武田薬品のオンコロジー部門が第62回米国血液学会(ASH)年次総会で血液がん治療におけるリーダーシップを示す

プレスリリース発表元企業:Takeda Pharmaceutical Company Limited

配信日時: 2020-11-11 01:44:00

武田薬品のオンコロジー部門が第62回米国血液学会(ASH)年次総会で血液がん治療におけるリーダーシップを示す

− オンコロジー領域で5件の口頭発表を含む22件のアブストラクトを発表し、血液がん患者さんの生活を向上させるという当社の揺るぎない約束を実証

(米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪)-(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)は本日、2020年12月5~8日にバーチャル開催される第62回米国血液学会(ASH)年次総会で、企業スポンサー研究のアブストラクト22件を報告すると発表しました。当社がASHで発表する科学研究は、血液がんの治療を前進させるための当社独自の手法を明らかにするものであり、患者さんのニーズに合わせた変革的なソリューションを開発して提供するという当社のコミットメントの例証となります。また本総会で武田薬品は、血液疾患の分野における当社の広範なポートフォリオおよびパイプラインに関するデータも発表します。

武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリス・アーレントは、次のように述べています。「今年のASHで、武田薬品のオンコロジー研究開発部門が報告する最新データは、既存の治療パラダイムを転換し、白血病やリンパ腫、骨髄腫などの血液がん患者さんの深刻なニーズに応える真に斬新な手法を研究するという当社のコミットメントを浮き彫りにします。がんの治療法を探究する当社の活動は、限定的な治療選択肢か有効でない治療選択肢を持つ患者さんを含め、すべての患者さんに命を救う医薬品を提供するという当社の約束に突き動かされています。」

発表する主要なデータは下記の通りです。

ペボネジスタット: 第2相Pevonedistat-2001試験のサブ解析結果を口頭発表セッションで報告します。本試験の高リスク骨髄異形成症候群(MDS)サブグループの転帰に着眼した解析で、ペボネジスタット+アザシチジンの併用療法が、アザシチジン単独療法と比較して、骨髄抑制を増強することなく、無イベント生存期間の延長、奏功期間の延長、急性骨髄性白血病への転化の遅延をもたらすことが示されました。またペボネジスタット+アザシチジンの併用療法の安全性プロファイルは、アザシチジン単独療法の場合と同等でした。転帰不良にもかかわらず、高リスクMDSの治療で過去10年間に目新しい進歩は見られず、安全性プロファイルが良好で骨髄抑制を悪化させない有効な治療薬が必要となっています。アイクルシグ(ポナチニブ): アイクルシグのOPTIC試験の中間解析から得られたデータを口頭発表セッションで報告します。本データは、第3世代のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるアイクルシグにつき、第2世代(2G)TKIによる治療が失敗した抵抗性の慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者(変異の有無不問)で、奏功に応じた投与レジメンにて使用した場合に、本薬のベネフィット/リスク効果が改善することを際立たせるものです。別の口頭発表は、2G後のTKIという条件で評価する患者集団として最大規模となるPACE試験およびOPTIC試験の患者を対象とするプール化サブ解析を取り上げます。CP-CMLは多くの場合に管理可能ですが、2G TKIによる治療の失敗を経験し、特に治療抵抗性の患者の場合、長期転帰は不良となっており、CP-CML患者のケアが依然として不十分なものであることを浮き彫りにしています。ニンラーロ(イキサゾミブ): TOURMALINE-MM2試験の結果を口頭発表セッションで報告します。本試験は、移植非適応の初発多発性骨髄腫患者でレナリドミド+デキサメタゾンの併用療法にニンラーロを追加した場合の検討を行うようにデザインされています。本試験で統計的有意性のしきい値は満たされず、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は達成されませんでしたが、ニンラーロの追加により全体的なPFSの中央値が13.5カ月延長されることが示されました。細胞遺伝学的に高リスクの事前設定拡大サブグループでは、PFS中央値がプラセボ群の18.0カ月に対し、ニンラーロを追加した場合は23.8カ月に達しました。初発多発性骨髄腫患者にとって、経口薬のみの承認済み治療選択肢が現時点で存在しないため、プロテアソーム阻害薬を基盤とする新たな治療選択肢が必要となっています。アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン): リンパ腫のフロントライン治療としての第3相試験2件の5年フォローアップデータをポスター発表で取り上げます。未治療のステージ3/4ホジキンリンパ腫に対するアドセトリスとドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジンの併用療法(アドセトリス+AVD)の評価を行ったECHELON-1試験のデータは、フォローアップ期間の延長に伴い、現在の標準治療であるABVDと比較してAVDにアドセトリスを追加した場合、病期、国際予後指標のリスク因子スコア、PET2ステータスと無関係に、強固で持続的な治療効果がもたらされることを実証しています。CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫患者に対するフロントライン治療で標準治療との比較でアドセトリスとCHP(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)の併用療法(アドセトリス+CHP)の評価を行ったECHELON-2試験の良好な最終解析結果も報告します。ECHELON-1試験およびECHELON-2試験におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、化学療法との併用療法で確立しているアドセトリスの安全性プロファイルと一致するものでした。発表が受理されたオンコロジー領域のアブストラクトは下記の通りです。

