ガーナ共和国における塩野義製薬との初の共同事業「Mother to Mother SHIONOGI Project(第三期事業)」を始動

プレスリリース発表元企業:公益財団法人ジョイセフ

配信日時: 2023-06-01 15:00:00

「コミュニティエンパワメントによる母子保健推進プロジェクト」

国際協力NGOジョイセフ(公益財団法人・東京都新宿区)は、塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功)が2015年から展開する、アフリカの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」(以下、本プロジェクト)の第三期事業開始における新たなパートナーシップ先として協働し、ガーナ共和国イースタン州アッパー・マニャ・クロボ郡での事業を実施します。ガーナのプロジェクト地区における妊産婦及び5歳未満児の健康向上に向け、産前・産後健診受診や施設分娩、子どもの下痢症対策強化を含め、母親や夫、その家族への啓発を行い、保健施設でのサービス利用を推進していきます。



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〈背景と課題〉



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ガーナの妊産婦死亡率は、308(出生10万対)と日本の約60倍と高く、本事業地であるアッパー・マニャ・クロボ (Upper Manya Krobo (UMK))郡での保健施設での分娩の割合は、45.2%(2022年郡保健局統計)で、国の平均値(78%(ユニセフ子供白書2021))よりも大幅に低い状況です。
要因のひとつとして、保健施設までの距離が地区によっては、約10~20キロあり、物理的なアクセスが最も大きな課題として挙げられ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成のためにも物理的アクセスの改善は重要事項となります。


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また、41カ所の末端の診療所のうち、27カ所は独自の施設を持たず、民家の一角を間借りして診療に使っているため、一部の保健サービスを提供できておらず、その一つが出産介助です。
出産できる保健施設が近隣にないので医療施設の近くで妊婦が出産まで待機できる施設のニーズが非常に高い状態です。

2023年2月、当団体職員が事業地候補の選定の為にUMK郡を訪問している間に、一人の妊婦が保健施設にたどり着く前に草むらで一人で出産し、母親は一命をとりとめたものの新生児が亡くなったという情報が入りました。この地域での診療所及び医療従事者の住居の建設は急務の1つです。


さらに、下痢性疾患は、ガーナの5歳未満児の罹患率と死亡率の主要原因の一つであり、5歳未満児の子どもの死因の25%*を占めています。これには、劣悪な衛生環境、汚染された飲料水源、不適切な食餌、親の貧困、非識字や短い就学年数、母親や家族の衛生習慣などが原因として挙げられます。**

*Binka E, Vermund SH, Armah GE (2011) Rotavirus as a cause of diarrhea among children under 5 years of age in urban Ghana: Prevalence and serotypes/genotypes. PaediatricInfectious Disease Journal 30: 718-730.
**https://www.imedpub.com/articles/diarrhoea-among-children-under-five-years-in-ghana.php?aid=19364


「Mother to Mother SHIONOGI Project」第三期事業 
コミュニティエンパワメントによる母子保健推進プロジェクト
~プロジェクト地区における妊産婦および5歳未満児の健康を改善~



ジョイセフが最も大切にしている人材育成を通して、保健サービス提供者や地域リーダー、保健推進者と地域住民との地域コミュニティのネットワークを強化し、また妊婦待機所、分娩棟、診療所の建設により、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)に関する情報とサービスへのアクセスおよび利用を増やします。

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【本プロジェクトの目標】
プロジェクト地区における妊産婦および5歳未満児の健康を改善する

指標:
・産前健診受診率(4回以上) 
・施設分娩率 
・産後健診受診率(48時間以内) 
・家族計画サービスを受けた人数の割合 
・リスク妊婦の数の割合 
・子どもの下痢症数 

【本プロジェクト実施期間】
 2023年6月-2026年5月 (3年間)

【本プロジェクト対象地域及び対象人口】
Upper Manya Krobo郡: 72,160人 (2022年郡保健局統計)

直接裨益者数: 30,668人
(出産可能年齢の女性(15-49歳)17,318人及び5歳未満児 13,350人)
間接裨益者数: 48,867人 (直接受益者の一部は、間接受益者に含まれる)

【本プロジェクトの事業費】
 2,400万円 (初年度)

本プロジェクトでは、以下の3つの活動を実施します。

【活動1】母子保健サービスの質の向上:

1-1 保健医療従事者を対象とした母子保健・接遇改善・ママパパクラス研修の実施
1-2 妊婦待機所の建設の設置整備
1-3 分娩棟の建設および基礎的保健医療資器材の供与
1-4 診療所の建設および基礎的保健医療資器材の供与
1-5 住民参加型ペインティングワークショップの開催
1-6 妊婦待機所、分娩棟、診療所の開所式
1-7 妊婦待機所の運営維持に関するワークショップの開催

【活動2】母子保健推進員や薬局の販売員による啓発教育活動を通して、地域住民の母子保健の知識の向上:

2-1 子どもの下痢症の予防・対処方法を含めたコミュニケーション戦略の策定研修
2-2 新規母子保健推進員・村の薬局の販売員の育成研修
2-3 コミュニケーション戦略に基づいた教材制作
2-4 コミュニケーション活動計画策定
2-5 コミュニケーション活動計画に基づいた啓発教育活動の実施

【活動3】自立発展に向けた母子保健の地域サポート体制を強化:

3-1 地域保健運営委員会の定期会合およびコミュニティ活動計画作り
3-2 地域保健運営委員会によるサポート体制強化のためのオリエンテーション


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塩野義製薬株式会社について
塩野義製薬は取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「医療アクセスの向上」を特定し、国際的なパートナーとの連携も含めた活動もさらに強化し、持続可能な社会の実現に向けて、AMR治療へのアクセス向上への貢献やアフリカでの母子支援活動を行っております。当社は感染症のトータルケアを目指し、感染症の研究開発のみならず疾患の啓発活動など、感染症に対する取り組みを幅広く進めながら、企業としての社会的責任を果たしてまいります。詳細についてはhttps://www.shionogi.com/jp/ja/をご覧ください。


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公益財団法人ジョイセフ
ジョイセフは、世界のどこにいても女性が自分の人生を自分の意思で選択できる社会をめざし、主に、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)を推進する、1968年に誕生した日本生まれの国際協力NGOです。国連、国際機関、現地の政府機関、NGOや地域住民と連携し、アジア・アフリカ・ラテンアメリカで、保健分野の支援活動及び内外でのSRHR推進に向けたアドボカシーを行っています。2011年の東日本大震災を機に日本国内での支援活動を開始。2017年に第1回ジャパンSDGsアワードのパートナーシップ賞を受賞。https://www.joicfp.or.jp/

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