韓国電力公社、サムスンとSKハイニックスに電気料金25兆ウォンの前払いで協議

2026年9月5日 00:37

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記事提供元:Tech Times

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韓国電力公社(KEPCO)が、サムスン電子とSKハイニックスに将来の電気料金の前払いを受け、その資金を半導体クラスターなどに電力を供給する送変電網の建設に充てる構想を進めている。韓国メディアによると、提案額はサムスン電子が20兆ウォン(約2兆3000億円)、SKハイニックスが5兆ウォンの計25兆ウォン(約2兆9000億円)で、2027年から2031年までの5年分に相当する。

KEPCOは9月3日、サムスン電子やSKハイニックスなど大口需要家に大規模な電気料金前払い制度を提案したことを明らかにした。一方、両社が参加するかどうかを含め、前払いの金額、対象期間、金利などの条件は確定していない。

■既存の前払い制度を大規模投資に活用

KEPCOには、顧客が電気料金をあらかじめ支払い、残高に応じて利息を受け取る制度がすでにある。2025年の前払額は約3900億ウォンで、その多くは政府機関などが支払いの利便性を高めるために利用したものだった。

今回の構想は、この制度を大口需要家向けに拡張し、大規模な送変電網の投資資金として活用するものだ。半導体工場やAIデータセンターの建設に伴って電力需要が増える一方、KEPCOは巨額の負債を抱えており、社債発行だけに依存しない資金調達手段を必要としている。

報道されている案では、サムスン電子とSKハイニックスが約1年をかけて前払金を分割で納め、KEPCOが2027年以降に発生する毎月の電気料金を残高から差し引く。残高には一定の利息を付け、現金で支払う代わりに、その後の電気料金から割り引く方式も検討されている。

適用金利については、韓国の2年物国債利回りを上回り、KEPCOの2年物社債利回りと同程度か、それを下回る水準が議論されている。KEPCO側には社債より低いコストで資金を確保できる可能性があり、企業側には国債を上回る利回りを得ながら、自社工場に必要な電力インフラの整備を後押しできる利点がある。

■5年間で25兆ウォンと試算

サムスン電子が2025年に支払った電気料金は約4兆1000億ウォン、SKハイニックスは約9000億ウォンだった。両社の年間支払額を合計すると約5兆ウォンとなり、これを基に2027年から2031年までの5年間分として約25兆ウォンが算出された。

内訳はサムスン電子が20兆ウォン、SKハイニックスが5兆ウォンと報じられている。ただし、KEPCOはこの金額を含む具体的な条件について、まだ確定していないと説明している。

両社にとっては、将来支払う電気料金を前倒しすることで、多額の資金を長期間固定することになる。特に20兆ウォンというサムスン電子への提案額は大きく、金利だけでなく、前払いの規模や支払時期も交渉上の重要な論点となっている。

■KEPCOの負債は210兆ウォン超

KEPCOと発電子会社を合わせた連結総負債は、2025年末の205兆6000億ウォンから、2026年6月末には210兆7000億ウォンへ増加した。借入金も同期間に129兆8000億ウォンから133兆3000億ウォンへ拡大した。

2026年上半期の連結売上高は46兆3173億ウォン、営業利益は4兆9127億ウォンだった。黒字は確保したものの、上半期だけで約2兆1000億ウォンの支払利息が発生しており、1日平均では約115億ウォンに相当する。

KEPCOの財務悪化には、国際的な燃料価格が上昇した時期にも、そのコストを電気料金へ十分に転嫁できなかったことが影響している。その後の料金改定や燃料価格の変化によって営業黒字へ戻ったが、過去に積み上がった負債と利払いの負担は残っている。

■2027年末に社債発行枠の特例が終了

KEPCOの資金調達を制約するもう一つの要因が、社債発行限度額をめぐる法律上の特例である。韓国では2022年末、KEPCOの社債発行限度額を資本金と積立金の合計額の2倍から5倍へ一時的に引き上げた。緊急時には所管大臣の承認を受けて6倍まで拡大できる。

この特例は2027年12月31日に終了する予定で、追加の法改正がなければ、2028年から原則となる2倍の枠へ戻る。KEPCOはすでに多額の社債残高を抱えているため、特例終了後には新規発行だけでなく、満期を迎える社債の借り換えにも影響が及ぶ可能性がある。

電気料金の前払いは、KEPCOにとって社債発行とは異なる形で現金を確保する手段となる。今回の構想には、送変電網への投資資金を確保するとともに、社債市場への依存を抑える狙いがある。

■半導体とAIで拡大する電力需要

前払金の主な使途として想定されているのは、京畿道の龍仁半導体クラスターや、韓国南西部の湖南地域で計画されている半導体関連施設、AIデータセンターなどに電力を供給する送電線と変電所の整備である。

韓国の電力需給計画には、半導体をはじめとする先端産業による最大電力需要の増加分として20.6ギガワット、データセンターによる増加分として7.9ギガワットが反映されている。こうした需要は一つの工場だけで発生するものではなく、複数の半導体クラスターやデータセンターなどを合計した見通しである。

KEPCOは従来の長期送変電設備計画で、2038年までに送電網へ72兆8000億ウォンを投じる方針を示していた。半導体クラスターやAIデータセンターの計画が加われば、必要な投資額はさらに膨らむ可能性がある。

大規模な発電設備があっても、必要な地域まで電気を運ぶ送電線と変電所が完成しなければ、工場への供給能力は確保できない。前払い制度は、電力を大量に使用する企業とKEPCOが、こうした設備の建設資金を早期に確保するための仕組みとして検討されている。

■資金の使途を限定する法改正案

韓国国会では、大規模な前払金を送電網の拡張など特定の事業に使用するための制度整備も進められている。共に民主党のパク・ジョン議員が代表発議した関連法案には、前払金の対象や利率、資金の使途に関する基準を設ける内容が含まれている。

前払いする企業にとっては、多額の資金が目的どおり送変電網の整備に使われることが重要になる。一方、KEPCOにとっても、前払いの対価として設定する金利が高すぎれば、将来の財務負担を増やす可能性がある。このため、特定企業への優遇と受け取られない制度設計を含め、条件の調整が必要となる。

KEPCOは今回の制度について、電力網の早期拡張を必要とする企業と、投資資金を必要とするKEPCOの双方の需要を補完する仕組みだと説明している。サムスン電子とSKハイニックスは提案内容を検討している段階で、25兆ウォンの前払いが実際に行われるかどうかは今後の協議に委ねられている。

元記事: Samsung and SK Hynix Asked to Prepay $18B in Power Bills to Fund Korea’s Chip Grid

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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