キオクシア、1Uサーバー向けE1.L SSD「LD4」を開発 最大122.88TBに対応可能な設計を検証

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キオクシアは2026年10月9日、ハイパースケールデータセンター向けSSD「KIOXIA LD4シリーズ」を開発したと発表した。15.36TBと30.72TBの評価用サンプルを限定顧客に出荷している。同社は最大122.88TBまでの大容量化を可能にするアーキテクチャを検証したとしている。
■1Uサーバー向けのE1.Lを採用
LD4は、第8世代BiCS FLASHのQLCフラッシュメモリを搭載するシングルポートのNVMe SSDだ。キオクシアは、高密度の1Uサーバーや読み出しの多いストレージ用途に向けて設計したとしている。米国法人のSSD事業責任者Neville Ichhaporia氏は、大容量と読み出し性能がAI関連のデータ保存需要を支えると説明した。
採用したE1.Lは、ストレージ業界団体SNIAの仕様「SFF-TA-1007」で定められた形状だ。LD4が使う厚さ9.5mmのタイプは、幅38.4mm、長さ318.75mm。長い筐体はNANDを載せる基板面積を確保し、1台当たりの容量を高める設計に役立つ。
SNIAはE1.Lを、1Uサーバーやストレージ装置でドライブおよびラック当たりの容量を高めるための形状と位置付けている。前面からの交換を想定したホットプラグ対応も特徴だ。オブジェクトストレージや大規模なデータ保管では、搭載可能な総容量に加え、電力や冷却を含むシステム全体の設計が重要になる。
■BiCS FLASH第8世代とQLCの仕組み
QLCはメモリセル1個に4ビットを記録し、16通りの状態を使い分ける。セル当たりの記録量を増やせる一方、書き込み耐久性や継続的な書き込み性能との兼ね合いがある。LD4が対象とする読み出し中心の用途では、必要な容量と更新頻度に合わせた評価が欠かせない。
第8世代BiCS FLASHには、メモリセルアレイと周辺CMOS回路を別々のウエハーで製造して貼り合わせるCBA技術が使われている。キオクシアによると、それぞれに適した工程条件を選べるため、記録密度と動作速度の向上に役立つ。同世代は218層の構造を採用する。
キオクシアが2024年に発表した第8世代BiCS FLASHのQLC製品には、1ダイ当たり2Tbのタイプがある。同社によると、このダイを16個積層すると、メモリの公称容量が4TBのパッケージになる。同社はこのQLC製品で3.6Gb/秒のNANDインターフェース速度を示している。これらはフラッシュメモリの仕様であり、LD4のドライブ容量や読み書き速度を示す数値とは区別する必要がある。
■接続仕様と調達時に見るべき数値
LD4についてキオクシアは、PCIe 5.0規格への準拠と、4レーンで最大16GT/sのインターフェース速度を併記している。転送速度はPCIe Gen 4 x4相当で、NVMe 2.0eにも準拠する。PCIe Gen 4 x4の理論上の片方向帯域幅は約7.9GB/sだが、これはLD4の実測読み出し速度ではない。
同社はLD4のシーケンシャル読み書き速度、ランダムアクセス性能、遅延、消費電力、書き込み耐久性を公表していない。容量当たりの電力や運用費を比較するには、こうした数値と実際の負荷に応じた性能を確認する必要がある。評価用サンプルは量産品と仕様が異なる場合がある。
QLC SSDでは、書き込みデータをいったんSLC方式で保持するキャッシュや、QLC領域へ直接書き込む方式などが使われる。サンディスクはUltraQLCで、SLCバッファを使わない「Direct Write QLC」を公表している。LD4の書き込み管理方式は公表されておらず、書き込みが集中する用途では性能仕様とともに確認したい項目だ。
LD4は、OCP Datacenter NVMe SSD Specification v2.6をサポートする。StorageReviewは、同製品がこの仕様の全要件を満たすわけではないと報じている。管理機能やテレメトリーなど、導入環境で必要な機能の対応範囲は個別の仕様確認が必要になる。
■既存製品との違いと今後の展示
キオクシアが2026年7月に発表した「KIOXIA NX1シリーズ」は、短いE1.S形状とPCIe 5.0を採用し、直接液冷にも対応する。大容量の「KIOXIA LC9シリーズ」はE3.Lなどの形状とデュアルポート構成を備え、最大245.76TBをラインアップする。LD4はE1.Lの長い基板とシングルポート構成を組み合わせ、読み出し中心の高密度な1Uサーバー向けという役割を担う。
大容量SSDでは、Micronが2026年5月に245.76TBの「6600 ION」をE3.LとU.2で出荷開始したと発表した。サンディスクもU.2型の256TB「UltraQLC」SSDを発表している。SK hynixは2026年の展示で122TBのE3.S製品や245TBのE3.L製品を紹介した。容量の比較には、発表、展示、評価用サンプル、出荷という段階の違いも関わる。
キオクシアは第10世代BiCS FLASHでも332層、2TbのQLCチップを発表している。第8世代にも2TbのQLC製品があるため、世代の更新だけでLD4の容量が倍増する計算にはならない。一方、記録密度や回路設計の改善は、今後の大容量化を考えるうえで注目される。
LD4は、10月12~15日に米カリフォルニア州サンノゼで開かれる「2026 OCP Global Summit」に展示される予定だ。主催するOpen Compute Projectによると、イベントの事前登録は定員に達した。LD4の大容量構成の投入時期や量産時期、詳しい性能仕様は今後の発表を待つことになる。
調査会社Mordor Intelligenceは2026年1月時点の分析で、EDSFF型SSDの市場が2031年まで年平均18.12%で成長すると予測した。SSD市場全体については、2025年の313億1000万ドル(約4兆9470億円、1ドル=158円換算)から2031年の764億1000万ドル(約12兆728億円、同)へ拡大するとの推計を示している。LD4の評価では、容量に加えて電力、性能、耐久性の数値が重要になる。
元記事: Kioxia LD4 Debuts at OCP Summit: BiCS8 CBA Architecture Validates 122.88 TB in E1.L
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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