オーガンテック社として事業を再開

プレスリリース発表元企業:株式会社オーガンテック

配信日時: 2023-02-10 10:00:00

毛髪再生医療、歯の再生事業をコア事業として世界初、日本発の器官再生医療の実現と科学的エビデンスのあるQOL医療の確立へ



株式会社オーガンテックは、2023年1月より、旧社名、株式会社オーガンテクノロジーズの社名を株式会社オーガンテック(本社:東京都中央区、代表取締役:小川美帆(おがわみほ)、博士(工学)(研究開発担当)、近藤嵩(こんどうたかし)(事業戦略、財務担当)、以下「当社」)に変更して新経営体制により事業再開の準備を進めてまいりました。現在、2023年3月までの第1回目の資金調達を進めており、この度、リード企業として小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩、以下「小林製薬」)より出資をいただき、本格的に毛髪再生医療、歯の再生(次世代インプラント)の2事業をコア事業として活動を推進します。当社は、日本の再興戦略のひとつとして、世界初・日本発の器官再生医療の早期実現と、科学的エビデンスのある「生活の質(QOL)」を改善するQOL医療の確立を通して、世界の人々の健康長寿社会の実現を目指してまいります。
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1. 社会的背景

日本の保険医療は、世界最先端の技術を有して国民の健康に大きな役割を有しております。その一方で、国民皆保険制度により国民医療費は約43兆円で頭打ちになるなど国民医療費の有効な活用と抑制が社会的課題です。そのため、人々の健康長寿社会の実現には、ヘルスケア領域が今後の重点課題として位置付けられており、2020年から2030年に向けて、約200兆円のマーケットの拡大が予測されています(出典:日本再興戦略)。当社は、ヘルスケア領域を、「豊かに生きるヘルスケア」、「未病に向けたメディカルヘルスケア」、そして自費診療である「QOL医療」に分類し、なかでも国民医療費に影響を与えない「QOL医療」をコア領域と位置づけています。自費診療でのQOL医療では科学的エビデンスの更なる確立が重要な課題と位置づけられています。毛髪は審美的にも患者様のQOLに大きな影響を与えるほか、日本では脱毛症患者が2400万人程度と見込まれ、世界で2028年には5.5兆円のマーケットを有しています。歯の再生医療に関しては、広く世界のすべての人々の健康やQOLにかかわり、大きなマーケットを有しています。当社は、世界初・日本発の器官再生医療の技術力を活かして、毛髪と歯の再生をコア事業とし、ほかに治療法がない患者に向けた「いのちの再生医療」から、世界の多くの人々の健康やQOLの向上に貢献し、大きなマーケットを有する「みんなの再生医療」として、しっかりとした科学的エビデンスをもとに、世界の人々の健康やQOLの向上に貢献することを目指しています。


2. 事業再開の背景

当社は、旧社名、株式会社オーガンテクノロジーズとして2008年に設立し、2015年より、ウエルネスイノベーションとして毛髪と歯の再生医療分野をはじめ次世代人工皮膚事業、臓器育成事業、毛髪診断事業を通して健康社会の実現に取り組んできました。当社は、現国立研究開発法人理化学研究生命機能科学研究センター器官誘導研究チーム、辻孝チームリーダーと共に、同チームの高い技術力と研究力を活かした共同研究開発に取り組んできました。特に毛髪再生医療では、毛包器官原基移植による再生毛髪の新生をする毛包器官再生医療について世界に先駆けた研究開発に成功し、ヒトでの臨床試験に向けて、非臨床安全性試験の実施、2020年6月には「再生毛包器官原基移植による毛髪再生医療」として、特定認定再生医療等委員会の承認を取るなど、世界初・日本発の器官再生医療の実現に向けて研究開発は順調に推移しておりました。しかしながら、コロナ禍などによる投資意欲の後退などの社会的背景から資金調達ができず、2020年10月から事業を停止しておりました。2023年1月に事業再開に向け経営体制を一新すると共に、事業分野を毛髪再生医療と歯の再生医療(次世代インプラント)の2事業をコア事業として、2023年3月までを第1回目の資金調達シリーズとして新規調達の活動を進めております。2023年1月末に小林製薬がリード企業として当社に出資をいただき、本格的に当該事業を推進してまいります。


3. 小林製薬との事業シナジー

小林製薬は、ヘルスケア領域において様々な製品開発を行い、スカルプケアや歯科領域の製品開発において広く社会に貢献しています。小林製薬は、当社の高い技術力と研究力をゆうする当社に大きな可能性と期待を感じていただき、今回の出資によって、当社の成長をご支援いただくと共に、協業を通じて最新の再生医療技術を導入し、再生医療ビジネスに携わる研究開発人材の育成や長期的には再生医療分野の知見を活かした革新的な製品開発、既存事業の枠を超えた事業展開なども視野に入れております。当社は小林製薬と毛髪再生と歯の再生医療事業における革新的な製品開発を進め、これら事業における認定商品化を進め、小林製薬と共にこれら事業の拡大に努めてまいります。


4. 当社の事業

1) 毛髪再生医療(再生医療)

後頭部から髪 100 本(1cm2)程を含む頭皮を採取し、その中から毛包を再生する上皮性幹細胞と間葉性幹細胞(毛乳頭細胞)を取り出して、生体外培養することにより、人為的に毛包の種(たね)となる再生毛包器官原基を作製します。生体外培養により採取した毛包の50-100倍の再生毛包器官原基に増幅できることが可能です。この再生毛包器官原基を頭皮に移植することにより毛包が発生、再生し、新生毛の発毛が期待されます。マウスでの実証実験ではこれらの技術により、生涯にわたる新生毛の再生が実証されています。当社の技術が社会実装されれば、世界初・日本発の器官再生医療の先駆けになると共に、毛髪総本数を増やす革新的な毛髪再生の技術になります。2023年には、特定認定再生医療等委員会の再承認、2024年には臨床研究の実施を計画しています。


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2)歯の再生医療(医療機器)

当社は、マウス胎児期の歯の器官原基から上皮性、間葉性幹細胞を採取し、器官原基法(Nature Methods, 2007)により再生歯胚を作製し、歯を喪失した部位に移植して、生物学的機能(歯根膜再生、矯正治療可能、知覚の回復)を完全に再生した歯の機能的な再生に世界で先駆けて成功しました。しかしながらヒトに応用するには、ヒト成人での細胞取得や歯が萌出するまでの期間など課題がありました。

現行の骨結合型インプラント治療は、歯槽骨に直接、埋入して結合させるため、衝撃緩衝能や、知覚機能が存在せず、インプラント性歯周炎のリスク、また介護時の口腔内清浄に向けて歯を抜去したいところ、インプラントが抜去できないため歯周病から全身性の感染リスクが生じてしまうことが社会的な課題とされています。当社は歯の再生治療を早期に実現するため、骨結合型インプラントから、歯根膜を有する次世代インプラントの基盤技術を開発しました。本技術は、日本歯科医学会の「2040 年への歯科イノベーションロードマップ」にも掲載されており、日本の健康寿命延伸に寄与する取り組みとして社会的意義の高い事業に位置付けられます。第1世代次世代インプラントは、虫歯、歯の破折など抜歯後の歯根膜が残存している患者への実装に向けて研究開発を進めています。2025年に特定臨床研究を実施し、2026-2027年の社会実装を目指しています。将来的には、歯根膜が残存していない状態でも適応可能な、第 2 世代次世代インプラントの実現を目指します。

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