「“保険視点”でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査」を実施 Z世代 50.3%の保険選びの情報源は有識者のブログや解説サイト
配信日時: 2024-10-16 15:00:00
株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下、当社)は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「“保険視点”でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査」(以下、本調査)を実施しました。
本調査は、今後保険会社の主要顧客層となるZ世代※が、従来の世代とは異なる価値観やデジタルリテラシーを持っていることに着目し、新たな戦略の検討が必要であると予想して実施されました。20代から50代までの各世代を対象に、保険に関連する情報を調査・分析した結果、情報源、情報収集方法、加入時の姿勢、理解度において他の世代とは異なるZ世代の特徴が明らかになりました。
【調査詳細レポート】: https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/241016
※本調査では、1995年以降に生まれた就業中の20代をZ世代と定義
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_1.jpg
保険業界で主要な顧客層となりつつあるZ世代の、生命保険や医療保険に関する意識や情報収集方法、保険選択時に重視する点について調査を実施
【主なポイント】
1. 30代~50代の約半数が「保険会社のWebサイトや比較サイト」を参照しているのに対し、Z世代は50.4%が「有識者のブログや解説サイト」を利用している
2. 保険加入時に複数社で比較検討する割合は若年層ほど高くなり、50代では33.5%に対し、Z世代は55.3%に達している
3. Z世代の未加入者は「加入するきっかけがないだけで特に理由はない」との回答が68.6%
【背景】
近年、インターネットやデジタル技術の進展に伴い、あらゆる業界でデジタルネイティブ世代、特に「Z世代」の影響力が増しています。Z世代は、多様な価値観を自然に受け入れ、SNSを通じて瞬時に世界中の情報にアクセスする能力を持っているため、その消費行動も従来の世代とは異なる特徴を示しています。例えば、「コト消費」、「トキ消費」、「イミ消費」といった新たな消費スタイルがZ世代を象徴する言葉として登場しています。
保険業界においても、Z世代が主要な顧客層となりつつある今、その消費行動や価値観に対応したマーケティング戦略が求められています。本調査では、Z世代を含む20代から50代までの各世代を対象に、生命保険・医療保険に関する意識や情報収集方法、保険選択における重視点について、非公開型のインターネット調査を用いて、次の2つの仮説を検証しました。
●仮説1 Z世代が情報収集の手段を多様化させているため、保険会社は情報発信のバリエーションを増やす必要がある
●仮説2 Z世代への保険提案は、個人の多様性を重視し、パーソナライズされた提案が効果的である
【主な調査結果】
1. 30代~50代の約半数が「保険会社のWebサイトや比較サイト」を参照しているのに対し、Z世代は50.4%が「有識者のブログや解説サイト」を利用している
保険未加入者(以下、未加入者)を対象に「生命保険や医療保険について調べる際の情報収集の方法」を調査した結果、全世代で「インターネット検索」と回答した割合が最も多く、Z世代では73.9%、30代では65.7%、40代では69.9%、50代では81.9%と最も利用されている手段であることが分かりました(図1)。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_2.jpg
【図1】生命保険・医療保険について調べる際、使用すると思われる情報収集の方法(未加入者対象)
さらに、30代~50代の大半(42.5~53%)が「保険会社のWebサイトや比較サイト」を参照する一方で、Z世代は23.5%と約半分にとどまりました。また、Z世代は「有識者のブログや解説サイト」を見る割合が50.4%と、他の世代の約2倍に上ることから、Z世代は情報を集め比較するだけでなく、口コミのようなリアルな情報を求めていることが明らかになりました(図1)。
2. 保険加入時に複数社で比較検討する割合は、年齢が低くなるほど高くなり、50代では33.5%対し、Z世代では55.3%に達している
保険加入者を対象に「保険に加入する際、複数の保険会社で比較検討したか」を調査した結果、各世代で違いがみられました(図2-1)。Z世代では55.3%が複数社を比較して加入しているのに対し、30代では44.4%、40代では40.2%、50代では33.5%でした。年齢が高くなるほど比較検討せずに加入する割合が高くなることが明らかになりました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_3.jpg
【図2-1】加入する際、複数の保険会社で比較検討したか(加入者対象)
また「どのような方法で加入したか」に関する調査結果では、「保険会社の公式サイトからWebで申し込んだ」と回答した割合は、Z世代では34.2%、30代では31.8%、40代では23.2%、50代では16.5%と、年齢が高くなるほどWebでの申し込みが減少する傾向がみられました。一方、「職場に来る保険会社から加入した」と回答した割合は、Z世代では10.5%、30代では16.7%、40代では17.0%、50代では33.5%と、年齢が高くなるほど職場での申し込みが増加している傾向がみられました。「保険会社の公式サイトからWebで申し込んだ」、「保険ショップ・代理店で申し込んだ」を能動的なアクションとした場合、Z世代の割合が76.3%と他の年代と比較して最も高く、能動的に行動した上で保険に加入していることが明らかになりました(図2-2)。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_4.jpg
