福祉販売における眼鏡代金等の医療扶助申請に係る過大請求等の調査結果(要約)について
配信日時: 2023-09-05 16:02:10
この度の当社福祉販売における過大請求等に関して、多くの皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしておりますことを深くお詫びいたします。
さて、当社では、当社グループ全店舗の福祉販売における眼鏡代金等の医療扶助申請に係る過大請求等の調査を進めてまいりました。今般、過大請求等の販売の件数及び金額、並びに、販売再開に向けた再発防止策がまとまりましたので、その内容をお知らせいたします。
なお、今回の調査は、荒井総合法律事務所の弁護士による指導・監督のもと、当社社員で構成される調査委員会が主体となって実施いたしました。詳細な調査報告書に関しては当社ホームページで公開いたしますのでご参照ください。
1 過大請求等の件数・金額
今回、過去10年間(2013年5月~2023年6月2日)の、全ての福祉販売のPOS販売データを遡り、調査を行いました。
結果は下記表1のとおりです。調査対象期間(10年間)の総福祉販売数21,190件(売上金額646,184,787円)中、過大請求等と判断された福祉販売の件数は2,773件(総福祉販売数の13.09%)、その売上金額は65,511,802円(総福祉販売売上金額の10.14%)であり、過大請求等の売上金額のうち過大請求部分は9,003,161円(総福祉販売売上金額の1.39%)です。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19511/154/resize/d19511-154-06e2a7ab5dbf4092f80b-0.png ]
当社のメガネ販売全体に占める福祉販売の件数及び売上金額の比率は下記表2のとおりです。
メガネ販売全体に占める福祉販売の件数の比率は0.33%~0.86%、同売上の比率は0.45%~0.80%、年代ごとの平均比率は共に0.56%です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19511/154/resize/d19511-154-ec1dce9412da5021e99e-1.png ]
なお、これまでの調査により、過大請求等の原因を十分に特定できたこと、また、過大請求等にかかる自治体の返還請求権は、5年の経過により時効消滅し(地方自治法236条1項)、10年よりもさらに遡って調査しても、消滅時効期間が既に経過した部分については自治体が受け取らない可能性がある(既に複数の自治体から消滅時効期間を経過した部分は返還を受けられない旨の回答がなされています)ことから、調査はひとまず完了し、策定した再発防止策の早急な実施と福祉販売の再開に注力していくことといたしました。
2 要因
過去販売データ21,190件の調査及び当事者40名へのヒアリングにより、過大請求等が生じた要因は、以下(1)~(5)のとおりであることが確認されました。
(1)福祉販売の正しい方法につき、社員に対する研修、教育がなされていなかったこと。
(2)福祉販売のマニュアルは過去複数回作成されていたものの、全店舗に対する周知が徹底されず、その後の更新もなされていなかったこと。
(3)正しい福祉販売がなされるためのPOSシステムの整備等のハード面のシステム化がなされていなかったこと。
(4)上記(1)~(3)のために、販売オペレーションが各店舗任せになり、正しい福祉販売の方法を知らない従業員により誤った販売方法がなされ、それが経験的に伝達されてきてしまったこと。
(5)上記(1)~(4)の事態が生じた根本原因は、上述のとおり、当社のメガネ販売全体に対する福祉販売の件数の比率が0.33%~0.86%、同売上の比率が0.45%~0.80%にとどまるため、会社として、福祉販売に対する注意の程度が低く、正しい販売方法の教育、マニュアル化、システム化の必要性について十分な認識がなかったことによると考えられます。
なお、前頁記載のとおり、総福祉販売件数中の過大請求等の件数の比率は13.09%、総福祉販売売上金額に占める過大請求等の金額の比率は1.39%にそれぞれとどまること、また、実際に過大請求等を行った従業員にヒアリングしたところ、本社や店舗の上司等から過大請求等の指示を受けたとか、過大なノルマが課せられていた等の組織的な過大請求等の動機となるような事実も確認できなかったことから、当社において過大請求等にかかる組織的な指示、関与等は認められませんでした。
3 再発防止策
再発防止策は下記(1)~(4)を実施することを予定しており、特に全スタッフへの研修と福祉販売に対する正しい知識、正しい販売方法の理解が必須と考えております。
福祉販売の再開は2023年10月1日以降を想定しているものの、以下の取り組みの徹底を確認した後に実際の再開日を判断してまいります。
(1)オペレーション・組織(マニュアル作成・定期的な更新、ブロック・地区に担当者配置、明細・店頭表示価格の申請前のチェック、主管部署の人員増強 など)
(2)POS改修(福祉助成金額を入力必須、消費税が直接打ち込めない仕組み、店頭表示価格の入力必須 など)
(3)教育、研修(全社販売研修(販売再開前)、定期的な研修実施、コンプライアンス研修での本件取り上げ、新人・中途スタッフへ必須研修化 など)
(4)自治体への商品明細提出と販売品目に関する確認の徹底
4 過大請求した金員の返還について
上述した通り、既に消滅時効期間である5年を経過した事案に係る過大請求の金員の返還に関しては、自治体に返還を申し入れても、時効のために返金を受け付けない旨の返答を複数いただいております。
しかし、自治体が返金を受け付けずとも、その利得を当社内で保持するのは適切ではないと考えております。
そのため、当社では、自治体から返金を拒まれた金員を、障がい者関連団体に対して寄付する予定です。寄付先及び金額が決定次第、プレスリリースにて公表いたします。
5 結語
この度、当社が福祉販売において過大請求等を引き起こしたことで、お客様をはじめとした多くの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしたことを、改めて深くお詫びを申し上げます。今回の調査で判明した発生要因に対応した再発防止策を徹底的に講じ、福祉販売をいち早く再開できるよう準備を進めていくと共に、過大請求した金員の返還も進めてまいります。
調査を通して、本件の本質は、10年にも渡り福祉販売において過大請求等を続けていたことを会社として把握できなかったばかりでなく、オペレーションに関しては各店舗の現場任せ、さらにいえば放任に近い状態を続けてしまったことで、誤った販売方法がなされ、それが経験的に伝達されていった点にあるものと理解しております。
眼鏡や補聴器を必要とするあらゆる方々に適切に商品をお届けしていくことが、眼鏡等小売事業社としての社会的役割であることを再認識し、福祉販売での過大請求等の再発防止はもちろんのこと、全てのお客様に対する正確かつ透明性のある販売の徹底を、全社を挙げて取り組んでまいります。
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