シナネンホールディングス、27年3月期大幅増収増益予想、1Q大幅増益・自己株式取得と消却も、株価は一気に高値更新

2026年8月19日 07:43

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 シナネンホールディングス<8132>(東証プライム)は事業ポートフォリオを変革し、リテールサービス戦略強化を軸にエネルギー会社からサービス会社への進化を目指している。そして27年3月期は大幅増収増益予想としている。エネルギー事業、メンテナンス事業、モビリティ事業とも好調に推移する見込みだ。第1四半期は大幅増益と順調だった。エネルギー事業における価格上昇や採算重視の販売が牽引した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。また自己株式取得・消却も発表した。株価は直近安値圏から急反発して一気に高値を更新した。好業績や自己株式取得・消却を好感した形だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■エネルギー会社からサービス会社への進化を目指す

 同社は事業ポートフォリオを変革し、リテールサービス戦略強化を軸にエネルギー会社からサービス会社への進化を目指している。また27年4月に創業100周年を迎えるにあたり、26年4月にグループの経営理念であるMission・Vision・Value(MVV)を刷新し、26年7月には新たなグループロゴを制定した。

 26年4月1日付で主力事業会社の再編を実施した。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)を展開するミライフ西日本、ミライフ、ミライフ東日本(ミライフ北海道を含む)、およびエネルギーソリューション事業(BtoB事業)を展開するシナネンの4社を統合し、新シナネンが発足した。またシナネンはホームファシリティ事業をシナネンアクシアに吸収分割した。ミライフは電力事業、建設業工事、不動産仲介事業を除く全ての事業をシナネンに吸収分割した後、電力事業および建設事業等を行う会社として商号をシナネンエナジーテックに変更(26年度中にシナネンの子会社とする予定)した。また不動産仲介事業をシナネンアクシアへ移管した。

 26年3月には廃棄物処理事業等を展開するシナネンエコワークの全株式を、KPPグループホールディングスの連結子会社である国際紙パルプ商事に譲渡した。26年4月には空調設備工事等を展開するシナネンファシリティーズの全株式を、ユアサ商事の連結子会社であるユアサクオビスに譲渡した。シナネンファシリティーズが行っている環境事業についてはシナネンに吸収分割した。

 事業ポートフォリオ変革に伴って27年3月期より、セグメント区分を従来のエネルギー関連のエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)、非エネルギー事業から、新たにエネルギー事業、メンテナンス事業、モビリティ事業、その他事業とした。

 旧セグメント区分による26年3月期のセグメント別業績(外部顧客への売上高、全社費用等調整前営業利益)は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高が712億27百万円で営業利益が13億37百万円、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高が2044億76百万円で営業利益が15億66百万円、非エネルギー事業の売上高が228億39百万円で営業利益が10億62百万円だった。なお収益特性として、LPガスや灯油の販売は冬場が需要期となるため、収益は下期(特に第4四半期)に偏重する季節特性がある。また売上高は原油価格変動と相関関係が強い。

■エネルギー事業

 エネルギー事業(従来のBtoC事業およびBtoB事業の4社を統合した新シナネン、国内LPガス・電力小売事業者向け顧客管理システムなどITシステム事業のミノス)は、石油・ガス・電力の卸売・小売および住宅設備機器・ガス器具販売など周辺領域を展開し、エネルギーのベストミックスを提供する。重点戦略として顧客数の拡大のほか、住まいと暮らし事業における高付加価値サービスの拡充などにより高収益化を推進する。26年2月にはミノスが、CARRO JAPAN(ソフトバンクとTrusty Carsの合弁会社)と、LPガス事業者および関連企業に向けた「GX貢献サービス」の企画・展開に関する共同検討を開始した。また26年6月にはLPガス販売事業のEスマートエナジーを株式交換によって完全子会社化した。

■メンテナンス事業

 メンテナンス事業は、シナネンアクシアがビル・・商業施設・斎場・病院・集合住宅等の管理・清掃サービスなど総合建物メンテナンス事業を展開し、ワンストップサービスによる安定収益の確保と利益率の向上を推進している。26年7月にはシナネンアクシアが、自治体向け火葬炉修繕・改修工事および斎場施設運営事業を展開する高砂炉材工業の全株式を取得して子会社化した。

