佐藤オオキの45通りの視点『半径50メートルのセカイ』発売。

プレスリリース発表元企業:CCCメディアハウス

配信日時: 2022-12-01 14:00:00

デザインオフィス nendoのチーフデザイナー、佐藤オオキ。2020東京五輪の聖火台デザインで世界を驚かせたことで知られるが、ビジネス界からも絶大な信頼を得ている。最近では、東急ハンズ→ハンズのリブランディングを手がけ、漢字の「手」をモチーフにした新しいロゴも絶賛された。



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最近、気になるものがあります。それは「卵の黄身」です。
 あれって、ハンバーグ、パスタ、サラダなど、やたらと色々なものの上にのせられている印象がありますが、一度流出しはじめると歯止めが効かなくなりますよね、バァーってお皿じゅうに広がっちゃって。
 そのロスの多さには、いつもながら愕然とさせられます。果たして自分は何%の黄身を失ったんだろうか、と。世の人々はこの事実をどのように受け止め、自身を納得させているのでしょうか。
「卵を絡めながらお召し上がりください」っていわれても、アスパラガスなんてツルツルの円筒形状で、そもそも「絡める」ような形をしていない。
 小籠包がサーブされる時に「熱いうちにお召し上がりください」の場合と、「お熱いので気をつけてお召し上がりください」というケースのどちらもがあって、ダブルスタンダードとまではいいませんが、早く食べた方がいいのかゆっくり食べた方がいいのかがわからなくなる、あれと似た理不尽さを感じます。
 とにかく、どうしても黄身のことが気になって仕方がないのです……って、なん だか語感だけはロマンティック。
 すき焼きなんかも酷いですよね。はなっから卵を使い切ることなんて想定してい ない、もはやディップ扱い。月見うどんに至っては、最初に麺に絡めた一口以外 は跡形もなく溶解し、瞬時につゆと一体化してしまいます。 本書は、こんな具合に日々気になっていることをそのまま書き記したものです。

「半径1メートルのセカイ」は自分の頭の中で考えていることや、身体で感 じていること。

「半径5メートルのセカイ」は基本的に自分の部屋の中の話。

そして、「半径50メートルのセカイ」はオフィスや犬の散歩など、自分の 部屋の外にいる時に気づいたことについて触れています。


  内容があるかないか、でいうと、どちらかというとないかもしれません。あまり にもとっ散らかっているその感じは、さながらポケットの底に眠っている、いつ 書き散らしたかも定かではない、外に出すつもりのなかった、メモの寄せ集めの ようなもの。 日常における些細な出来事や、現在進行中のプロジェクトのこと。抽象度の高い 思考過程から、超微細なディテールの話まで。
 それこそ溶け出した卵の黄身のように、テーマは無作為に広がりながら、話は脈 略もなく日常生活の隙間にまで入り込んでいきます。書いているうちにそもそも何 について考えていたかを忘れてしまい、月見そばのつゆよろしく、当初のテーマ が見る影もなくなっていることもあります。
 そんな中にも、なにかしらの気づきやヒントとなる言葉が、一口か二口分くらい はあることを期待して、読者の皆さんが普段意識していることや感じている課題 などと「絡めながら」お召し上がりください。                                               佐藤オオキ


【著者】佐藤オオキ
デザインオフィス nendo チーフデザイナー 1977年カナダ生まれ。2002年早稲田大学大学院修了後、デザインオフィス nendo設立。建築・インテリア・プロダクト・グラフィックと多岐にわたってデ ザインを手がける。作品はニューヨーク近代美術館(米)・ポンピドゥー・セン ター(仏)・ヴィクトリア&アルバート博物館(英)など世界の主要美術館に多 数収蔵されている。TOKYO2020の聖火台をデザインし、現在は2024年稼働予定 のフランス高速鉄道TGV新型車両のデザインに取り組むほか、2025年大阪・関西 万博 日本政府館 総合プロデューサー/総合デザイナーを務める。

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