注記: 記載された時間はすべて太平洋標準時です

ペボネジスタット

「P-2001(NCT02610777)試験における高リスク骨髄異形成症候群(MDS)でのペボネジスタット+アザシチジンの併用療法とアザシチジン単独療法の有効性と安全性の比較」(Efficacy and Safety of Pevonedistat Plus Azacitidine Vs Azacitidine Alone in Higher-Risk Myelodysplastic Syndromes (MDS) From Study P-2001 (NCT02610777))。アブストラクト653。口頭発表。2020年12月7日(月曜)午前11時30分。「強化化学療法非適応の初発急性骨髄性白血病(AML)成人患者でペボネジスタット+ベネトクラクス+アザシチジンの併用療法をベネトクラクス+アザシチジンの併用療法と比較するランダム化第2相試験」(A Randomized Phase 2 Study of Pevonedistat, Venetoclax, and Azacitidine Versus Venetoclax Plus Azacitidine in Adults with Newly Diagnosed Acute Myeloid Leukemia (AML) Who Are Unfit for Intensive Chemotherapy)。アブストラクト988。ポスター発表。2020年12月5日(土曜)。「高リスク骨髄異形成症候群/慢性骨髄単球性白血病または低芽球比率急性骨髄性白血病でペボネジスタット+アザシチジンの併用療法をアザシチジン単独療法と比較するランダム化第2相試験:患者報告転帰の探索的解析」(Randomized Phase 2 Trial of Pevonedistat Plus Azacitidine Versus Azacitidine in Higher-Risk Myelodysplastic Syndromes/Chronic Myelomonocytic Leukemia or Low-Blast Acute Myeloid Leukemia: Exploratory Analysis of Patient-Reported Outcomes)。アブストラクト2191。ポスター発表。2020年12月6日(日曜)。アイクルシグ(ポナチニブ)

「1種類以上の第2世代(2G)チロシンキナーゼ阻害薬(TKIs)が失敗した慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者でのポナチニブ(PON)の有効性および安全性:PACE試験およびOPTIC試験に基づく分析」(Efficacy and Safety of Ponatinib (PON) in Patients with Chronic-Phase Chronic Myeloid Leukemia (CP-CML) Who Failed One or More Second-Generation (2G) Tyrosine Kinase Inhibitors (TKIs): Analyses Based on PACE and OPTIC)。アブストラクト647。口頭発表。2020年12月7日(月曜)午前11時30分。「CP-CML患者におけるポナチニブの3種の開始用量を検討する用量範囲探索試験OPTICにおける変異状態/治療ライン別の転帰」(Outcome by Mutation Status and Line of Treatment in OPTIC, a Dose-Ranging Study of 3 Starting Doses of Ponatinib in Patients with CP-CML)。アブストラクト48。口頭発表。2020年12月5日(土曜)午前8時15分。「フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児患者でポナチニブと化学療法の併用療法の安全性と有効性を評価する第1/2相試験」(A Phase 1/2 Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Ponatinib with Chemotherapy in Pediatric Patients with Philadelphia Chromosome-Positive (Ph+) Acute Lymphoblastic Leukemia (ALL))。アブストラクト2842。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「初発フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者で、強度減弱化学療法との併用にて、ポナチニブとイマチニブを比較:PhALLCON試験」(Ponatinib Versus Imatinib with Reduced-Intensity Chemotherapy in Patients with Newly Diagnosed Philadelphia Chromosome-Positive (Ph+) Acute Lymphoblastic Leukemia (ALL): PhALLCON Study)。アブストラクト1026。ポスター発表。2020年12月5日(土曜)。「化学療法と併用したチロシンキナーゼ阻害薬による初発フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病の治療:患者中心のベネフィット/リスク評価」(Treatment of Newly Diagnosed Philadelphia Chromosome Positive Acute Lymphoblastic Leukemia Using Tyrosine Kinase Inhibitors in Combination with Chemotherapy: A Patient-Centered Benefit-Risk Assessment)。アブストラクト3471。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。多発性骨髄腫

