能力、メルクの特許その他革新的製品に対するメルクの保護能力への依存、訴訟および/または規制措置の対象となる可能性などがあります。
新たな情報、将来の出来事、その他の結果にかかわらず、メルクは将来見通しに関する記述を公式に更新する義務を負いません。実際の結果が将来見通しに関する記述と異なる場合の原因となり得るその他の因子は、メルクのフォーム10-Kによる2011年度報告書、当社が米国証券取引委員会(SEC)に提出したその他の書類に記載されており、それら書類はSECのウェブサイト (www.sec.gov) から入手可能です。
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