【京都大学と共同で研究】月経前の肌不調は自然光と関係あり!?~ヒトが持つ体内時計の視点から解決のヒントを提案!~

プレスリリース発表元企業:株式会社セプテム総研

配信日時: 2023-06-22 17:45:30

第23回日本抗加齢医学会総会で発表

化粧品、医薬部外品、健康食品などの研究・開発・製造および販売を手がける株式会社セプテム総研(本社:大阪府大阪市、石神政道 代表取締役社長)は、24時間の体内時計の視点から生活スタイルが月経前の肌状態に与える影響について京都大学大学院医学研究科(京都府京都市、若村智子 教授)と共同で研究をおこない、2023年6月9日~11日、第23回日本抗加齢医学会総会で発表しました。



【研究背景・目的】
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女性には、約28日の月経周期があり、関連ホルモンの調節による心身の変動があります。特に、月経開始数日前から生じる心身の不調は月経前症候群(PMS)といわれ、有経女性の74%にも及びます。この時期は、皮膚においても不安定さを感じやすく、多くの女性がニキビなどの肌状態の悪化(以下、肌不安定化と記す)で悩んでいます。一方で、ヒトの睡眠覚醒、体温、ホルモン分泌などは、24時間周期の体内時計(概日リズム)があり、光や食事などの概日リズム同調因子によって調節されています。24時間のリズムを整えることは、28日の月経周期を整え、肌状態にもつながる可能性が考えられます。しかし、夜間照明の増加やライフスタイルが多様化する、現代社会の生活での研究はまだ十分ではありません。
そこで、概日リズム同調因子の視点から、生活スタイルが月経周期、特に月経前の肌不安定化に与える影響を明らかにするために、Webアンケート調査を実施(2022年1月)し、日本在住の20~49歳の女性801名を対象に解析しました。

【研究結果】
月経前の肌の不安定化は、20歳代で最も大きく、ニキビの割合が高い。

月経前の肌不安定化は、クロノタイプ(朝型・夜型)が関係。朝型と比較して夜型が、月経前の肌不安定化が大きい。

日中に2時間以上の自然光(冬季の屋外)を感じる生活が、月経前の肌の不安定化が小さい。



<月経前の肌不安定化について>
■月経前の肌の不安定化は、20歳代で最も大きく、ニキビの割合が高い。
月経前の肌の不安定化を5段階(高いほど不安定化が大きい)で年齢別に比較し、月経前の肌不安定化スコアは、20歳代で最も高くなりました(Fig.1)。月経前の肌不安定化を感じた女性(574名)のうち、悪化・増加した肌悩み項目の割合を年代ごとに示しました(Fig.2)。ニキビは、20歳代は97.5%、30歳代は84.1%、40歳代は73.5%で、他の項目よりも割合が高くなりました。
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<生活スタイルと月経前の肌不安定化との関係>
 肌不安定化スコアと生活スタイルとの関係は単変量解析後、年齢で調整した重回帰解析をおこないました。

■月経前の肌不安定化は、クロノタイプ(朝型・夜型)が関係。朝型と比較して夜型が、月経前の肌不安定化が大きい。
 早寝早起きで朝に強い人を朝型、夜更かしが多く朝に弱い人を夜型と定義し、本人が自覚する「朝型」「夜型」の2群に分けて解析したところ、朝型と比べ、夜型が月経前の肌不安定化が有意に大きいことが示唆されました(Table)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/123699/1/resize/d123699-1-637bad4d5405147503cf-5.jpg ]


■日中に2時間以上の自然光(冬季の屋外)を感じる生活が、月経前に肌が不安定化しにくかった。
 2時間以上と2時間未満に分けて日中に屋外で過ごす時間を尋ね、月経前の肌の不安定化スコアとの関係を解析したところ、自然光曝露2時間以上は、2時間未満と比較して肌不安定化しにくい傾向を示しました(Table)。

月経前の肌の不安定さの影響要因を概日リズム同調因子の視点から検討し、クロノタイプ(朝型夜型)や日中の自然光曝露時間が関係する可能性が示唆されました。今後、紫外線による皮膚老化を考慮した上で、皮膚の健康増進や美容のための適切な光環境を含む生活スタイルの更なる研究をおこなってまいります。


<発表者からのコメント>
[画像4: https://prtimes.jp/i/123699/1/resize/d123699-1-d574cf781409c60811c6-5.jpg ]

 月経前に肌が不安定になる女性は多いですが、その理由や、具体的な解決策が分からないまま、スキンケアの工夫や我慢をしている方が多いと思います。この研究の結果を見て、クロノタイプ(朝型夜型)や生活スタイルなど、まずはご自身を知ることから初め、自然光を感じる生活を意識することも、皮膚の健康や美容につながると考えています。今後、更に研究を深め、皮膚に限らず、女性が活き活きと生活・活躍できる社会を応援したいと思っております。


<若村教授からのコメント>
[画像5: https://prtimes.jp/i/123699/1/resize/d123699-1-07d0ec8cbd64ce5ee256-6.jpg ]

 病気を対象にした研究は多くありますが、健康な人を対象とした研究は、偏りを感じる情報も多く、結果も揺れ動いています。その中で、健康で普通に過ごす人の肌状態を捉え、生活環境との関係性を明らかにすることにはとても意義があると考えます。
生体リズムの視点から、日中に自然光を浴びることは24時間の体内時計の調整にとても大切です。今回の結果では月経前の皮膚状態にも関係している可能性が示されました。日本人をはじめ、アジア人にとって、健康な肌に関係する光環境などの生活環境を明らかにしたいと考えております。


■共同研究の経緯
 京都大学大学院医学研究科の若村教授は、生体リズムと健康をテーマに、生活環境と人の健康や回復について日々研究されています。セプテム総研では「ホメオスタシス」に着目し、「人が本来持つ力を引き出す」ための研究をおこなう上で、ヒトの健康を大きく左右する生体リズムを考慮した生活環境の研究の重要性を感じていました。若村教授との幾度のディスカッションにより、2020年4月より研究がスタートしました。


【株式会社セプテム総研について】
本社:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島2-4-27 JRE堂島タワー13F
代表者:代表取締役社長 石神政道
電話番号:06-6347-1010(代表)
FAX:06-6344-0020
会社HP:https://septem-so.com/
事業内容:
●化粧品、医薬部外品、ヘアケア、ボディケア商品の研究・開発・製造および販売
●栄養補助食品の研究・製造および販売
●美容機器の研究・企画および販売
●OEMおよびODM

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