「第3相TOURMALINE-MM2試験:移植非適応の初発多発性骨髄腫(NDMM)患者(Pts)で経口薬のイキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(IRd)の併用療法とプラセボ+Rdの併用療法を比較」(The Phase 3 TOURMALINE-MM2 Trial: Oral Ixazomib, Lenalidomide, and Dexamethasone (IRd) Vs Placebo-Rd for Transplant-Ineligible Patients (Pts) with Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM))。アブストラクト551。口頭発表。2020年12月7日(月曜)午前7時45分。「移植非適応の初発多発性骨髄腫(NDMM)患者(Pts)における導入療法後の維持療法としての経口プロテアソーム阻害薬(PI)イキサゾミブはプラセボとの比較で年齢およびフレイルに基づく全サブグループで無増悪生存期間(PFS)の効果を示し、生活の質(QoL)を維持:第3相TOURMALINE-MM4試験の解析」(Progression-Free Survival (PFS) Benefit Demonstrated and Quality of Life (QoL) Maintained across Age and Frailty Subgroups with the Oral Proteasome Inhibitor (PI) Ixazomib Vs Placebo As Post-Induction Maintenance Therapy in Non-Transplant Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM) Patients (Pts): Analysis of the TOURMALINE-MM4 Phase 3 Trial)。アブストラクト1381。ポスター発表。2020年12月5日(土曜)。「測定可能残存病変(MRD)陽性患者(Pts)で導入療法後の維持療法としてイキサゾミブを投与した場合のプラセボと比較したMRD動態の予後的重要性および無増悪生存期間(PFS)の効果:移植非適応の初発多発性骨髄腫(NDMM)患者での多施設二重盲検第3相TOURMALINE-MM4試験の結果」(Prognostic Importance of Measurable Residual Disease (MRD) Kinetics and Progression-Free Survival (PFS) Benefit in MRD+ Patients (Pts) with Ixazomib Vs Placebo As Post-Induction Maintenance Therapy: Results from the Multicenter, Double-Blind, Phase 3 TOURMALINE-MM4 Trial in Non-Transplant Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM) Pts)。アブストラクト2318。ポスター発表。2020年12月6日(日曜)。「非経口薬ボルテゾミブから経口プロテアソーム阻害薬(PI)イキサゾミブへの同クラス内の移行(iCT)は外来における初発多発性骨髄腫(NDMM)患者にとっての長期PI治療の実行可能性を高め利点を増大:米国(US)の地域ベースMM-6試験の最新実臨床結果」(In-Class Transition (iCT) from Parenteral Bortezomib to Oral Ixazomib Proteasome Inhibitor (PI) Therapy Increases the Feasibility of Long-Term PI Treatment and Benefit for Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM) Patients in an Outpatient Setting: Updated Real-World Results from the Community-Based United States (US) MM-6 Study)。アブストラクト3200。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「欧州の早期アクセスプログラムを通じて臨床試験の条件外で治療を受けた再発性/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者でイキサゾミブを使用した治療の有効性と安全性:「イキサゾミブの早期アクセスを通じた使用(UVEA-IXA)試験」の2回目の中間解析」(Effectiveness and Safety of Ixazomib-Based Therapy in Relapsed/Refractory Multiple Myeloma (RRMM) Patients (Pts) Treated Outside the Clinical Trial Setting Via an Early Access Program (EAP) in Europe: Second Interim Analysis of the ‘Use Via Early Access to Ixazomib’ (UVEA-IXA) Study)。アブストラクト2292。ポスター発表。2020年12月6日(日曜)。「再発性/難治性多発性骨髄腫でレナリドミド+デキサメタゾと併用したイキサゾミブの実臨床での有効性:REMIX試験」(Real-Life-Setting Effectiveness of Ixazomib in Combination with Lenalidomide and Dexamethasone in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma: The REMIX Study)。アブストラクト1377。ポスター発表。2020年12月5日(土曜)。「米国の日常診療における再発性/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者におけるプロテアソーム阻害薬(PI:ボルテゾミブ[V]、カルフィルゾミブ[K]、イキサゾミブ[I]のいずれか)とレナリドミド+デキサメタゾン(Rd)を併用した3剤療法のレナリドミド投与経験有無別の実臨床での治療パターンと転帰」(Real-World Treatment Patterns and Outcomes of Proteasome Inhibitor (PI: Bortezomib [V], Carfilzomib [K], or Ixazomib [I])-Lenalidomide/Dexamethasone (Rd)-Triplets By Prior Lenalidomide-Exposure in Patients with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma (RRMM) Engaged in Routine Care in the United States (US))。アブストラクト3242。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「抗CD38/活性減弱Ifnα融合タンパク質のTAK-573は再発性/難治性多発性骨髄腫患者で臨床活性を示しIfnα受容体(IFNAR)経路を調節」(TAK-573, an Anti-CD38/Attenuated Ifnα Fusion Protein, Has Clinical Activity and Modulates the Ifnα Receptor (IFNAR) Pathway in Patients with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma)。アブストラクト3197。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「Mezagitamabは再発性/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者で免疫調節作用を誘発」(Mezagitamab Induces Immunomodulatory Effect in Patients with Relapsed/Refractory Multiple Myeloma (RRMM))。アブストラクト316。口頭発表。2020年12月6日(日曜)午前10時30分。アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)およびリンパ腫