【図2-2】どのような方法で加入したか(加入者対象)
3. Z世代の未加入者は「加入するきっかけがないだけで特に理由はない」との回答が68.6%
未加入者を対象に「現在、生命保険・医療保険に加入していない理由」を調査した結果、各年代で「加入するきっかけがないだけで特に理由はない」という回答に違いがみられました。Z世代では68.6%、30代では33.0%、40代では25.2%、50代では16.4%と、年齢が高くなるほど加入のきっかけが増えており、特にZ世代の回答割合は他の世代と比較しても明らかに高くなりました(図3-1)。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_5.jpg
【図3-1】生命保険・医療保険に加入していない理由(未加入者対象)
また全員に「生命保険・医療保険の理解度」を調査した結果、若い世代ほど保険の理解度が低い結果になりました。「あまり理解していない」、「まったく理解していない」と回答した割合を足した場合、Z世代では71.5%、30代では60.3%、40代では59.0%、50代では45.5%と、年齢が低くなるほど保険に対する理解度が低くなりました(図3-2)。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/412698/LL_img_412698_6.jpg
【図3-2】生命保険・医療保険の理解度
【考察】
■ソーシャル・デジタル戦略ユニット アソシエイトパートナー 松田 耕介、シニアコンサルタント 大橋 加那
本調査において、Z世代の保険に対する行動と価値観を分析した結果、以下の仮説が確認されました。
●仮説1 Z世代が情報収集の手段を多様化させているため、保険会社は情報発信のバリエーションを増やす必要がある
●仮説2 Z世代への保険提案は、個人の多様性を重視し、パーソナライズされた提案が効果的である
仮説1では、Z世代が有識者のブログや解説サイトを活用し、第三者のレビューを信頼する傾向が強いことが確認されました。Z世代は従来の一方向的な広告や情報提供よりも双方向のコミュニケーションを重視しているため、保険会社は多様なメディアを通じて情報を発信する戦略が不可欠です。
仮説2では、個人の多様性を重視するZ世代に対して、画一的な保険提案は効果が薄いことが確認されました。またZ世代が能動的に行動し保険に加入していることから、個々のニーズやライフステージに応じた提案が重要だと考えられます。
調査結果から、Z世代が他の世代とは明らかに異なる価値観をもち、消費行動や情報収集の方法に影響を与えていることが明らかになりました。近年、海外の先進的な保険会社は若年層への効果的なアプローチとして、一般ユーザーが生成するコンテンツ(UGC:User Generated Content)の活用や、パーソナライズされた広告の配信などを積極的に行っています。日本でも、第三者が発信する解説サイトやSNSの利用が拡大しており、保険会社の広報戦略にも変革が求められています。
従来のようにTVCMや新聞広告、有識者による情報発信に予算を投じる戦略から、SNSの世界でどのような内容がどのようなインフルエンサーや一般ユーザーから発信されているか見極め、Z世代やそれ以降の世代をターゲットにした効果的な広報活動を模索するなど、将来を見据えた勝ち筋を探し続ける必要があると考えます。
当社では、保険業界に関わる事業者の皆様に対して、最新のマーケティング動向やZ世代の消費行動に対応した各種コンサルティングサービス提供し、課題解決に向けた支援に取り組んでいきます。
【調査概要】
調査名 :保険視点でのZ世代×デジタル戦略の有効性調査
調査期間 :2024年6月21日~2024年6月25日
調査方法 :非公開型インターネットアンケート
(NTTコム リサーチ クローズド調査)
調査対象 :就業中の20代から50代までの男女
調査機関/実施者:●株式会社NTTデータ経営研究所
ソーシャル・デジタル戦略ユニット
●NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
有効回答者数 :1,027人(男性:501、女性:522、非回答4)
調査結果(詳細レポート)
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/241016
【関連リンク】
■NTTデータ経営研究所「保険×デジタルマーケティング」サービスページ:
https://www.nttdata-strategy.com/services/operation/digital-marketing-insurance/
■NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社: https://www.nttcoms.com/
<調査結果の利用について>
・本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が保有します。
・調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」または「NTTデータ経営研究所/NTTコム リサーチ」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはブランド推進担当までお知らせください。
・調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
・本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。
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