■モビリティ事業

 モビリティ事業は、シナネンサイクルが自転車小売店舗「ダイシャリン」および自転車卸売の自転車販売事業、シナネンモビリティPLUSがシェアサイクル「ダイチャリ」事業を展開している。小売店舗「ダイシャリン」は26年3月期末時点で36店舗を展開している。シェアサイクル「ダイチャリ」はOpenStreetが提供するシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を活用して、首都圏1都3県および観光地を中心に展開している。26年3月期末時点のステーション数は全国約3000カ所、設置自転車数は約1.6万台で、国内有数の規模となっている。

■その他事業

 その他事業としては、シナネンゼオミックが銀系無機抗菌剤ゼオライト製造・販売の抗菌事業を展開している。

■創業100周年の28年3月期にROE8%以上を目指す

 第3次中期経営計画(24年3月期~28年3月期)では「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループ」を目指し、財務目標として、創業100周年(1927年4月創業)となる最終年度28年3月期にROE8%以上、経常利益100億円を掲げている。株主還元は配当性向30%を目安に、1株当たり年間配当75円を下限とした安定配当を維持し、さらに中期的には配当性向40%への引き上げを目指す。

 また非財務目標として、脱炭素社会に対応した事業構造への転換、社員の市場価値の向上を掲げている。脱炭素社会に対応した事業構造への転換では、炭素生産性指標を「売上総利益/GHG排出量」と定め、17年3月期実績2.44に対して28年3月期の目標を2.60としている。より少ないGHG排出量でより多くの利益を創出し、脱炭素社会に対応した事業構造への転換を目指す。具体的な取組として全事業における売上総利益率の改善、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減、バイオエタノール・SAF等の燃料の供給、高効率給湯器等の販売、再生可能エネルギー事業の拡大、再生可能エネルギー電源の調達・供給割合の増加を推進する。社員の市場価値の向上は、会社の企業価値の向上という好循環につなげるため、教育投資や職場環境整備によりエンゲージメント指数の向上(23年3月期実績3.3点、28年3月期目標4.0点以上)などを推進する。

 ビジョンの実現に向けた基本戦略としては、成長戦略として事業ポートフォリオの変革、資本効率の改善、経営基盤強化戦略として風土改革・働き方改革のさらなる推進、人財育成の推進や人財適正配置の実現、業務効率化・標準化による生産性向上、グループ経営体制の強化を推進する。既存事業のオーガニック成長に加えて、M&Aも活用して脱炭素社会に寄与する新規事業(再生可能エネルギー、廃棄物資源化、環境負荷が低い新燃料製造・供給、住宅・建物の脱炭素化)で、さらなる成長・収益性向上を図る方針だ。

 事業ポートフォリオの変革では、国内事業基盤再整備およびリテールサービス戦略強化を成長戦略の軸に据え、成長性や収益性の低い事業の撤退・売却を推進する。なお新規領域ではプレミアウォーター社と業務提携して宅配水事業に参入する。28年3月期までの事業ポートフォリオ変革投資額は500億円規模の計画(大型M&Aは別枠)としている。

 国内事業基盤再整備では、グループ事業の連携・融合により高品質サービスを提供する体制の構築を目指す。具体的にはグループ事業(特に総合建物メンテナンス事業とLPガス事業)を融合させた顧客基盤の構築とメリハリの効いた地域戦略の実行、LPガス・石油(軽油・灯油)の物流網を活かした広域同業他社との協業推進、グループのメンテナンス事業網の全国展開と高品質サービスの提供、既存事業の選択と集中などを推進する。リテールサービス戦略強化では、エネルギー会社からサービス会社へと意識を変革し、エリアに適したサービスの提供により、それぞれのエリアにおける生涯顧客の獲得を目指す。また新規事業の創出では、脱炭素・再生可能エネルギー事業を中心に、季節に依存しない事業への取組を強化し、新たな収益源の創出を目指す。

■サステナビリティ経営

 サステナビリティ経営関連では、持続可能な社会の実現に向けて20年10月より森の豊かさを守る「シナネンあかりの森プロジェクト」に取り組んでいるほか、22年5月にサステナビリティ基本方針を策定してサステナビリティ推進委員会を設置した。22年6月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に対する賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに参画した。25年10月にはミライフが東京都とグリーン水素等の国際サプライチェーン構築に向けた共同検討に関する協定書を締結した。

 また風土改革と働き方改革の一環として、23年4月には副業制度、70歳までの再雇用制度、育児休業中の学習支援、自己都合退職者再雇用制度、治療と仕事の両立支援という5つの人事制度を新たに導入、24年4月には社内ベンチャー制度、ベビーシッター割引券配布制度、ウェルネス休暇制度、短時間勤務制度の拡充という4つの人事制度を新たに導入した。25年3月には同社およびグループ5社が、経済産業省と日本健康会議が選出する「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定された。

