【株式会社PXP】曲がるソーラーで記録更新!

プレスリリース発表元企業:株式会社PXP

配信日時: 2024-04-01 10:00:00

ペロブスカイトとカルコパイライトを重ねて変換効率26.5%達成



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曲面に2種類の曲がる太陽電池を重ねて貼った様子
次世代太陽電池で世界に挑戦しているスタートアップ、株式会社PXP(本社:神奈川県相模原市)は、この度、2種類の「曲がる太陽電池」を重ねたタンデム太陽電池にて、変換効率26.5%を達成致しましたことをお知らせいたします。

昨年11月にペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたタンデム太陽電池にて、変換効率23.6%を達成してから、5カ月余りで大きく性能が向上しました。昨年立ち上げたばかりの実験設備の安定化による再現性向上が、今回の成果に大きく貢献しました。

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ペロブスカイトを用いた各種タンデム太陽電池の比較
▽ペロブスカイトとカルコパイライトは良いパートナー
ペロブスカイトは、長い波長の光を透過するため、透過した光を吸収できる別の材料の上に重ねることで変換効率を高めることができます。2種類の材料を重ねたタンデム太陽電池の変換効率のポテンシャルは、トップセルとボトムセルの材料の色の組み合わせで決まります。
ペロブスカイトはトップセルの材料として有望ですが、現状では理論変換効率が最大となる1.67eV付近の色のペロブスカイトは、あまり耐久性が良くありません。一方、比較的高耐久な1.55eV付近の色のペロブスカイトを用いる場合、ボトムセル材料との相性がより顕著となります。ボトムセル材料として有望なのは、広く用いられているシリコンや、色を調整したペロブスカイト、カルコパイライトが挙げられますが、その中でもカルコパイライトは最も高い理論変換効率が期待されます。また、曲がる・割れない特徴を活かすことができるため、ペロブスカイトとカルコパイライトは最適なパートナーと考えられます。

▽ペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたソーラーのいま
ペロブスカイトとカルコパイライトはどちらもフレキシブル基板を用いることが可能な材料ですが、フレキシブル型はリジッド型よりも高度な技術を要するため、基礎研究ではリジッド型が用いられる事がほとんどです。リジッド型のペロブスカイト/カルコパイライトタンデム太陽電池では、スイスとシンガポールの研究機関が共同で1.63eVの色のペロブスカイトを用いて変換効率29.9%を、ドイツの研究機関が1.62eVの色のペロブスカイトを用いて変換効率27.3%を、東京大学が比較的高耐久な1.55eVの色のペロブスカイトを用いて変換効率26.2%を実現しています。また、フレキシブル型ではペロブスカイトの色は不明でありますが、欧州の研究機関連合が変換効率21.5%を実現している他、中国の大学も変換効率21.5%を実現しています。
PXPは比較的高耐久な1.55eVの色のペロブスカイトを用いて、フレキシブル型のペロブスカイト/カルコパイライトタンデム太陽電池の実用化を目指しています。

最高技術責任者:杉本広紀は以下の通り話しています。
「残念ながらペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたタンデム太陽電池に取り組んでいる研究機関や企業は、世界でも数えるほどしかありませんが、しっかりと実績を積み重ね、この分野を盛り上げていきたいと考えています。また、PXPではカルコパイライトで培った量産技術をペロブスカイトに応用する挑戦もしています。基礎研究で終わらせず、しっかり実用化に繋げられるように今後も取り組んでいきます。」

【株式会社PXPについて】
ソーラーパネルのデバイス研究と量産技術開発の豊富な経験を持つ技術者が集まり、2020年に相模原市に設立したグリーンテック開発のスタートアップです。
クリーンなエネルギーをいつでも どこでも だれでも自由に使える世界を目指して、世界初の方法でペロブスカイト/カルコパイライトのタンデム構造を用いた、軽くて曲がる、割れないソーラーパネルや全固体電池一体型ソーラーパネルの研究開発を行っており、2024年より量産技術パイロットラインが稼働しました。

※用語解説
タンデム太陽電池:
分光感度の異なる複数の太陽電池を重ねて用いることで、幅広い波長の光を無駄なく電気に変換する太陽電池。当社は紫外光から赤い光で良く発電するペロブスカイト太陽電池と、赤い光から赤外光で良く発電するカルコパイライト太陽電池を重ねて用いています。

全固体電池:
電解質に固体材料を用いた蓄電池。耐熱性が高く安全性が高い。

株式会社PXP
設立 2020年7月
代表 栗谷川 悟
本社 神奈川県相模原市緑区
HP https://pxpco.jp/
SNS https://twitter.com/pxp_en

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