武田薬品のジカウイルスワクチン候補が米FDAよりファストトラック指定を取得

プレスリリース発表元企業:Takeda Pharmaceutical Company Limited

配信日時: 2018-02-02 22:15:00

武田薬品のジカウイルスワクチン候補が米FDAよりファストトラック指定を取得

本ファストトラック指定は、ジカウイルス感染の重大さと、感染しやすい集団を守るための安全で有効なワクチンの必要性を示す
武田薬品のジカウイルスワクチン候補(TAK-426)を評価するための第1相臨床試験(ZIK-101)が最近、米国の本土と海外領土で開始
武田薬品のジカウイルスワクチンプログラムは、米国保健福祉省事前準備対応次官補局の生物医学先端研究所(BARDA)からの連邦助成金で支援を受ける


(大阪)- (ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社[TSE: 4502](武田薬品)は本日、米国食品医薬品局(FDA)よりTAK-426に対するファストトラック(優先承認審査制度)指定を受けたと発表しました。TAK-426は武田薬品のアラムアジュバント含有全粒子不活化精製ジカウイルスワクチン候補です。

FDAによるファストトラック指定は、重篤な疾患を治療して未充足の医療ニーズを満たす医薬品やワクチンの開発を促進し、その審査を迅速化するための制度です。ファストトラック指定は、FDAとの協議頻度を高め、生物学的製剤承認申請書(BLA)の逐次審査と、関連基準が満たされている場合の優先審査資格を認めるものです。

ジカウイルスは、妊娠中に感染した母親から生まれた乳児に、小頭症やその他の先天的な脳障害を含む先天性ジカウイルス感染症(CZS)を引き起こす場合があります1。また一般集団において、ギランバレー症候群(GBS)などの神経学的合併症を引き起こすことが示されています。ジカウイルスは近年、米国を含む84を超える国・地域・国内地方に広がっています2。現在のところ、ジカウイルスに対するワクチンや治療薬は存在しません3

武田薬品のグローバル・ジカプログラム・リードであるLaurence De Moerlooze博士は、次のように述べています。「当社はジカウイルスが公衆衛生にもたらす脅威を認識しています。当社はBARDA(生物医学先端研究開発局)からの助成を受けた後、直ちにチームを編成して最優先でこのワクチン候補の開発に取り組み、契約締結から15カ月以内に第1相臨床試験を開始しました。今回のファストトラック指定、BARDAからの継続的な支援、そして当社組織が持つ能力により、引き続き開発を迅速に進めることができると当社は確信しています。当社はこの重要なワクチン候補の開発に当たり、FDAおよびBARDA、その他世界中の保健当局と密接に協働していきたいと思います。」

武田薬品のジカウイルスワクチン候補は、米国の臨床試験実施申請(IND)の承認の下で、第1相試験(ZIK-101)が進行中です。ZIK-101試験から得た最初のデータが開発継続を支持するものであれば、当社は可及的速やかに第2相試験へと進めるよう努めます。

武田薬品はジカウイルス以外にも、デング熱、ノロウイルス、ポリオなど優先度の高い感染症に対するワクチンプログラムを幾つか遂行しています。武田薬品のデング熱ワクチン候補であるTAK-003もファストトラック指定を受け、ピボタル第3相有効性試験による評価を実施中であり、最初のデータは今年中に得られる見込みです。

連邦政府助成金について
本プロジェクトは、米保健福祉省事前準備対応次官補局の生物医学先端研究開発局より、全額または一部の助成金(契約番号:HHSO100201600015C)を受けています。

ジカウイルス感染症について
ジカウイルス感染症は、主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)が媒介するウイルスによって引き起こされます1。ジカウイルス感染症の症状には、軽度の発熱、皮疹、結膜炎、筋肉/関節痛、倦怠感、頭痛があります1。世界保健機関(WHO)によれば、ジカウイルスは小頭症を含む先天性ジカウイルス感染症と呼ばれる重篤な先天性異常を引き起こす場合があります1。またジカウイルスはギランバレー症候群と呼ばれる末梢神経系の希少疾患の原因の1つになっています1。他の合併症との関連性についても研究が行われています1。WHOは2016年2月、ジカウイルス感染症の流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)であると宣言しました4。また米国疾病対策センター(CDC)は同感染症への取り組みを最高水準に引き上げました5。WHOはその後でPHEICの終結を宣言しましたが6、ジカウイルス感染症は依然として公衆衛生上の懸念となっています4

臨床試験ZIK-101について
ZIK-101は、18歳~49歳の男女被験者240人を対象に、武田薬品の治験用ジカウイルスワクチン候補(TAK-426)の安全性と免疫原性を評価するランダム化プラセボ対照二重盲検試験です7。本第1相試験は、今後のTAK-426試験の進展を支えるため、本ワクチン候補を複数の用量で評価するようにデザインされています7。本試験は米国の臨床試験実施申請(IND)承認の下、米国の本土と海外領土で実施されています7
(Clinicaltrials.gov identifier: NCT03343626)

武田薬品のワクチンへの取り組み
ワクチンは、毎年200万人以上の生命を救い、公衆衛生のあり方を変えてきました8。武田薬品は過去70年にわたり、人々の健康を守るためのワクチンを日本で供給してきました。武田薬品の現在のグローバルなワクチン事業は、デング熱、ジカウイルス、ノロウイルス、ポリオなど、世界で最も大きな課題となっている感染症の一部に取り組むため、革新成果を適用しています。当社チームはワクチンの開発、製造、グローバルアクセスに関して傑出した実績と豊富な知識を持っており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生上のニーズに対応すべく、ワクチンのパイプラインを前進させています。

