【東京農業大学(共同研究)】下水処理から多摩川へ:細菌たちの「役割」と「ゆくえ」を解明

プレスリリース発表元企業:学校法人東京農業大学

配信日時: 2026-04-28 11:32:23





水環境保全に向けた、細菌生態系の時空間ダイナミクスを特定


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下水処理から多摩川へ:
細菌たちの「役割」と「ゆくえ」を解明
~水環境保全に向けた、細菌生態系の時空間ダイナミクスを特定~

概要

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1. 背景
私たちが排出した下水は、処理場の微生物の力を借りて汚水からリンや窒素を取り除き、河川へと放出されます。しかし、季節による気温の変化が処理効率にどう影響するのか、また処理された水に含まれる細菌のDNAが河川の生態系にどの程度の範囲で影響を及ぼすのかについては、不明な点が残されていました。

2. 研究手法や研究成果
研究グループは、東京都内のA2O法(嫌気-無酸素-好気法)を採用する下水処理場にて、夏季から冬季にかけて継続的なサンプリング調査を実施し、以下を明らかにしました。

【水温と処理効率の相関】
調査の結果、下水処理場では年間を通じて高いアンモニア除去率(98.4%)を維持していましたが、冬場の水温低下に伴い、アンモニア除去能の低下や硝化を担う重要な細菌「ニトロスピラ(Nitrospira)」の割合が減少することを確認しました。

【コアな細菌の存在】
処理場内には、季節や処理槽の違いにかかわらず常に存在する「コア細菌群」がコミュニティの70%以上を占めており、安定した浄化機能を支えていることが分かりました。

【河川への影響の評価】
殺菌処理されて放流される処理水の多摩川への影響調査では、放流地点で検出された下水由来の細菌DNAが、2km下流では有意に減少していることが判明しました。細菌DNAの放出は、他の細菌が抗生物質耐性を獲得する原因になりますが、適切な処理プロセスを経ることで、河川生態系への影響が一定の範囲に留まっていることを示唆しています。

3. 期待される効果、今後の予定
本研究は、都市の下水処理システムが環境保全に果たしている役割を、微生物学的な視点から明らかにしたものです。今後は、河川における薬剤耐性遺伝子の動態や、機能面の解析のためDNAだけでなくRNAについても調査を広げ、持続可能な水環境の管理手法の提案を目指します。


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4. 研究プロジェクトについて
本研究は、JSPS(22K17999、23KK0192)、東急財団、日本生命財団の支援を受けて実施されました。

5. 論文情報
論文名:The role of bacteria in wastewater treatment and the impact of treated wastewater on riverine bacterial ecosystems
著者名:Akifumi Nishida, Mayuko Nakagawa, and Masayuki Yamamura
雑誌名:PLOS ONE
DOI:10.1371/journal.pone.0346342
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0346342&?utm_id=plos111&utm_source=internal&utm_medium=email&utm_campaign=author
公表日:2026年4月15日




本件に関するお問合わせ先
東京農業大学 学長室 企画広報課
TEL: 03-5477-2650 / Email: info@nodai.ac.jp

東京科学大学 総務企画部 広報課
TEL: 03-5734-2975 / Email: media@adm.isct.ac.jp

関連リンク
バイオインフォマティクス研究室
https://www.nodai.ac.jp/academics/life_sci/mole_micro/lab/146/

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