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NISA人気株JT、配当利回り3.9%―増配を支える円安と海外値上げ

JTの高配当が続くかを見るには値上げと為替の効き方を分けて考える必要がある。Photo by aoo3771 © 123RF.com[写真拡大]
JTは2026年12月期の年間配当予想を242円から272円へ引き上げた。8月21日の終値6,980円で計算した配当利回りは3.9%となる。楽天証券のNISA口座における国内株式保有残高ランキング(2026年7月分)で2位に入る銘柄である。増配を支えたのは海外での値上げと円安だが、高配当が続くかを見るには値上げと為替の効き方を分けて考える必要がある。
■業績上方修正を受けて30円増配
今回の増配は、利益の拡大を伴った株主還元だ。
継続事業ベースの1〜6月期の最終利益は、前年同期比28.9%増の4,318億円だった。なお、非継続事業を含む決算短信上の前年同期実績との比較では35.0%増となる。JTは通期の最終利益予想を6,440億円へ上方修正し、年間配当予想も引き上げた。
■増益1,380億円のうち為替は356億円
増配の原資がどこから来たかは、たばこ事業の増益要因を分解すると見える。
たばこ事業の調整後営業利益は、前年同期比1,380億円増の6,829億円だった。調整後営業利益とは、一時的な費用などを除き、本業の収益力を見やすくした数字である。値上げと商品構成の改善が1,542億円を押し上げ、為替が356億円を上乗せした。一方で販売数量が80億円分、Ploomへの投資強化やサプライチェーンコストの増加が438億円分、それぞれ利益を削っている。
JTはフィリピン、ロシア、トルコ、米国を中心に値上げが効いたと説明する。増益を最も大きく押し上げたのは値上げと商品構成の改善で、為替の押し上げは増益額の約4分の1に相当する。為替の影響を除いても、たばこ事業の調整後営業利益は18.8%増えている。
■配当維持の焦点は販売数量と円相場
配当の持続性を見るうえでは、紙巻きたばこの需要減少を値上げと加熱式たばこPloomでどこまで補えるかが重要になる。
JTの今期の配当性向見込みは75.2%である。配当性向とは、利益のうち配当に回す割合を指す。上期の総販売数量は1.0%増えたが、通期では前年比1%程度の減少から前年並みの範囲を見込む。
JTは130以上の国と地域でたばこ製品を販売し、上期はWinstonとCamelの販売が伸びた。紙巻きたばこの需要が縮む市場でも、値上げと市場シェアの拡大で収益を確保している。
伸びているのは、Ploomを含むRRPである。RRPとは、健康リスクを低減させる可能性があるとJTが位置づける製品群を指す。上期の販売数量は33.8%増え、JTは加熱式たばこを戦略上の最優先投資対象としている。
円高に転じたとき、値上げとPloomの成長で年間272円を保てるかが、次の焦点となる。(記事:中村葵・記事一覧を見る)
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