プリンテッドエレクトロニクス※を活用した「共創サービス」を開始

プレスリリース発表元企業:株式会社ダイセル

配信日時: 2021-08-19 13:30:00

-デバイス開発期間の大幅な短縮を実現-

株式会社ダイセルは、お客様(デバイスメーカー)とともにテレビやスマホなど、各種デバイスの電子部品を創り上げる「共創サービス」を2021年8月より始めました。本サービスは、デバイス開発における様々な課題を持つお客様へ、当社が金属インクでの印刷による電気回路作成を提案し、お客様とともに課題解決を行いながら開発を進めていくサービスで、開発期間を従来の1/3以下と大幅に短縮することが期待できます。

※プリンテッドエレクトロニクス:印刷によってデバイスを製造する技術




■「共創サービス」の特長
プリンテッドエレクトロニクス分野においては、素材メーカーが配線材料などの開発を行い、デバイスメーカーが配線設計および形成検討するというように、それぞれ個別に開発を進めています。こうした開発の進め方において、デバイスメーカーが初期検討を行う場合、試作に用いる印刷装置選定や材料物性に応じた印刷条件調整の期間として通常6か月以上を要しますが、本サービスでは当社が初期のデバイス試作を行うため、この期間を1~2か月程度まで短縮することが可能です。さらに初期検討時の設備導入におけるコスト面でのリスク負担を回避できるため、従来よりもプリンテッドエレクトロニクスの適用を容易に検討することができます。
また、材料に適した印刷条件や取り扱いについての情報がデバイスメーカーへ十分に伝わらないことが開発のスケジュールを長期化させる一因になっていました。本サービスでは、当社はインク材料(銀ナノ粒子インク「Picosil(R)」)のみを提供するのではなく、デバイスメーカーと共同で課題を可視化し、当社が保有する印刷パターン形成に関する技術や材料使用方法のノウハウを提供します。この協業により、デバイスメーカーは手戻りのない効率的な開発を進めることができます。
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さらに本サービスは、イノベーション・エコシステムの中核を担い、世界最高水準の研究を推進する国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)の技術協力を得て実施いたします。産総研の各種デバイス作製に関する先駆的かつ高い技術力と当社のインク材料技術ならびに各種インク取り扱いに関するノウハウを合わせることで、お客様が要望する様々な形状の高導電性パターンを精度良く再現することができます。また、本サービスでは当社と産総研との共同研究で得られた知見・技術も活用してまいります。

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■銀ナノ粒子インク「Picosil(R)」について
銀ナノ粒子インク「Picosil(R)」は、ナノメートルのサイズに制御した銀粒子をインク化したものです。当社は、省エネ、省資源化が可能なプリンテッドエレクトロニクス用途をターゲットとして開発を進めています。低温かつ短時間での焼結が可能であるとともに、形成される銀導電膜の体積抵抗率が低く、通常では難しいプラスチック基板への描画ができることが特長で、インクジェット印刷向けの低粘度からスクリーン印刷向けの高粘度まで調整が可能なため各種印刷方法にも対応できます。
また、銀ナノ粒子インク「Picosil(R)」の研究内容および技術については、その工業的、社会的、学術的価値が顕著な業績として認められ、2021年6月、一般社団法人近畿化学協会「第73回化学技術賞」を受賞いたしました。

「Picosil(R)」の詳細:https://www.daicel.com/smart/product/silver-nano-ink/

当社は今後も銀ナノ粒子インク「Picosil(R)」を活用した「お客様との共創の場」を通じて、サステナブルで便利、快適なスマート社会の実現に貢献いたします。

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