 26年7月にはシナネンが、社会福祉法人横浜市都筑区社会福祉協議会と「災害時等における施設利用の協力に関する協定」を締結した。また同社とシナネンモビリティPLUSは、26年7月に品川区で開催された「Shinagawa LIGA.i ブラインドサッカー®トップリーグ2026第1節」(主催:NPO法人日本ブラインドサッカー協会、特別共催:品川区)にスポンサーとして協賛した。

■27年3月期大幅増益予想で1Q大幅増益と順調

 27年3月期の連結業績予想は売上高が前期比12.0%増の3345億円、営業利益が45.3%増の64億円、経常利益が22.6%増の66億円、親会社株主帰属当期純利益が17.2%増の52億円としている。配当予想は前期と同額の120円(期末一括)としている。予想配当性向は25.0%である。配当方針については27年3月期より変更し、総還元性向40%以上を目安に累進配当を導入する。また定款変更により毎年9月30日を中間配当の基準日として設定した。中間配当の実施については改めて公表する。

 なお27年3月期よりセグメント区分を変更し、エネルギー事業(従来のBtoC事業とBtoB事業を統合、事業会社はシナネン、ミノス)、メンテナンス事業(総合建物メンテナンス事業、事業会社はシナネンアクシア)、モビリティ事業(自転車販売事業とシェアサイクル「ダイチャリ」事業、事業会社はシナネンサイクルとシナネンモビリティPLUS)、その他(シナネンゼオミックの抗菌事業)とした。

 第1四半期は売上高が前年同期比14.6%増の723億81百万円、営業利益が63.1%増の11億84百万円、経常利益が64.2%増の16億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が151.3%増の12億73百万円だった。

 エネルギー事業における採算重視の販売などにより大幅増益だった。なお営業外ではデリバティブ利益が1億37百万円増加(前期は18百万円、当期は1億55百万円)した。特別利益では子会社(シナネンファシリティーズ)株式売却益4億23百万円、特別損失では統合関連費用91百万円を計上した。

 エネルギー事業は売上高(外部顧客への売上高)が16.2%増の671億77百万円、営業利益(全社費用等調整前)が82.6%増の10億46百万円だった。大幅増収増益だった。石油類とガスは、原油価格およびプロパンCP価格が前年同期を上回る水準で推移し、販売数量が減少したものの、安定供給と採算性を重視した販売により総利益単価が上昇して増益だった。電力については相対取引の増加により販売数量が増加したが、利幅が縮小して減益だった。システム事業は安定的に推移した。

 メンテナンス事業は売上高が14.6%増の28億25百万円、営業利益が2.1倍の88百万円だった。部材価格や人件費の上昇によりコストが増加したが、ビルメンテナンス事業における新規受託案件の増加、居住用建物メンテナンス事業における受注件数の増加、ホームファシリティ事業における住宅設備関連商品の販売増加により大幅増収増益だった。

 モビリティ事業は売上高が2.7%減の18億57百万円、営業利益が76.1%減の29百万円だった。減収減益だった。自転車への交通反則通告制度の適用開始や天候要因の影響でシェアサイクル事業の利用件数が一時的に落ち込んだことに加え、運営・メンテナンスコストの増加も影響した。なおシェアサイクルの事業規模は99市区町村でステーション数3335カ所、設置自転車数1万7438台となった。

 通期の連結業績予想については前回予想(26年5月14日付の期初公表値)を据え置いて大幅増収増益予想としている。エネルギー事業はリテールサービス推進(顧客拡大)やコストコントロールなどにより9億円増益、メンテナンス事業は集合住宅のメンテナンス業務のエリア拡大や利益率の改善などにより5億円増益、モビリティ事業は運営品質の高度化と収益性の高いエリア展開加速などにより7億円増益を見込んでいる。第1四半期が大幅増益と順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は急反発して一気に高値更新

 26年8月10日付で自己株式取得(上限10万株または5億円、取得期間26年8月12日~27年1月31日)と、自己株式消却(消却株式数6万7700株、消却予定日26年8月31日)を発表した。

 株価は直近安値圏から急反発して一気に高値を更新した。好業績や自己株式取得・消却を好感した形だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月18日の終値は9050円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS480円12銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の120円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5535円81銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約1000億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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