第18回全国高等専門学校デザインコンペティション(高専デザコン)を開催しました。

プレスリリース発表元企業:独立行政法人国立高等専門学校機構

配信日時: 2022-01-25 13:30:00

~12月4日(土)に呉高専で開催~

 呉工業高等専門学校(広島県呉市、校長:篠崎 賢二 以下「呉高専」)では、令和3年12月4日(土)に「第18回全国高等専門学校デザインコンペティション」(通称:高専デザコン)を開催しました。
 高専デザコンは、全国の高等専門学校で競われるロボコン(ロボットコンテスト)、プロコン(プログラミングコンテスト)に続く、第三の競技であり、平成16年(2004)に第1回大会を開催して以来、全国各地の高専が主管校となり開催しています。第18回は呉高専が主管校となり、新型コロナウィルスの感染状況を考慮して対面とオンラインを併用して開催されました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-3d7a0a78fd28e4ff8cea-0.png ]


高専デザコンとは
 デザコンの始まりは、昭和52年(1977)に明石高専と米子高専の建築学科で行われた研究交流シンポジウムであり、その後、参加校を増やし形態を変え発展してきました。
 平成16年(2004)から主催は高等専門学校連合会となり、デザインの領域を「人が生きる生活環境を構築するための総合的技術」と捉え直し、建築学科の枠を超えた全国の高専全体で取り組む「全国高等専門学校デザインコンペティション」に生まれ変わりました。
 高専デザコンは、主に土木系・建築系で学んでいる学生を中心にして全国の高専生が参加するものです。学生は、生活環境に関連した様々な課題に取り組むことにより、より良い生活空間について考え提案する力が育成されます。また、各高専で養い培われた学力、デザイン力の成果を基として作品を作成し競い合うことにより、普段の高専内での学習だけでは得ることが出来ない、高いレベルでの刺激を互いに与えあえる貴重な機会となっています。さらに、平成25年(2013)から同時開催されていた3Dプリンタを活用した「3次元デジタル設計造形コンテスト」が、今大会からデザコンの「AM(Additive Manufacturing(積層造形))デザイン部門」として発展的に統合されました。そのため呉大会では、構造デザイン部門、空間デザイン部門、創造デザイン部門、AMデザイン部門、プレデザコン部門の5部門となり、それぞれの部門で審査・表彰を行いました。
 デザコンの大会は、毎年場所を変えて開催しています。この大会が開催された地域では、ものづくりや科学技術への関心を高めてもらうとともに、高専生の技術の高さが示されることによって、高等専門学校が目指している人材育成の成果を社会に示す貴重な機会になることを期待しています。

第18回呉大会について
 今回のデザコン・メインテーマは、長いトンネルの出口を目指し、再出発出来る日をイメージして“Restart”としました。人と人との接触が制限される現在においてRestartに向けてデザコンで何ができるか。例えば、「競技者が一つゴールに向かって共に競い合う一体感は共有したい」、「自らのデザインの原点を見つめ直したい」、「精神的な負荷や差別や偏見をデザインの力で少しでも減らしたい」、「持続可能なデザインの創出にチャレンジしたい」・・・など、困難をチャンスに変えるようなデザコンにしたいという思いが込められています。そんな思いのもと、全国及びモンゴルから多数の応募がありました。構造デザイン部門は35作品、空間デザイン部門は143作品のうち12作品、創造デザイン部門は33作品のうち9作品、AMデザイン部門は16作品のうち8作品が本選へエントリーしました。新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、一般の方の来場は制限し、YouTube配信となりましたが、現地参加学生達の熱気に満ちあふれ盛況のうちに終了することができました。

審査結果

*構造デザイン部門* テーマ「鉄球の再来」

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_1_889365f145fa1835e59a129d9671bac1.jpg ]



○最優秀賞『双龍』 プレゼンテーション概略


載荷治具を左右のアーチで支える構造とし、載荷治具をアーチの一部として捉えることで圧縮材を60cm取り除いた。
鉄球軌道は鉄球を支える断面が曲がってゆがまないように三角形の断面とした。
橋の中央は、圧縮材を取り除いたため鉄球軌道の途中に長い部材が出来るため、安定させるために圧縮材と梁材を用いた、張弦梁構造を使用し強度を高くした。
中央を越えた部分は、圧縮材を鉄球軌道を兼ねて使うことで軽量化を図った。
部材を作るための紙サイズがA3になってしまったため、一度で長い部材を作ることが出来なかった。そのため切れ目を斜めにすることで部材に連続性を持たせることにした。


[画像2: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-61eefa7343430ffb49a6-1.png ]



[画像3: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-89756b193d75ad85f1f6-2.png ]


*空間デザイン部門* テーマ「住み継がれるすまい」

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_2_a350a166889ee096335a9e03d02f99a9.jpg ]


