2024年第2四半期の半導体ファウンダリグローバル市場における売上を発表〜前四半期比9%、前年同期比23%増加〜
配信日時: 2024-09-13 09:00:00
カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、半導体ファウンダリグローバル市場における売上は2024年第2四半期に前四半期比9%、前年同期比23%増加したという調査結果を含むFoundry Quarterly Trackerによる最新調査を発表致しました。
半導体ファウンダリグローバル市場における連続成長の原動力は主に強いAI需要にあります。AI半導体に採用されるCoWoS技術(TSMCが開発した2.5次元チップ技術で、プロセッサや高速メモリを基板上に高密度に配置し高速・低消費電力を実現)を用いたチップ供給は、その低価格版CoWoS-Lについては製造能力の拡張の可能性があるとはいえ、相変わらず厳しい状態が続いています。自動車や産業用途などAI以外の半導体の需要は回復が遅いものの、IoTや家電など一部の用途では特急の注文も入り始めています。そんな中、中国のファウンダリと半導体市場は、他国よりも速く回復しています。SMICやHuaHongなど中国のファウンダリ市場の四半期業績は好調で、ポジティブな見通しを立てています。これは、顧客である中国国内のファブレス企業が早くから在庫調整を始めたため、他国のファウンダリよりも業績の底を打つのが早かったことに起因します。
図: 半導体ファウンダリグローバル市場シェアランキング
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzNDM1NTQjNzc3NDVfbkJoaWluY2J1VC5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Foundry Capacity Tracker
TSMCの2024年第2四半期の売上は多少予想を上回りました。AIアクセラレーターの需要が引き続き大きく伸びていることが主な要因です。これを受けて、TSMCは通年の利益予想を20%台の下の方から、20%台半ばへ引き上げました。TSMCはAIアクセラレーターの需給が2025年から2026年前半にかけてタイトな状況が続くと予測しています。同社はCoWoSの製造能力を2025年までに、さらに倍以上に拡張し、AI需要に応える計画です。3nmや4/5nmなどの最先端プロセスノードの価格は2025年に急騰する可能性が高く、TSMCの技術力を再認識させられるとともに、同社の長期的な収益と業界全体の持続的な成長が期待できます。
Samsung Foundryの売上は前四半期より伸びていますが、これは主にスマートフォン向けに在庫を積んで準備をしていることが要因であり、おかげで同社は2024年第2四半期に13%のシェアで第2位につけています。同社は引き続き、重点戦略として先端プロセスノード向けにモバイルとAI/HPCの顧客を増やそうとしており、それによって業界平均より高い売上成長を狙っています。
SMICの四半期業績は好調で、第3四半期の利益予想も市場の期待を超えるものでした。中国国内の需要回復を受けてのことで、CIS(CMOSイメージセンサー)、PMIC(電源管理IC)、IoT、TDDI(タッチパネル機能付きのディスプレイ制御IC)、LDDIC(大型ディスプレイ用ドライバIC)などが好調です。SMICの12インチウェハーの需要は改善しており、顧客である中国のファブレス各社に在庫積み増しの動きが広がるにつれて、全体のASP(平均売価)も上昇するとみられます。同社は、今後稼働率が改善することから、慎重な姿勢ながら売上成長には明るい見通しを立てています。
UMCの四半期業績は予想を大きく上回りました。外国為替レートが有利に働いたことと、価格決定力があることが功を奏し、利益率が上がったことが要因です。同社は、第3四半期に今四半期比で一桁台半ばの成長を予測しています。これは、AIを別にすれば、ロジック半導体の回復が弱い状況を考慮した、私たちの予想とも一致しています。UMCは、22nmのHV(ディスプレイ等に必要となる高電圧対応チップ)、55nmのRF SOI(主にモバイルで使う高周波IC)やBCD(高電圧パワー半導体向けの技術)といった特殊用途向けにフォーカスし、LDDICやNORフラッシュメモリといった、コモディティ製品からは距離を置く戦略を採っています。これによって価格の安定化と長期的な成長が見込まれています。
GlobalFoundriesの四半期業績は堅調でした。新規受注案件が立ち上がったこともあり、同社の自動車向け事業は、厳しい業界の中で前四半期より伸びています。スマートフォン市場での在庫適正化や、通信・IoT市場の需要の安定も、同社にとって追い風となっています。GlobaFoundriesの業績予想からは、同社の事業全体がゆるやかに回復していることが見て取れます。これは、UMCなど中国国外の実績あるファウンダリの状況にも一致しています。
カウンターポイント社リサーチアナリストAdam Chang氏は、次の通り述べています。
「2024年第2四半期は、グローバルで半導体ファウンダリ業界が回復力を見せた。AI需要の底堅さと、スマートフォン向けの在庫再積み増しで業績が回復した。とはいえ、半導体業界の需要回復はまだら模様だ。AI向け半導体のような最先端プロセスを使うアプリケーションは大きく伸びているが、従来からの半導体製品の回復は歩みが遅い。顧客である国内ファブレス企業の在庫調整が早く進み、今は在庫再積み増しに動いていることから、中国のファウンダリはリバウンドが速い。それと比較すると、中国国外のファウンダリの回復は緩慢だ。」
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/research_portal/foundry-capacity-tracker-q1-2020-q1-2024/
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2024年4月1日~2024年6月30日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Research HKはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
提供元:valuepressプレスリリース詳細へ
プレスリリース情報提供元:valuepress
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