ブレインヘルスケアのSplink、北海道大学との共同研究「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」が2022年度NEDO事業として採択
配信日時: 2022-06-17 11:00:00
NEDOの公募採択は、2019年に引き続き2度目
ブレインヘルスケア領域の医療AIスタートアップの株式会社Splink(本社:東京都千代田区、代表取締役:青山 裕紀、以下「Splink」)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の、2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」(以下「本事業」)に採択されました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/60865/17/resize/d60865-17-4b05ecf8dd0a23951619-0.png ]
本事業の採択は、Splinkおよび北海道大学大学院医学研究院との共同研究「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」が対象となります。なお、SplinkのNEDOの公募事業への採択は、2019年に引き続き創業以来、2度目となります。
本事業の背景
要介護の主な原因となる脳卒中と認知症。リスク因子の定量的な評価は、技術的・臨床的に課題あり
厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因は、「脳血管疾患(脳卒中)」と「認知症」が全体のおよそ3分の1を占めています。人生100年時代において、脳疾患は対応が急務な大きな社会課題です。
しかし、「脳病変の視覚読影は医師の経験や知識に依存する」「既存画像解析技術では正確な定量化が困難」「継続的な症状モニタリングの難しさ」など、脳卒中や認知症のリスク因子の定量的な評価は難しく、疾患リスクの早期発見や予防啓発ができていないという現実があります。
MRIデジタルバイオマーカー™*の開発とAI実装を通じて脳病変の定量化を行うことで、脳卒中や認知症の予防や治療をより現実的なものにしていくことは、益々重要となってきています。
*:バイオマーカー:ある疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標のこと。主に血圧や心拍数、血液検査の結果(たんぱく質の量など)といった生体由来のデータが使用される。血圧や心電図なども使用される。
NEDO採択の対象となる共同研究テーマ
「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」
本研究では、ブレインヘルスケア領域でAIにおけるコア技術を持つSplinkと放射線医学分野および医療AI研究における強みを有する北海道大学大学院医学研究院との共同研究を通じて、脳卒中および認知症領域におけるアンメット・メディカルニーズの解決を目指します。
脳MRIを活用した脳組織画像所見を「デジタルバイオマーカー」として再定義し、脳浮腫や脳血管障害の検出プログラムを開発。脳卒中や認知症の病変リスクを高精度に定量可視化する診断支援ソリューションの開発を行います。
さらに、本研究で開発されたソリューションは、岩手医科大学附属病院、社会医療法人柏葉会 柏葉脳神経外科病院などとのパートナーシップのもとに、社会実装を目指します。
北海道大学大学院医学研究院 放射線科学分野 画像診断学教室 教授 工藤 與亮 先生 コメント
「私たちの画像診断学教室では、2016年より大手MRIメーカーと共同でアルツハイマー型認知症の早期診断を目指し、検査時間の大幅な短縮を可能にする新しいMRI撮像法・解析法の研究開発に着手しました。その成果の一つとして、鉄沈着状態を可視化する技術であるQSM(Quantitative Susceptibility Mapping)や脳内水動態を可視化する造影剤である17O(酸素-17)標識水などの研究開発により、脳内の鉄動態や水動態の可視化が可能となりました。このような研究の積み重ねの上に、北海道大学病院では2021年からは医療AI研究開発センターを設置し、医療AI技術の社会実装を人材育成や共同研究に取り組んでまいりました。本NEDO事業においては、北海道大学が保有する臨床データや放射線医学の知見とSplinkが持つAI技術を組み合わせることにより、脳浮腫や微小出血といったデジタルバイオマーカーの開発を通じて脳卒中や認知症といった高齢化社会における課題解決の一助にしてまいりたいと考えています」
NEDO 研究開発型スタートアップ支援事業について
NEDOは、持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人です。リスクが高い革新的な技術の開発や実証を行い、成果の社会実装を促進する「イノベーション・アクセラレーター」として、社会課題の解決を目指します。
デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラルといった構造変化のなかで、日本社会が持続可能な成長を実現するためには、イノベーションの担い手であるスタートアップへの徹底支援を通じて、新たな技術・ビジネスの創出を加速することが重要です。
そこで、今回の「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」では、エネルギー環境分野をはじめとする、社会課題を解決するための具体的な事業計画があり、持続可能な社会の創出に資するスタートアップの事業化の支援を目的とします。
参考)https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100339.html
私たちSplinkは、認知症という高齢化社会における大きな課題に対し、健常段階の予防から発症後の病気と共生できる社会に寄与すべく、医師の方々の適切な認知症診断インフラの一助となることを目指します。これまで医師にとっては診断に悩んだケース、患者にとっては病気の見落としが起きてしまったケースなどがなくなり、質の良い医療が平等に提供され、100歳まで自分らしく人とのつながりの中で生きられる社会の構築に貢献していきます。
Splinkについて
[画像2: https://prtimes.jp/i/60865/17/resize/d60865-17-5a7fe793438746527666-1.png ]
「すべての人につながりを、その日まで」をビジョンに、認知症をはじめとするブレインヘルスケア領域において、認知症の予防から診断まで一貫したソリューションをワンストップで医療機器プログラムの開発、提供をおこなっています。脳MRIをAIで解析し、脳の中でも記憶や学習にかかわりの深い「海馬」領域の体積を測定・可視化、受診者様目線のわかりやすいレポートを届けることで気づきを促す「脳ドック用AIプログラム Brain Life Imaging(R)」、脳MRIより脳の減少度を定量・数値化することで診断に役立つ情報を提供し、診断支援をおこなう「脳画像解析プログラム Braineer(R)」を主力製品として提供しています。
会社名 :株式会社Splink
本社所在地 :東京都千代田区霞が関3丁目3−2 新霞が関ビル18階
事業内容 :ブレインヘルスケア事業、ヘルスデータ基盤事業
設立 :2017年1月
代表取締役 :青山 裕紀
URL :https://www.splinkns.com/
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