字を書くのが苦手……、それは子どもからのSOS

プレスリリース発表元企業:特定非営利活動法人 Education in Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム

配信日時: 2021-12-22 13:00:00


さいたま市の特定非営利活動法人「Education in Ourselves 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム」(https://www.education-in-ourselves.org)は12月6日、学習ドリル『[力をひきだす、学びかたドリル]❶ 「書く」からはじめる せん、すうじ・かず』を発売しました。
この学習ドリルでは、幼児教育・基礎教育の役割を意識しつつ、学び方のスタートラインとなる「書く」に焦点を当てています。


幼児期を通過するすべての子どものための、学びかたドリル

「楽しく学ぶ」にはしっかりした準備が必要です

子どもの書字(書写)の練習で大人はよく「楽しく学ぶ」という言葉を使います。少しおかしくないでしょうか? 子どもがいきなり楽しく学ぶはずがないからです。やはり、練習・学習に慣れるまでの準備期間が必要。時間をかけてしっかり大人が支え、子どもに備えさせるからこそ、子ども自ら学ぶ努力に少しずつ手応えを感じ、「学ぶことが楽しく」になるはず……。そんな流れを大切にしたいと考え、私たちはこの学習ドリルを制作しました。
 
書く意味を見誤らない

もし、ある大人がこう言ったとしましょう。「文字の字形・筆順などは気にしなくていい。楽しくのびのびと書くことが大切。それで、ちゃんとした学習になる」。子どもには受けがいいかもしれませんが、この言葉は、「私は学習の大切な部分を忘れています」と言っているのと変わらないと感じます。
 
なぜなら、「書く」という行為には学習を形づくるさまざまな要素がいっぱい詰まっているからです。手本をしっかり見て、その約束事をそのまままねる、もし態度や間違いを指摘されたら、その親や大人の言葉に従って素直に改める。他人の話を聞いて最後まで我慢しながらやり遂げ、より良い結果を導き出す。そして、報告する。そんな総合的な力を養う第一歩です。そこでは、自分の言動をコントロールする力や、言葉をやり取りする力も併せて培われます。
 
だから、私たちはこの学習ドリルを使って子どもたちがまず学び方を学んでほしい、もちろん大人は教え方を学んでほしい、と考えました。
 
ルールと手順はなんのため?

サッカーや格闘技などで選手はまずルールと手順を学ぶと思います。それは、ある約束事のもとで効果的な力をひきだすための道筋を歩き始めることことだと言えます。例外はあるでしょうが、ルールや手順に則っていないやり方では、最初は上手に見えても、ほとんどの人は壁にぶつかります。結局、軌道修正までに余計な手間暇をかけ、負担がずいぶん大きくなるのではないかと予想します。
 
小学校の時は成績がある程度良く、周りから評価されていたものの、中学生になって伸び悩んだという子どもの話を私たちはよく聞きます。そこに共通しているのは、書き方のルール・手順が守られずに文字は汚い(字形や大きさが整っていない)まま、また気分的なムラがあり、自分の思い通りに物事が進まなければキレる、授業中に寝てしまう……。
 
書字が苦手、字が汚い……、これは子どもからの無意識のSOSなのではないでしょうか。どんな練習においても、最初からルールと手順を学び、それを身につけることが、成長の中でより大きな成果を得る王道だと言えます。まさに、子どもの学習は「書く」から始まります。
 
文字の形をとらえながら数の理解へ

『[力をひきだす、学びかたドリル]❶ 「書く」からはじめる せん、すうじ・かず』では、まず、線の練習からスタートします。物の違いを理解し、形をとらえる練習には、ひらがなよりもむしろ数字がふさわしいと私たちは考えています。したがって、「学ぶ」とはどんなことなのかを教えながら、線と数字の練習を順番に進め、やがて数の理解と計算の入り口にたどり着くという趣向です。
 
ハードルを乗り越える具体的なアドバイス

ぐずって机に向かおうとしない子どもを前に、親は「どう教えていけばいいの?」と悩むはず。親のモチベーションが落ちるきっかけにもなりやすいでしょう。そこで、このドリルでは学習のポイントをメッセージ付きで紹介しました。
たとえば、線を書くときには始点の位置を確認し、そこから鉛筆で終点まで丁寧に引くように繰り返し促しています。あるいは、「3」の数字を書く際、子どもたちは真ん中に丸を書いてしまいやすいので、最初から正しい形を教えるように具体的にアドバイスしています。「正しい」=「効果的」だからです。
 
やるべきことを真っ先に

いま、「筆記の苦手な子が多い」「極端に字が汚い子がいる」と心配する学校関係者も少なくありません。鉛筆の持ち方や筆記について授業で学ぶ時間は限られます。家庭生活の中で時間を取り、親が「社会的なスキルを身につけさせる」という気持ちになって書字の練習に早くから取り組ませる、それがいま求められているのではないでしょうか。
(文/代表理事・知覧俊郎)
 
