日本企業の取締役会、デジタル・ガバナンス、サイバーセキュリティ、リスク管理面で世界とのギャップが明らかに

プレスリリース発表元企業:Tricor Group

配信日時: 2021-04-28 08:00:00

日本企業の取締役会、デジタル・ガバナンス、サイバーセキュリティ、リスク管理面で世界とのギャップが明らかに

~トライコーとフィナンシャル・タイムズ・ボード・ディレクター・プログラムによる報告書を発表~

(東京)-(ビジネスワイヤ) -- トライコー・グループフィナンシャル・タイムズ・ボード・ディレクター・プログラムは、COVID-19により引き起こされた世界的な混乱を受けた日本およびその他のアジア太平洋地域の全般的な企業心理を明らかにするために、初のアジア太平洋取締役バロメーター報告書を共同で発表しました。

2021年版アジア太平洋取締役バロメーター報告書では、以下の点が明らかにされました:

取締役会は、COVID-19のパンデミックによる強烈な逆風に直面する中、デジタル適応やデジタルトランスフォーメーション(DX)への圧力の高まりに苦慮している。事業継続計画(BCP)とコーポレートガバナンス・リスク管理・コンプライアンス(GRC)が取締役にとって重大な責務となり、取締役会の最優先課題である。取締役会には、パンデミック後の最も好ましい運営モデルになると考えられる、対面での会議とバーチャルでの会議を融合した、「ハイブリッド型会議モデル」に対応可能な設備が備わっていない。情報格差が拡大を続ける中、取締役会の対応の後れが顕著に見られており、業務およびセキュリティ上のリスクと非効率性がうかがわれる。サイバーセキュリティ面でのギャップが取締役会の運営と完全性に対する脅威となっている。2021年版アジア太平洋取締役バロメーター報告書は、DXの主要分野、サイバーセキュリティ、取締役会の運営、GRC、BCPに関する世界の取締役の見解と行動を明らかにしています。

同報告書は、主要12業種におけるスタートアップ企業、中小企業(SME)、多国籍企業(MNC)、非営利組織、上場企業を代表する771人の取締役を対象に実施された詳細な調査の結果をまとめたものです。主な調査対象は、アジア太平洋(APAC)の国々(中国本土、香港特別行政区、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、日本、オーストラリアを含む)で、比較対象となる米州、欧州、アフリカでの調査の結果も含まれています。

報告書で明らかにされた主要な調査結果は以下の通りです:

BCPとGRCが取締役会にとって重大な責務であり、世界の取締役の大多数となる83%、APACでは84%が最優先課題に挙げています。全体的に見て、APACでは今回の危機対応への自信の度合いはまちまちで、いくつかの地域では大きな改善余地が認められます:取締役会の対応について肯定的な見方をとっている取締役の割合は日本では半数弱(45%)ですが、ベトナムは42%、オーストラリアは50%、香港は51%、タイは52%、マレーシアは56%、中国本土は68%、シンガポールは71%でした。COVID-19後の広範囲にわたるバーチャル化をきっかけに、取締役の83%がデータ・セキュリティを緊急の懸念要因と挙げています。しかしながら、こうした懸念に対応した是正措置はまだ見られていません。例えば、日本の取締役の87%がデータ・セキュリティを目下の懸案事項であると回答したのに対して、実際にCOVID-19下でデータ・セキュリティの改善に焦点を合わせた行動をとった取締役会は半分以下(48%)で、取締役会の過半は依然として不適切な古いサイバーセキュリティ体制の下で業務を続けていることがうかがわれます。APACの取締役会は、急速に浮上する課題の解決に必要な第三者の専門的知見やソリューションの活用に抵抗を持っています。米州では取締役の60%が独立した形でGRCおよびBCPの枠組みの評価を第三者の専門的知見に頼ることを検討している一方、APACで同様の回答をした取締役の割合は半分以下(48%)にとどまりました。
日本では他のAPAC地域に比べてこの割合は若干高く、52%の取締役が第三者の専門的知見とソリューションの活用を検討すると答えています。取締役会は、現在もパンデミック後も、バーチャル形式の会議に求められるセキュリティと効率性の要件を満たせる状況にありません。COVID-19をきっかけに大きく進んだリモートワークへの移行は、調査結果にも反映されています。
パンデミック前にはバーチャルで運営している取締役会は全体の5%でしたが、COVID-19の影響により、現在では対面で運営している取締役会が5%であると、世界中の取締役が回答しています。しかし、多くの取締役会は会議を運営するための必須要件となるセキュリティと効率性を担保する手段を持っていないことから、パンデミック後に主流になると見られる「ハイブリッド型の取締役会」の運営に向けた準備が整っていない状況にあります。
日本では現在、完全に対面の取締役会を開催している割合は7%(世界では5%)で、パンデミック後も完全に対面で取締役会を行う予定と回答したのは、わずか10%(世界では12%)でした。拡大するデジタル化の格差を埋めるための業務変革を促す行動をとっている取締役会は4分の1にとどまることが懸念されます。パンデミック後の未来に備えるために、世界の取締役の73%は取締役会が新たなデジタル・ツールを積極的に模索していると回答しており、日本とマレーシアでは、この割合がそれぞれ78%および76%と、世界平均を上回りました。
他方、香港(70%)、中国本土(68%)、シンガポール(67%)では、この割合は低く、これらの地域では大多数の取締役会が、企業の「生き残り」から「バーチャル面での事業の成長」にシフトするために必要不可欠なデジタル・ポータルやデジタル・ガバナンス・ツールなどのソリューションを、まだ採用していないことが明らかになりました。取締役は、能力強化のためのコーポレートガバナンス研修の拡充を強く求めています。世界の取締役の94%がコーポレートガバナンスの研修が必要であると答えていますが、実際に研修を受けている取締役の割合はわずか58%にすぎません。
この数値は、当調査の対象となったAPACの取締役の調査結果と合致しています。日本では、94%の取締役が、さらなる研修を必要としているものの、現時点で研修を受けている取締役はわずか55%でした。トライコー・グループ最高経営責任者(CEO)のレナード・ヨンは、次のように述べています。「COVID-19のパンデミックをきっかけに、APACおよびその他の地域は空前の危機に直面しており、あらゆる業種のほぼすべての組織の取締役会に影響が及んでいます。パンデミック当初より、トライコーは取締役会の適応力の強化とデジタル・ボード・ガバナンスの導入を目指す組織から数多くの問い合わせを受けています。

