なぜ今、わざわざ女性だけを集めて教育するのか?-- 女子大の存在意義・女性教育のあり方を論考した、教職員22名によるオムニバス書籍 --『本気で女性を応援する女子大学の探求 -- 甲南女子大学の女性教育 -- 』10月30日発刊

プレスリリース発表元企業:甲南女子大学

配信日時: 2021-10-28 14:05:05



世界的にジェンダーをめぐる議論が高まる中、甲南女子大学(神戸市東灘区)の教職員有志が、「女性教育」をテーマにした書籍『本気で女性を応援する女子大学の探求―甲南女子大学の女性教育―』(明石書店)を、10月30日(土)に出版します。本書は、同大教職員22名が「女性という記号」をもつ学生と向き合い、女子大学の存在意義や女性教育の取り組み、自身の専門領域から女性や女性教育との関わりについて、多角的かつ重層的に探求したものです。また、今の時代を生きる女子学生たちが自身のジェンダーや女子大学をどのように捉えているかについても触れることができる一冊です。




■本件のポイント■
・世界的なジェンダーの議論の高まる中、女子大教職員が日本の女子大学の存在意義や今後の女性教育の在り方を問いかける一冊
・教職員22名が執筆。甲南女子大学の全学的な取り組みに加えて、5学部11学科にわたる専門分野から女性や女性教育についての論考を紹介
・「女性という記号」をもつ学生のバルネラビリティ(傷つきやすさ)を見据えた上で、「学生が自らの人生を主体的に選び取っていける力を与えられる女子大学」を探求する内容


【本件の内容】
 日本に「女子大学」が誕生した時代から、日本社会自体も、女性に対する社会の期待・役割も変わり、女性の人生設計は変化しました。多様な生き方を認める意識も浸透し、徐々に女性の選択肢は広がっています。このような時代に女子大学は「なぜ、わざわざ女性だけを集めて教育する」のでしょうか。
 女性教育とは果たして、単に教育の対象が「女性だけ」であることを意味しているのか...甲南女子大学では、学園創立100周年を経て、「なぜか女性しかいない大学」になるのか、それとも「本気で女性を応援する''女性のための女子大学''」になるのかの模索を続けています。学生にとっての「女子大学で学ぶことの矜持」とともに「女子大学で教え、働くことの矜持」を、教職員が自分たちで生み出そうとする教育現場の思いが同書の出発点になりました。

 読者層は、教育関係者をはじめ一般の方々など幅広く想定しています。また、「女性という記号をもつ」学生や高校生にとって、本書が自分らしく豊かに生きるための後押しにつながればとの願いも込めて、学術的な書籍とは異なり比較的平易な文体で綴っています。表紙には、バルネラビリティと強さの両面をあわせもつ女子学生のイメージと合致した、イラストレーター・古塔つみ氏のイラストを採用しています。


■『本気で女性を応援する女子大学の探求 ―甲南女子大学の女性教育―』
【出版社】株式会社明石書店
【価 格】1,980円(本体1,800円+税)
【発売日】2021年10月30日(Amazonでは10月28日刊行)
【ISBN】9784750352749
【判型・ページ数】A5・208ページ
【編 著】
・野崎志帆(甲南女子大学 国際学部 多文化コミュニケーション学科 教授)
・ウォント盛香織 (甲南女子大学 国際学部 国際英語学科 准教授)
・米田明美 (甲南女子大学 文学部 日本語日本文化学科 教授)

【目次】
■ 刊行に寄せて
女子大学と女性教育の未来[森田勝昭]

■ 序論
本気で女性を応援する女子大学の探求[野崎志帆]

■ I 甲南女子大学の女性教育のこれまでと今
1.甲南女子大学の歩み[米田明美]
2.女性教育カリキュラムの意義と可能性[野崎志帆]
3.図書館における女性教育の展開[中岡妙子]
4.保健センターの取り組み――女子学生のからだとこころの健康への支援[八木麻理子]
5.リーダーシップ教育[佐伯勇]
6.キャリア支援体制[前川幸子]
7.女性教育プロジェクト――女子大学の存在意義への問いかけと対話の軌跡[野崎志帆・ウォント盛香織]

■ II 各学問領域における女性教育
〈女性教育と人文科学〉
1.日本古典文学の中の女性――『無名草子』作者の叫び:「女ばかり口惜しきものなし」[米田明美]
2.日本語教育は日本社会を変える!をめざして[和田綾子]
3.女性写真家とセルフ・ポートレイト[馬場伸彦]
4.マンガが示す多様な生き方のモデル[増田のぞみ]
5.北米先住民女性の役割と「力」に学ぶ――過去から現在まで[岩崎佳孝]
6.文学に広がる女性の多様な生き方――アジア系アメリカ文学を例に[ウォント盛香織]

〈女性教育と社会科学〉
1.コロナ禍の授業を通して女性に関わる課題と未来を考える――SDGsの視点から[高橋真央]
2.女性と持続可能な自然資源の利用――フィリピンに暮らす女性と水産資源との関わりから考える[瀬木志央]
3.「賢く生きる」の心理学的考察[山田尚子]
4.自由な女性であるために――共通科目「女子学」のねらい[池田太臣]
5.環境に配慮した暮らし[中野加都子]
6.企業と女性問題、さぁ、どうする?――わが国の企業におけるジェンダーに関する課題とその対応について[森本真理]

〈女性教育と保健医療科学〉
1.性の多様性の観点から学生が考える女子大学のあり方[川村千恵子]
2.世界にひろがる母子健康手帳――女性と子どものいのちと健康をまもる[中村安秀]
3.女性教育と理学療法[川村博文]
4.産後女性の体のケア[山本綾子]
5.生物学的・栄養学的な性差を理解してジェンダー平等の女性教育を考える[天野信子]

■ シンポジウム報告 甲南女子大学のこれから
本気で女性を応援する女子大学に向けて[ウォント盛香織・野崎志帆・前川幸子・米田明美]

■ あとがき



【関連URL】
 https://www.akashi.co.jp/book/b593666.html


▼本件に関する問い合わせ先
甲南女子大学 広報課
住所:〒658-0001 兵庫県神戸市東灘区森北町6-2-23
TEL:078-413-3130(平日9時~17時)
メール:E-mail:koho@konan-wu.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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