「未治療のステージ3/4古典的ホジキンリンパ腫患者に対するブレンツキシマブ・ベドチンと化学療法の併用:ECHELON-1試験の5年フォローアップ最新データ」(Brentuximab Vedotin with Chemotherapy for Patients with Previously Untreated, Stage III/IV Classical Hodgkin Lymphoma: 5-Year Update of the ECHELON-1 Study)。アブストラクト2973。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「ECHELON-2試験:CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫患者のフロントライン治療でブレンツキシマブ・ベドチンとCHP(A+CHP)の併用療法をCHOPと比較検討するランダム化二重盲検第3相試験の5年フォローアップ結果」(The ECHELON-2 Trial: 5-year Results of a Randomized, Double-Blind, Phase 3 Study of Brentuximab Vedotin and CHP (A+CHP) Versus CHOP in Frontline Treatment of Patients with CD30-Positive Peripheral T-Cell Lymphoma)。アブストラクト1150。ポスター発表。2020年12月5日(土曜)。「濾胞性ヘルパーT細胞表現型を伴う節性末梢性T細胞リンパ腫:新たな細胞腫か?スペインの後ろ向きREAL-T試験の結果」(Nodal Peripheral T-cell Lymphoma with T Follicular-Helper Phenotype: A Different Entity? Results of the Spanish Retrospective REAL-T Study)。アブストラクト2972。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「国際多施設後ろ向きB-HOLISTIC試験の結果:古典的ホジキンリンパ腫に対する治療経路と転帰の説明」(Results from the International, Multi-Center, Retrospective B-HOLISTIC Study: Describing Treatment Pathways and Outcomes for Classical Hodgkin Lymphoma)。アブストラクト2979。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。「台湾における初発進行期ホジキンリンパ腫および再発性/難治性ホジキンリンパ腫の特徴と治療反応性:全国的な後ろ向き研究」(Characteristics and Treatment Response of Newly Diagnosed Advanced-Stage and Relapsed/Refractory Hodgkin Lymphoma in Taiwan: A Nationwide Retrospective Study)。アブストラクト3479。ポスター発表。2020年12月7日(月曜)。ペボネジスタットについて