総合的なデジタル主導のサービスと多様なコーポレートガバナンス・ソリューションを豊富に有する当社の専門家チームは、進化する事業環境に向けて取締役会が順応できるよう、そして不確実な状況下であっても事業を成功に導くことができるよう、支援します。」

トライコー・グループのマーケティング&コミュニケーション責任者のサンシャイン・ファルザンは、次のように述べています。

「取締役会は、組織を圧迫し、株主の投資資産を脅かす恐れのある災害や異例の出来事に対して慎重な防御策を講じ、リスクを抑制する責任を負っています。

2021年版アジア太平洋取締役バロメーター報告書では、COVID-19による混乱が未だ続いていることを受け、サイバーセキュリティ、デジタル化、GRC、BCPに関する取締役会の懸念が著しく高まっていることが確認されました。緊急の課題を特定し、改善が求められる主要な分野の概況を示すことにより、当報告書は取締役会が事業継続と耐性強化に向けた次のステップを講じることを支援します。」

トライコー・ジャパンCEOの佐藤スコットは、次のように述べています。

「世界経済が減速する中、日本ではCOVID-19の拡大以来、コーポレートガバナンスに対する大きな圧力が続いており、2020年の年次株主総会(AGM)シーズン中の株主提案件数は過去最高を記録しました。バーチャル化の影響とリスクの高まりにより、こうした圧力は強まる一方であり、対応に苦慮する取締役会や必要なツールやソリューションを持たずに業務継続を余儀なくされている取締役会が多く存在しています。

トライコー・ジャパンは、最高水準のコーポレートガバナンスを維持し、事業耐性を高めるため、取締役会の安全かつ効率的なバーチャル化を支援しています。」

独自の調査結果に加えて、2021年版アジア太平洋取締役バロメーター報告書は、パンデミック下での事業の混乱に他社の取締役会がどのように対応しているかをより良く理解するために、副次的な研究結果、重要な洞察、業界分析、注目すべき分野の提言、ベストプラクティスなども明らかにしています。報告書全文については、www.tricorglobal.com/2021-asia-pacific-board-director-barometer-reportをご覧ください。

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日本はイノベーションの中心地であり、外国人投資家にとって非常に魅力的な市場です。しかし、「ビジネスのしやすさ」では、他の先進諸国と比べ決して高い順位に位置している訳ではありません。なぜなら、事業を展開する上で、外国企業からは見えづらい、落とし穴が多く存在しているからです。

確かに日本市場に投資することは、多くのメリットがありますが、外国企業が日本での現地法人を円滑に運営するためには、トライコー・グループのような専門家による現地のサポートが不可欠です。

トライコー・グループは日本市場への進出を検討されている企業様や、現在の業務を合理化したい企業様に向け、日本での事業成長の機会を最大限に活用できるよう、ご支援しています。

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香港に本社を置き、21ヶ国 47拠点で事業を展開しています。アジアの上場企業2,000社、フォーチュン・グローバル500社の40%以上を含む、50,000社のお客様にサービスを提供しています。2,800名の従業員を擁し、外国企業がアジアで事業を加速させるために必要不可欠な機能を提供しています。

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