○最優秀賞『い草と人のよりどころ~網掛け建築でつながる・広がる新しいい草農家のかたち~』
 プレゼンテーション概略

熊本県八代市千丁町のい草農家が住み継いでいくための、新しいい草農家のかたちを提案。
い草農家と新規就農者、外国人技能実習生が共に農業に従事できる空間として網掛け建築を考案した。網掛け建築の構成内容は、住居スペース・共有スペース・休憩所・特産品販売所・カフェとすることとした。住居スペースは、新規就農者や外国人技能実習生のための住居。共有スペースでは学んだことを共有したり、食事をするスペース。休憩所では作業の合間の休憩所となり、作業のコツなどをい草農家から教わるなど教室的な役割を担う。
また、網掛け建築は水路の上に設計されるため、水質が悪化しないよう換気口を設けたり、グレーチングを設置することを考えた。人々だけでなくい草とも自然とも共生できる工夫を凝らした。
網掛け建築によって個で存在していた農家のコミュニティ空間が、自然と外に広がっていく。そして、通学路であれば子供の寄り道空間へ、バス停の近くであればバスの待合空間になるなど、その場所にあった空間の利用へ変化させることができる。町全体に網掛け建築の回廊が続くと個性的な風景を町全体に作り上げ、い草生産量日本一の町、畳の千丁町という認識が広まる。よりどころには支えとするところという意味があり、網掛け建築がい草農家やい草業を始める人、い草や畳のよりどころとなるよう思いを込めタイトルとした。


[画像4: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-11f3a0b00779ef7c792b-3.png ]

[画像5: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-9517b6e2ce925a877da7-4.png ]


*創造デザイン部門* テーマ「再出発!-持続可能な再興を目指して-」

[表3: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_3_b246e93dd61b227d6225bd68d70418f9.jpg ]



○最優秀賞『「どうぞ」から蘇るまち-古参と新規の相生い-』
 プレゼンテーション概略


相生のさまざまな読み方と意味に着目し相生の再興を提案。
“2本以上の木が1つの根本から一緒に生えること。”という相生の意味から“古参と新規の相生い”というテーマを掲げ、昔から相生(おお)町に住んでいる人を古参、相生町に移り住んできた人を新規として、これまで関わりのなかった古参同士や古参と新規、相生町のそとの人たちとつながりを作ることで、相生町にかつての賑わいを取り戻すことを目指す。相生町に根付く“よければこれどうぞ”の文化が、絵本の“どうぞのいす”のストーリーと似ていることから、“どうぞのいす”を相生町のお店の前に看板と一緒に設置してイベントを開催した。
“どうぞのいす”は人とのつながりをお金とモノの関係ではなくモノとモノとの関係で作ることできるので、“よければこれどうぞ”の文化がさらによりよくなり、お金のかからないコミュニティを作ることができると考えた。


[画像6: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-faf4fdf965ebce87f876-5.png ]


*AMデザイン部門*  テーマ「ついでに解決しよう!」

[表4: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_4_07b3ad469c3f9fd3c4c221966853f824.jpg ]



○優秀賞『Circu-up(サーキュ・アップ)』
消毒するついでに、ピンボールとおみくじができるデバイスを開発。

[画像7: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-71d2b102b137a3935560-6.png ]

○優秀賞『アンブレ螺』
傘を閉じるついでに、勝手に水を切る傘を開発。
[画像8: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-acfce0d5ab98f6945ba7-7.png ]


*プレデザコン部門* テーマ「みらい」
 空間デザインフィールド
[表5: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_5_0adc4c2cd7e286f4f2c4c15c2647da2c.jpg ]


創造デザインフィールド

[表6: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_6_b7be490b57444e815c6cc7226e54a1dd.jpg ]


AMデザインフィールド

[表7: https://prtimes.jp/data/corp/75419/table/125_7_3fe2372b1ca859e775b4cb10f542cfa2.jpg ]


[画像9: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-ae4f39a205fa55debf64-8.png ]

[画像10: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-79df79a7db81e71efe00-9.png ]

[画像11: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-1ae5caf49ab4d3ea823d-10.png ]

開催概要
名称: 第18回全国高等専門学校デザインコンペティション(高専デザコン)
期日: 令和3年12月4日(土)
会場: 呉工業高等専門学校(ライブ配信あり)
主催: 一般社団法人 全国高等専門学校連合会
協力: 長岡技術科学大学/豊橋技術科学大学
主管校: 呉工業高等専門学校
高専デザコン公式サイトURL: https://デザコン.com/

呉工業高等専門学校について
 呉工業高等専門学校は、かつての軍港「呉」にある高等専門学校として、人類の福祉と平和、国際社会の持続的発展へ貢献できる人材を育成することを重視し、変化を恐れない「柔軟性」と「創造性」、確かな「技術力」と「実行力」を持ち、自ら学び続ける人材を育成することを目指すことを教育理念とし、豊かな教養と国際性を持ち、それぞれの専門分野において実験・実習・演習を重視した教育により工学に関する知識や技術を身に付け、各分野の課題に対応出来る人材を育成することを教育目的としています。

【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 呉工業高等専門学校
所在地:広島県呉市阿賀南2-2-11
校 長:篠崎 賢二
設 立:1964年
URL:https://www.kure-nct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
[画像12: https://prtimes.jp/i/75419/125/resize/d75419-125-b8b0816306512adb0a00-11.jpg ]


【本リリースに関するお問い合わせ先】
独立行政法人高等専門学校機構
呉工業高等専門学校
総務課企画広報係
TEL:0823-73-8215(平日8:30-17:00)
e-mail:kikaku@kure-nct.ac.jp

PR TIMESプレスリリース詳細へ