非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」にて32 軒目の成約〜自然環境教育の拠点探しが、三重県明和町で元・海苔加工場とマッチ

プレスリリース発表元企業:株式会社On-Co

配信日時: 2024-10-09 10:00:00

非流通空き家を借り手の想いで動かす「さかさま不動産」にて32 軒目の成約〜自然環境教育の拠点探しが、三重県明和町で元・海苔加工場とマッチ


株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co)が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するサービス「さかさま不動産」を介して、学生起業し子どもたちや大人が集い、”自然と共に生きること”を考える自然環境教育・体験の活動拠点をつくりたい若者と、地域の自然資源の魅力活用をしたい地域の想いが、三重県明和町でマッチングしました。

貸す気も売る気もない空き家が20年で約1.9倍へ

 深刻化する空き家問題。総務省によると、2023年の空き家率は過去最高となる13.8%(900万戸)で、二次的利用や賃貸・売却予定のない長期不在の住宅は42.7%(385万戸)。2030年には470万戸程に増加すると推計されています (※1※2) ※1 総務省 「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)※2 国交省「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」

さかさま不動産の狙い

さかさま不動産は、不動産の概念をひっくり返し、借りたい「人」の想いを可視化して、共感する物件所有者を募る仕組みです。逆さにすることで「家情報は公開したくないが良い人がいれば貸したい」といった潜在的空き家所有者はじめ、「貸す人や使途は選びたい」など、所有者・地域側のニーズと合致。
これまで本屋やサウナ、駄菓子屋など地域に根ざした事業・文化が全国で31軒生まれており、不動産マッチングが創出する、人や地域を育む場としての「価値」に共感の輪が広がっています。
※サービス開始:2020年6月|HP:https://sakasama-fudosan.com/

借主:三重大学で自然環境リテラシーを学び、学生起業。自然環境教育・体験の拠点を探す

 成約したのは、松本愛莉さん(25)。入学した三重大学で自然の豊かさや素晴らしさ、自然の中で安全に活動する知識や知恵を人々に伝える力「自然環境リテラシー」について学ぶ実習に出会いました。カヤックを使い、三重の自然や地域について知るこの実習を通して、松本さんは三重の自然に魅了され、翌年以降も実習スタッフとして積極的に関わっていましたが、地域の方々から「ここには何もない」という言葉をよく聞いていました。京都出身の松本さんは、もっと多くの人たちに、三重の自然の素晴らしさに気づき、地元を愛し、守りたい自然、大切にしたい自然を自分の中にもってもらいたい、そのために自分が「自然と人の架け橋」になりたいという気持ちを大きくしました。
 そして京都大学大学院在学中に、自然の素晴らしさやアウトドアで安全に活動する知識や知恵を伝える活動を行う「一般社団法人NELCrew(ネルクルー)」を立ち上げ、その活動拠点を探していました。 
▶さかさま不動産掲載記事  https://sakasama-fudosan.com/lessee/mie_nature/


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貸主:明和町の地域資源を活かす人材として松本さんを誘致

未活用漁港を海業再興へ転換
 今回の貸主となるのは、一般社団法人明和観光商社。明和町の地域づくりを担っており、その一つとしてさかさま不動産の支局としても活動しています。
 明和町には大淀・下御糸(しもみいと)2つの漁港があり、うち下御糸漁港はかつて盛んだった海苔漁師が激減して出荷を大淀に一元化し、加工場や倉庫などほとんど使われない施設がありました。観光商社は約2年前から「海業」として港や海、その近隣環境を再度資源として活かせないか取り組みを開始。海業に賛同してくれた下御糸漁港を管轄する伊勢湾漁協から、元・海苔の加工場を借り受けることができ、海業開発の拠点として活用を考えていました。


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海に関わる自然体験プログラム開発を一般社団法人NELCrewへ依頼
 商社は海業プログラムの展開において、松本さんが代表を務める一般社団法人NELCrewに地域の魅力を活かした自然体験プログラム作りを委託。その過程で、明和町に活動拠点があると計画や実施がスムーズだろうという話が持ち上がりました。また先述の元海苔加工場が膨大な道具類を保管したり活動をする場所として適しているのではということで、漁協とも相談の上で地域資源開発への共創働きかけや、明和町を拠点とした活動展開のために「みいとベース」が誕生しました。


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「地域の未来を自分ごととして考え、行動する仲間を増やしたい!」地域おこし協力隊として地域に貢献する人材に

 松本さんとしては、拠点「みいとベース」ができたことで地域とのつながりが強まっていることを実感。近所の方が活動の手伝いに来てくれたり、地元の方が声をかけてくれることも増えています。
 大学院卒業後の進路を考えていた松本さんは、三重県での自然体験活動を通じて「地域の未来を自分ごととして考え、行動する仲間を増やしたい!」と、2024年4月、明和町地域おこし協力隊「自然体験コーディネーター」に就任。明和観光商社に席をおいて、活動を始めました。地域おこし協力隊となったことで地域での活動も広がり、教育委員会と連携して地元の小中学生に明和の自然の良さを知ってもらうようなプログラムも開発。こうした広がりもこの地に根付いた活動ゆえと、さらに精力的です。
 今後、松本さんは子供たちや地域の方々への自然体験の機会を提供することや、継続的・長期的な自然環境教育プログラムの展開を目指しています。観光商社もそうしたプログラムのふるさと納税への展開や、拠点「みいとベース」を軸に町外から来た人や世代を超えて地域内外の人が交流できるような場づくりへに期待しています。


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地域と連携してフォローする仕組みへ

 空き家が増え続ける一方、借りられる空き家は少ないというのが各地の共通課題。単に空き家を埋める事を目的とせず、どんな人がどう活用するのかを地域側も選ぶ必要性が出ています。
 さかさま不動産では、空き家を介した丁寧な関係性づくりの重要性を感じ、2022年よりさかさま不動産支局制度を開始※。現在は愛知県西尾市など16拠点と連携し、借主貸主からの問合せ対応や地域リレーションのサポートを実施。交流人口拡大や地域活性化・産業の振興に繋がるケースが生まれつつあります。また月1回は支局同士の情報交換を行い、地域を越境した情報共有を図っています。
※さかさま不動産支局:空き家を介した関係性づくりを、風土や課題を理解した人たちが地域密着でフォローする仕組み

今後の展開

 空き家を介した関係性づくりに共感が集まり、全国の自治体やまちづくり団体との連携が広がりつつあります。10月18日には和歌山県和歌山市、12月には兵庫県尼崎市にてさかさま不動産支局が開局され、年内には三重県伊勢市での開局も予定されています。
 やりたい想いを伝えることで応援者に出会えるプラットフォームとなり、空き家を埋める事を目的とせず、街にとってより良いマッチングを大切にして挑戦を応援する気風づくりを目指します。

株式会社On-Coについて

共同創業:水谷岳史/藤田恭兵
設立:2019年3月
所在地:三重県桑名市西別所1375
事務所:愛知県名古屋市西区新道1丁目13-15昭和ビル(マダナサソウ)
HP:https://on-co.jp/
ミッションは関わる人々の主体性を向上させ、挑戦が溢れる面白い世の中をつくること。強みは社会に必要と感じた概念を具現化すること。さかさま不動産や丘漁師組合、上回転研究所、マダナサソウなどのPJを展開している。


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