武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究開発活動をオンコロジー、消化器系疾患、神経科学の各治療領域とワクチンに集中させています。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。現在、特にオンコロジーと消化器系疾患における革新的な製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の成長を加速させています。武田薬品の約3万人の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。詳細情報についてはhttps://www.takeda.com/newsroom/をご覧ください。

将来見通しに関する記述
本プレスリリースには「将来見通しに関する記述」が含まれています。将来見通しに関する記述には過去の事実に関する記述以外のあらゆる記述が含まれ、将来に対する計画/戦略/予想、本取引に関する書類提出および承認の予想されるタイミング、取引完了の予想されるタイミング、取引を完了する能力ないし取引完了の多様な条件を満たす能力、前述の項目の背景となる仮定に基づく将来の収益・採算性・成長に関する記述が含まれます。未来時制で書かれた記述、「予測する」、「期待する」、「見積もる」、「継続する」、「考える」、「計画する」、「推定する」、「試算」、「意図する」、「潜在的、「目標」、「予見する」、「ガイダンス」、「見通し」、「努める」、「仮定する」、「つもりである」、「かもしれない」、「はずである」などの言葉と類似の表現は、将来見通しに関する記述と見なすべきものです。将来見通しに関する記述は経営陣が合理的と考える予想や仮定に基づいていますが、それらの記述は本質的に不確実で予想困難なものです。投資家と株主の皆さまは、これら将来見通しに関する記述に過度の期待を寄せないよう注意する必要があります。

将来見通しに関する記述はリスクや不確実性を伴いますが、それらのリスクや不確実性は実際の結果や経験が将来見通しに関する記述に明示ないし暗示されたものと大きく異なる場合の原因となり得ます。これらのリスクや不確実性には、必要とされる規制当局からの承認が取得された場合でもタイムリーに取得できない可能性、取引の完了条件が満たされない可能性、取引が完了しない可能性、取引から期待される利点が実現しない可能性、取引が従業員/ライセンシー/顧客/その他のビジネスパートナー/政府機関との関係を損なう可能性、競合その他の要因が将来の売り上げに悪影響を与える可能性、事業統合にかかるコストが現在の予想を上回る可能性が含まれますが、これらに限定されるものではありません。加えて、統合事業が、BARDAまたは武田薬品の制御下にない業界/経済/政治状況により悪影響を受ける可能性があります。これらの状況には、日本・米国・世界の全般的経済状況、競合他社からの圧力や競合他社の開発状況、適用される法令や規制、製品開発プログラムの成否、規制当局の行動とその時期、為替レートの変動、市販製品または開発中の製品候補の安全性ないし有効性に関するクレームや懸念が含まれます。

本プレスリリースに含まれる将来見通しに関する記述は、本書の日付時点のものであり、BARDAと武田薬品のいずれも、将来見通しに関する記述すべてについて、将来見通しに関する記述の日付以降に生じた新しい情報、将来の出来事や状況を反映する目的で、修正または更新する義務を一切負いません。これら記述の1つ以上が更新または修正されても、投資家を含む読者の方々はその後も更新や修正が行われると判断すべきではありません。

References

1. World Health Organization. Zika Virus Fact Sheet. Retrieved January 2018.(世界保健機関、ジカウイルス・ファクトシート)
2. World Health Organization. Zika Virus and Complications: 2016 Public Health Emergency of International Concern. Retrieved January 2018.(世界保健機関、ジカウイルスと合併症:2016年「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」)
3. Centers for Disease Control and Prevention. Zika Virus: About Zika. Retrieved January 2018.(米国疾病対策センター、ジカウイルス:ジカについて)
4. World Health Organization. WHO statement on the first meeting of the International Health Regulations (2005) (IHR 2005) Emergency Committee on Zika virus and observed increase in neurological disorders and neonatal malformations. Retrieved January 2018.(世界保健機関、ジカウイルスと神経疾患および新生児先天性異常の増加に関する国際保健規則(IHR 2005)緊急委員会初会合に当たってのWHO声明)
5. Centers for Disease Control and Prevention. CDC Emergency Operations Center Moves to Highest Level of Activation for Zika Response. Retrieved January 2018.(米国疾病対策センター、CDC緊急対応センターがジカウイルス対応の取り組みを最高レベルに引き上げ)
6. World Health Organization. Fifth meeting of the Emergency Committee under the International Health Regulations (2005) regarding Microcephaly, Other Neurological Disorders and Zika Virus. Retrieved January 2018.(世界保健機関、小頭症・その他の神経疾患・ジカウイルスに関する国際保健規則(2005)緊急委員会第7回会合)
7. ClinicalTrials.gov. Safety, Immunogenicity and Dose Ranging Study of Inactivated Zika Virus Vaccine in Healthy Adult Participants. Retrieved January 2018.(ClinicalTrials.gov、健康な成人において不活化ジカウイルスワクチンの安全性・免疫原性・用量範囲を検討する試験)
8. UNICEF. Immunization Facts and Figures April 2013. Retrieved January 2018. (UNICEF、2013年4月版「予防接種の事実とデータ」)

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