信越化学 、マイクロLEDディスプレイ向けの新規プロセス技術と移送部品などを開発

プレスリリース発表元企業:Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.

配信日時: 2023-02-02 15:00:00

信越化学 、マイクロLEDディスプレイ向けの新規プロセス技術と移送部品などを開発

信越化学 、マイクロLEDディスプレイ向けの新規プロセス技術と移送部品などを開発

(東京)-(ビジネスワイヤ) -- 信越化学工業株式会社(本社:東京、社長:斉藤恭彦、以下信越化学)は、このたび、マイクロLEDディスプレイの製造に適用可能な新規プロセス技術を開発いたしました。

マイクロLEDチップは、一辺の長さが数十ミクロンメートル以下と肉眼では認識できない大きさです。例えば、フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kディスプレイを1台製造するには、約2490万個のチップを規則正しく配列させる必要があります。信越化学では、これまでマイクロLEDチップの製造工程と各チップの移送工程の複雑さや歩留まりの改善を図るために、信越化学グループの技術を結集して各種移送部品や移送装置などを開発してきました。

今回、新たに開発したプロセス技術は、デクセリアルズ株式会社(本社:栃木県下野市、社長:新家由久)と共同開発したもので、「Φ80μm以下に個片化した異方性導電膜(ACF)をレーザーで狙った場所に転写する画期的な技術」を導入しました。この技術により、指定された電極にだけに個片化したACFを飛ばし、LEDチップを搭載することが可能となるため、これまで大きな課題となっていたマイクロLEDディスプレイ製造時のリペアープロセスが容易となります。

また、さらなる生産性の向上や多種多様なチップへの対応など、お客様のご要望に応えるため、信越化学グループである信越エンジニアリング株式会社(本社:東京、社長:杉井憲二、以下信越エンジニアリング)、信越ポリマー株式会社(本社:東京、社長:小野義昭、以下信越ポリマー)と共同で、以下の移送部品および移送装置を開発し、製品ラインアップを拡充しました。これらの移送部品との組み合わせにより、お客様に最適なプロセスを提供することができます。

硬化型ドナープレート「SQDP-B」シリーズ多段形状ドットタイプ6“大型スタンプ「EZ-PETAMP」シリーズ4つの工程を一台のレーザーで対応可能な4in 1装置「Invisi LUM-X4」Mini-LEDディスプレイ用BM封止フィルム
※詳細は、添付資料参照信越化学は、マイクロLEDの製造における「ワンストップ ソリューション プロバイダー(One-Stop Solution Provider)」としてお客様に課題解決策を提案し、マイクロLEDディスプレイの普及と市場の拡大に取り組んでまいります。

■説明資料

硬化型ドナープレート「SQDP-B」シリーズ
ハンダバンプ付きのマイクロLEDチップのレーザーリフトオフが可能な硬化型ドナープレート「SQDP-Bシリーズ」を開発しました。LEDウエハーを貼り合せた後に加熱硬化させることで、転写後のチップの傾きと割れを防ぎます。この硬化型ドナープレートにより、クラックが発生しやすいMini-LEDチップ、InGaN系および4元系赤色マイクロLEDチップまでレーザーリフトオフが可能になりました。

多段形状ドットタイプ6“大型スタンプ「EZ-PETAMP」シリーズ
ドット(チップをピックアップする箇所)を富士山のように多段形状に成型することにより、低荷重でチップを選択的にピックアップ可能な6インチの大型スタンプです。この多段形状により十分な高さを有するドットは、マウンターでの押し込みによる圧縮時の変形が少なく安定性に優れます。ドットの高さが確保されているので、スタンプの粘着層とチップを供給する2ndドナープレートの粘着層が触れる不具合を大幅に減らすことができます。
このようにチップの周囲に干渉することがないため、2ndドナープレート上に再配置する大量のチップの間隔を、ピクセルピッチよりも大幅に狭めることが可能となります。併せて、本製品の使用により選択的ピックアップも容易となり、スループットの格段の向上、2ndドナープレートの使用量の削減を実現できます。

4つの工程を一台のレーザーで対応可能な4in 1装置「Invisi LUM-X4」
信越エンジニアリングは、マルチレーザーリフトオフ、レーザーマストランスファー、高速トリミング・リペアのレーザーを使用する4つの工程を一つにまとめたコンパクトな装置を上市します。従来の量産向けの装置と異なり、チップ個片化からマストランスファー、リペアーまでのすべてのレーザープロセスの検討が1台で可能となるだけでなく、少量生産まで対応可能です。

Mini-LEDディスプレイ用BM封止フィルム
信越化学が開発した、テザーを形成せずに効率よく支持基板を取り除く技術により、今後Mini-LEDチップもサファイア支持基板を取り外して急速に薄型化していくことが予想されます。信越化学グループの信越ポリマーでは、Mini-LEDディスプレイ用途に向けたフィルムタイプのブラックマトリクス(BM)封止フィルムを開発し、お客様でのサンプル評価を進めています。この材料は、Mini-LEDディスプレイのコントラストを向上させるとともに、Mini-LED素子を傷や汚れから保護する機能を有しています。

businesswire.comでソースバージョンを見る:https://www.businesswire.com/news/home/20230201005469/ja/

連絡先
この件に関するお問い合わせは
信越化学工業株式会社 広報部 小石川
Tel: 03-6812-2340 FAX: 03-6812-2341
e-mail:sec-pr@shinetsu.jp までお願いします

プレスリリース情報提供元:ビジネスワイヤ