ペボネジスタットは、特定のタンパク質の修飾を妨げるファーストインクラスのNEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤です。ペボネジスタットによる治療は、白血病を含むがんで細胞周期進行と細胞生存を阻害し、細胞の死滅をもたらします。ペボネジスタットとアザシチジンの併用療法は、前臨床試験で抗腫瘍活性を示し、AML患者での第1相試験では良好な忍容性と有望な臨床活性を示しました。ペボネジスタットは現在、移植または集中的導入化学療法に不適格(非健康)なHR-MDS、HR-CMML、AML患者に対するファーストライン治療としての第3相試験で評価中であり、また非健康なAML患者での第2相試験でアザシチジンおよびベネトクラクスとの3剤併用療法にて検討中です。

アイクルシグ(ポナチニブ)錠について

アイクルシグはBCR-ABL1を標的とするキナーゼ阻害剤です。BCR-ABL1は慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)で発現する異常なチロシンキナーゼです。アイクルシグはコンピューターと構造に基づく医薬品設計プラットフォームを使用して開発されたがん分子標的治療薬であり、特別にBCR-ABL1およびその変異体の活性を阻害するように設計されています。アイクルシグは、ネイティブのBCR-ABL1に加え、最も抵抗性の強いT315I変異を含め、治療抵抗性のあるBCR-ABL1変異すべてを標的とします。アイクルシグは承認済みのTKIとして唯一、BCR-ABL1のゲートキーパー変異T315Iに対し作用します。同変異は承認済みの他のあらゆるTKIに対する抵抗性と関連しています。アイクルシグは、2016年11月にFDAより完全承認を取得しました。アイクルシグの適応は、慢性期/移行期/急性転化期のCMLまたはPh+ ALLを患い、他のTKI療法が適応とならない成人患者と、T315I陽性CML(慢性期、移行期、急性転化期)またはT315I陽性Ph+ ALLの成人患者の治療となります。アイクルシグは、初発慢性期CML患者の治療を適応としておらず、同患者の治療薬として推奨されません。

重要な安全性情報(米国向け)

注記がある場合を除き、第2相試験の48カ月フォローアップ解析(N=449)に基づく。

警告:動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性

完全な枠組み警告については処方情報の全文をご覧ください。

アイクルシグ(ポナチニブ)による治療を受けている患者の35%以上で、致死的な心筋梗塞、脳卒中、脳大動脈の狭窄、重度の末梢血管疾患、緊急の血行再建術を必要とする事態を含め、動脈閉塞が発現しています。50歳未満の患者を含め、心血管リスクを持つ患者も持たない患者もこれらのイベントを経験しました。血管閉塞が発現した場合はアイクルシグを即座に中断ないし中止します。リスクとベネフィットの検討に基づき、アイクルシグ治療を再開するかどうか決定します。静脈血栓塞栓症がアイクルシグ治療を受けた患者の6%で発現しています。血栓塞栓症の証拠につきモニタリングします。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者ではアイクルシグの用量調節または中止を検討します。死亡例を含む心不全がアイクルシグ治療を受けた患者の9%で発現しています。心機能をモニタリングします。心不全が新規発症ないし悪化した場合はアイクルシグを中断ないし中止します。肝毒性、肝不全、死亡がアイクルシグ治療を受けている患者で発現しています。肝機能をモニタリングします。肝毒性が疑われる場合はアイクルシグを中断します。警告および注意

動脈閉塞:枠組み警告に記載された動脈閉塞イベントが患者の35%で報告されており、これらの患者は第1相試験および第2相試験のいずれにも存在しました。第2相試験では、アイクルシグ治療を受けた患者の33%(150/449例)が心血管(21%)、末梢血管(12%)、脳血管(9%)の動脈閉塞イベントを経験し、一部の患者は複数種類のイベントを経験しました。致死的イベントと生命を脅かすイベントは治療開始から2週間以内に1日15 mgの低用量で発現しています。アイクルシグは再発性または多部位の血管閉塞をもたらす場合もあります。患者はこれまで血行再建術が必要でした。最初の動脈閉塞イベントが発現するまでの期間の中央値は193~526日にわたりました。心血管リスク因子を持つ患者も持たない患者も、約50歳以下でも、これらのイベントを経験しています。これらのイベントで最も多く観察されたリスク因子は、高血圧、高脂血症、心疾患の病歴でした。動脈閉塞イベントは年齢が高いほど、虚血、高血圧、糖尿病、高脂血症の病歴を持つ患者ほど、多く発現しました。動脈閉塞イベントの発現が疑われる患者ではアイクルシグの投与を中断または中止します。

