三井住友FGが10月に2分割 個人投資家のメリットはどこにあるか

2026年8月18日 18:59

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“Sumitomo Mitsui” by Chris Gladis, CC BY-ND 2.0

“Sumitomo Mitsui” by Chris Gladis, CC BY-ND 2.0[写真拡大]

 三井住友フィナンシャルグループが2026年10月1日、1対2の株式分割を実施する。基準日は9月30日である。発表は5月13日で、東京証券取引所が約270社に分割を求めた7月28日より2カ月半早い。同社は2024年10月にも分割したが、株価は2.1倍になり、100株を買うのに必要な額は再び70万円近くに戻った。

■東証が7月に約270社へ分割を求めた

 東証は、100株買うのに必要な額を50万円未満にするのが望ましいと示している。2025年4月には、個人投資家から10万円台までの引下げを期待する声が多いことも明らかにした。2022年10月の要請以降、2026年6月末までに延べ762社が分割を決議している。50万円以上かかる会社は、なお約270社残る。

 直近1年間に分割を決議した276社のうち、約70%は、分割後に10万円台以下で買えるようにする狙いだった。東証が同時に公表した資料には、要請後に複数回分割した会社として三井住友FGが名指しで挙がっている。

■前回の分割では何が起きたか

 三井住友FGが1対3の株式分割を実施したのは2024年10月1日だった。分割実施から約1カ月後の同年10月末の終値は3,273円である。17日終値は6,918円で、2年弱で2.1倍になった。100株買うのに必要な額は32万7,300円から69万1,800円へ膨らみ、東証が引下げを求める50万円を再び上回った。

 株価を動かしたのは分割ではない。2026年3月期の経常利益は2兆3,033億円で、前期から34.0%増えた。金利の上昇と本業の稼ぎが買いを集めている。

■メリットは買いやすさ

 分割の前後で損得は生じない。株価の変動を考慮しなければ、今100株を買えば10月には200株になり、10月に同じ70万円を出しても200株になる。違うのは必要な資金だけで、今は約70万円、10月以降は半分で足りる。NISA口座で買っても、株数が増えたぶん非課税枠が戻るわけではない。

 メリットは買い手のすそ野が広がる点にある。同社は分割の目的に投資家層の拡大を挙げ、東証も個人が買える水準まで下げるよう求めてきた。必要な資金が半分になれば、70万円を用意できなかった個人にも手が届く。買い手が増えれば、需給面で株価の下支えになる。

 ただし必要な額が十分に下がるわけではない。東証が求める50万円は下回るが、個人投資家が期待する10万円台には届かない。前回の分割から2年弱で株価が2.1倍になったように、値上がりが続けばまた膨らむ。

 同社は9月30日を初回の基準日に株主優待を始めるが、条件は分割にあわせて変わる。2027年9月30日以降は、Vポイントの対象が100株以上から200株以上になる。1株の値段は半分になるが、優待に必要な金額は変わらない。特典の受け取りには三井住友銀行の「Olive」の契約も要り、株を持つだけでは受け取れない。(記事:中村葵・記事一覧を見る

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