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『[力をひきだす、学びかたドリル]❶ 「書く」からはじめる せん、すうじ・かず』の特徴
 
■「子どもに教えるのが難しい……」「どう教えたらいいのか、わからない」「親の言うことを聞こうとしない」「苦手なことはやろうとしない」「極端に字が汚い」……。そんな親や大人の悩みに応える“学びの原点ドリル”。
■ドリル学習を通して、まず、ルール・手順を守る姿勢(学習に向かう姿勢、鉛筆の持ち方、字形の整え方、消しゴムの使い方、挨拶・返事の仕方など)をしっかり身につけるから、子どもは本当の学び方を知り、次第に変わり、力を伸ばしていく! 大切なことは、学習の「はじめ」にあります。
■大人は「教え上手」になる!  大人の「教え上手」とは?……〈子どもの目を見て伝える〉〈適切なタイミングで注意し、ほめる〉〈大切なポイントが明確〉!
■子どもは「学び上手になる」!  子どもの「学び上手」とは?……〈「応じる姿勢」が整い、素直に取り組む〉〈「どうすればいいか」がわかり、意欲的になる〉〈「物事にはルールや手順があること」を知り、良い親子関係、落ち着いた生活態度
■(本書2ページより)「ルール・決まり、手順を理解し、大切な「受け入れる姿勢」「教わる姿勢」を身につけ、自分の気持ちと行動をコントロールできるようになることをめざします。そして、最初から正しいやり方を知り手順を身につけることによって成長の土台がつくられ、自信や見通しをもてるようになるのではないでしょうか」
 
■対象: 保護者と子ども(1歳〜小学生)、教育・保育・福祉・療育関係者など
■[力をひきだす、学びかたドリル]は全4巻
  第2巻『「書く」からはじめる 10までのたしざん・ひきざん』
  第3巻『「書く」からはじめる くりあがり・くりさがり』
  第4巻『「書く」からはじめる たしざん・ひきざん、時計」』……順次刊行予定
 
【主な特徴】
◎「大切なことは、学び方」の視点で編集・制作
◎〈線〉の練習からスタートし、スムーズなステップ・アップ → しっかり見る、丁寧に書く姿勢から数の練習へ向かえる
◎「対面で学習する」ための具体的アドバイス → 親・大人と子が教え学び合える
◎親・大人が学習の手本を示し、サポートしながら学習を導けるよう、大切なポイント・心構えを写真とイラストでアドバイス → 目的・目標をしっかり共有できる
◎指導実績に基づくノウハウ・工夫がいっぱい
 
【目次】
こうして誕生しました……P.2
ドリルの目的……P.4
練習に向かう3つの準備……P.5
使い方ガイド……P.8
せん(たてのせん、よこのせん、ななめのせん、角のあるせん)……P.9〜32
すうじ・かず(数字1〜4、数字6〜10、数かぞえ、確認テストなど)……P.33〜86
すうじ・かずのまとめ……P.87〜90
 
【体裁】 A4判 カラー 92ページ 定価1,100円(本体価格1,000円+税10%)
【発行】 12月6日発売 全国の書店、オンライン書店で販売

監修: 河野俊一[エルベテーク代表/医療法人エルベ理事]
【プロフィール】1996年、民間の教育機関エルベテーク設立。発達の遅れと課題をもつ子どものためのコースも開設し、現在に至る(川口/大阪/アメリカ)。
著書に『発達障害の「教える難しさ」を乗り越える』『自閉症児の学ぶ力をひきだす』(いずれも日本評論社)、『誤解だらけの「発達障害」』『子どもの困った!行動がみるみる直るゴールデンルール』(いずれも新潮社)など。2017年11月〜2018年1月、『教育新聞』(教育新聞社)にコラム(10回)を連載。講演会、研修会での講師多数。

編集・制作: 特定非営利活動法人 教育を軸に子どもの成長を考えるフォーラム[さいたま市の特定非営利活動法人(2017年設立)。「子どもの教育と医療」を主なテーマとして活動中]

●エルベテークの指導法(エルベメソッド)……「まずしっかり見る、聞く姿勢を育てることが最優先」「関心のない物事に対しても注意を向けることができる姿勢づくり」など12項の具体的な教育方針と指導目標を掲げ、学習を通して子どもの成長をめざす指導法。特徴は、「発達上の遅れを抱える子どももそうでない子どもも、身につけさせたい力は同じである。そして、その接し方・教え方、指導の仕方も原則は同じである」という考え方と、25年間の豊富な事例・実績に基づく実践。





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