静脈血栓塞栓症:静脈血栓塞栓症イベントが患者の6%で発現し、発現率は5%(CP-CML)、4%(AP-CML)、10%(BP-CML)、9%(Ph+ ALL)でした。イベントには深部静脈血栓症、肺塞栓症、表在性血栓性静脈炎、視力喪失を伴う網膜静脈血栓症が含まれます。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者では、アイクルシグの用量調節または投与中止を検討します。

心不全:致死的ないし重篤な心不全または左心室機能不全が、第2相試験における患者の6%で発現しています。最も一般的な心不全イベント(それぞれ患者の3%)は、うっ血性心不全および駆出率低下でした。心不全と一致する兆候や症状につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与中断を含む処置を施します。重篤な心不全が発現した場合は投与中止を検討します。

肝毒性:肝毒性イベントが患者の29%で観察されています(11%がグレード3~4)。重度の肝毒性はあらゆる患者コホートで発現しています。BP-CMLまたはPh+ ALLの患者3人が死亡しており、1人がアイクルシグの投与開始から1週間以内に劇症肝不全で、2人が急性肝不全で死亡しました。最も多かった肝毒性の種類はASTまたはALTの上昇(全グレードが54%、グレード3~4が8%、フォローアップの最終日までに回復しなかった症例が5%)、ビリルビン上昇、アルカリフォスファターゼ上昇でした。肝毒性イベントが発現するまでの期間の中央値は3カ月でした。肝機能検査値をベースライン時に、その後は少なくとも月1回、または臨床上の必要に応じて、モニタリングします。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。

高血圧症:治療下における収縮期/拡張期血圧の上昇が、患者の68%で発現しています。うち12%が重篤で、高血圧性クリーゼを含むものでした。患者は錯乱、頭痛、胸痛、息切れを伴う高血圧症の場合、緊急の臨床的介入を必要とする場合があります。ベースラインにおける血圧が140/90 mm Hg未満の患者では、80%が治療下で高血圧症を発現しました(44%がステージ1、37%がステージ2)。ベースラインでステージ1の高血圧症を有していた患者132人では、67%がステージ2の高血圧症を発現しました。アイクルシグの投与期間中は血圧上昇につきモニタリングと管理を行い、高血圧症を治療して血圧を正常化します。薬物療法によって高血圧症を管理できない場合はアイクルシグの投与を中断、減量、中止します。高血圧の著しい悪化、動揺性または治療抵抗性の高血圧症が認められる場合、治療を中断し、腎動脈狭窄症の評価を検討します。

膵炎:膵炎が患者の7%で発現しています(6%が重篤またはグレード3/4)。これら症例の多くがアイクルシグの投与中断または減量から2週間以内に回復しています。治療下で発現したリパーゼ上昇の発現率は42%でした(16%がグレード3以上)。血清リパーゼ値を、最初の2カ月間は2週間ごと、その後は月1回、または臨床上の必要に応じてチェックします。膵炎またはアルコール乱用の病歴を持つ患者では、これ以外にも血清リパーゼのモニタリングを検討します。投与の中断または減量が必要になることがあります。リパーゼ上昇が腹部症状を伴う場合、アイクルシグの投与を中断して、膵炎につき患者の評価を行います。患者の症状が完全に回復し、リパーゼ値が1.5 x ULN未満になるまでは、アイクルシグの投与再開を検討してはなりません。

初発CP-CMLにおける毒性増大:初発CP-CML患者に対するファーストライン治療としての前向きランダム化臨床試験で、アイクルシグ45 mgの1日1回単独投与はイマチニブ400 mgの1日1回単独投与と

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