デジタル基盤「Serendie」を活用した鉄道向けデータ分析サービスの開始
配信日時: 2024-07-12 13:50:09
DXにより鉄道事業者へ新しい電力活用方法を提案
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/148/120285-148-ac61f7e29f6e1cd97ad2cd02728eab66-1386x699.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「鉄道向けデータ分析サービス」体系図
三菱電機株式会社は、当社独自のデジタル基盤「Serendie(セレンディ)(TM)」(※2)を活用して、鉄道事業に関わるエネルギーの最適利用や鉄道アセットの最適配置・運用に向けたデータ分析サービスの提供を7月11日に開始しました。
鉄道業界では、鉄道分野・鉄道関連分野のカーボンニュートラル・脱炭素化の実現に向けて、太陽光発電(以下、PV)等の再生可能エネルギー活用や環境配慮型の車両機器導入などの施策が進められています。この取り組みをさらに加速するためには、運行情報をはじめとした鉄道に関連するさまざまな運用データを活用し、変電所や駅の鉄道アセットと列車運行を連携してエネルギーを全体で最適化する必要があります。
当社は今回、デジタル基盤「Serendie」を活用し、車両・変電所・駅の電力使用量や列車運行状況等のデータを組み合わせて分析することで、脱炭素化を目指す鉄道事業者の潜在課題を捉え、最適な解決策や活用方法を提案する鉄道向けデータ分析サービスを開始します。このサービスでは、例えば鉄道車両のブレーキ時に発生する回生エネルギーの余剰電力(以下、余剰回生電力)を見える化した情報の地図上マッピングをもとに、駅舎補助電源装置(S-EIV(R))(※3)の適切な配置場所や、駅の混雑度・運行ダイヤ・運行状況に応じた鉄道アセットの最適な運用方法を提案します。
この提案をもとに、鉄道事業者の設備導入や列車の省エネ運用を継続的にサポートし、鉄道アセット連携と省エネ運転を融合することで、エネルギーの運用最適化に貢献します。さらに、鉄道分野で収集したデータを分析・活用し、沿線地域の電力システムとの連携をサポートすることで、沿線地域全体でのエネルギー供給の最適化実現による脱炭素化推進に貢献します。
■ 新サービスの内容
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/148/120285-148-1996dcd789d38d29d0dee728a99d3754-756x456.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鉄道分野におけるデータ分析サービスの概念
1.車両や変電所、駅設備等のデータ分析により、省エネ施策検討を支援
・当社が培ってきた鉄道事業分野における知見と、新たに構築したデジタル基盤「Serendie」を組み合わせ、多量のデータ分析を迅速に行い、鉄道事業者特有の課題を正確に把握。また、分析結果をわかりやすくフィードバックすることで省エネ施策の検討を支援
・余剰回生電力が発生しやすい場所・時間帯や発生電力量を特定し、地図上にマッピング(図1)して、グラフ化(グラフ1)。投資回収効果に関するデータの提供とともに、駅舎補助電源装置(S-EIV)の最適な設置箇所を提案
・路線全体の余剰回生電力や「き電電圧」(※4)を見える化し、車両搭載機器の効率と回生電力発生時の電圧上昇量を考慮した変電所電圧の最適値を提案
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/148/120285-148-6a8dee841c83b67faef12bfb7c709f49-1782x602.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2.鉄道アセット連携と省エネ運転の融合により、エネルギーの最適な活用法を提案
・デジタル基盤「Serendie」を活用し、電力使用状況、列車運行状況、乗車率、駅の混雑度、気象等のデータを蓄積し、分析。その結果に基づき、最適な列車運行計画の策定を支援するとともに、ピーク電力抑制による変電所設備のスリム化を提案
・鉄道事業者に求められる安全・安定な列車運行と社会課題であるカーボンニュートラル実現の両立を目指し、旅客利便性を確保したまま、省エネに貢献する最適な運用をコンサルティング
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120285/148/120285-148-f6fb0493d159d99872e28bb94890ff70-2094x1331.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鉄道アセット連携と列車省エネ運行の融合のイメージ図
■今後の予定・将来展望
鉄道分野・鉄道関連分野で収集したデータを分析・活用し、沿線地域の電力システムと連携することで地域全体でのエネルギー最適化への貢献を目指します。さらに、データを基にしたエネルギー最適化の取り組みに加え、駅などの公共性の高い場所に非常用電源設備を確保することで災害レジリエンスを強化する等、総合的な地域貢献を推進していきます。
当社は、「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」として、事業活動を通じて得た英知を結集し、多様なデータを分析・活用して潜在課題を可視化することで、社会課題解決に向け新たな価値の創出・提供を目指します。
■商標関連
[表: https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/148_1_ce5c13e0d697415fd8c9468098a4ecb0.jpg ]
※1 既存の鉄道車両に搭載し、車両統合管理装置(TCMS)の各種データを収集する装置。SMART-DはSmall Monitor Analyze Record Terminal-Depotの略
※2 当社がありたい姿として掲げる「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革をさらに加速するためのデジタル基盤。Serendipity(偶然の巡り合いがもたらすひらめき)と、Digital Engineeringを掛け合わせた造語
※3 鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を駅の電気設備に直接供給する装置。S-EIVはStation Energy Saving Inverterの略
※4 き電電圧:鉄道車両が走行時に使用する電気の電圧
※5 回生電力量:回生電力のうち、実際に他の車両等に融通した電力の量を表す
※6 理想回生電力量:ブレーキのエネルギーを全て電力に変換できた場合の回生電力量
※7 余剰回生電力量:空気ブレーキ等により熱エネルギーに変換され有効活用できていない回生電力量
※8 力行:鉄道車両を加速、もしくは上り勾配で一定速度に保つこと
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 社会システム事業本部
モビリティインフラシステム事業部 事業戦略部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail:rail.webmaster@nb.MitsubishiElectric.co.jp
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