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独NEURA、Bosch Rexrothの「ACTIVE Shuttle」事業を買収 フィジカルAI基盤へ統合

(Neura-robotics.com)[写真拡大]
人型ロボットや産業用ロボットを開発するドイツのニューラ・ロボティクス(NEURA Robotics)は、ドイツの産業機器メーカー、ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)の自律搬送ロボット「ACTIVE Shuttle」事業を取得すると発表した。子会社のNEURA Mobile Robotsが2026年10月1日付で事業を引き継ぎ、ACTIVE Shuttleのハードウェアとソフトウェア、既存顧客向けサービスを担う。
既存顧客には、ACTIVE Fleet ManagerとROKITナビゲーションソフトウェアを引き続き提供する。NEURAは今後、これらの技術をクラウドベースのロボティクスプラットフォーム「Neuraverse」から利用できるようにするとともに、ACTIVE Shuttleへ同社のAI機能やインターフェースを段階的に追加する計画だ。
■出資企業から事業を取得する異例の構図
今回の取引で注目されるのは、BoschがACTIVE Shuttle事業の譲渡元である一方、NEURAの出資者でもある点だ。Boschは、2026年6月10日に発表されたNEURAのシリーズCラウンドに、Tether、Qualcomm Technologies、Amazon、NVIDIA、imec.xpand、Schaeffler、欧州投資銀行などとともに参加している。
シリーズCの規模は最大14億ドル(約2,226億円、1ドル=159円換算)で、NEURAはフルスタックロボティクス企業として過去最大の資金調達だとしている。ただし、「最大14億ドル」の全額が無条件で確定しているわけではなく、CNBCは関係者の話として、一部がNEURAの業績に関するマイルストーンの達成を条件としていると報じた。
CNBCによると、今回の資金調達におけるNEURAの評価額は約70億ドル(約1兆1,130億円)とされる。ただし、これは匿名の関係者に基づく情報で、NEURAは評価額についてコメントしていない。
NEURAとBoschは2026年1月、ドイツでの人型ロボット開発と量産化に向けた技術・開発提携も発表している。両社はBoschの施設でセンサースーツを使用して実作業のデータを収集するほか、AIを活用した基盤ソフトウェアや機能ソフトウェア、ユーザーインターフェースを共同開発する方針を示していた。
今回の事業取得は、この資本・技術提携に続き、両社の関係を構内物流分野へ広げる動きとなる。
■ACTIVE Shuttleを支えるナビゲーションと群管理
ACTIVE Shuttleは、工場や倉庫内で小型荷物を載せた台車などを自律搬送するロボットだ。組立作業場への部品供給から、生産・物流工程における荷物の移動まで、さまざまな構内物流に利用できる。
Bosch Rexrothの製品資料によると、ACTIVE Shuttleは最大260キログラムの荷物を搬送できる。レーザーを利用したナビゲーションと3D障害物検知機能を備え、磁気テープや床面の反射板といった設備を追加せずに導入できる。初回稼働時には、走行を許可された経路の地図を作成する。
「ROKIT」はBosch Rexrothが展開するロボット向けソフトウェア群で、SLAMを利用したナビゲーション機能などを提供する。SLAMは、センサーから得た情報を使って、ロボットが自身の位置を推定しながら周囲の地図を作成する技術である。
ACTIVE Fleet Managerは、複数の搬送ロボットの運用を管理するためのソフトウェアだ。NEURAは、ACTIVE Fleet ManagerとROKITナビゲーションソフトウェアを、事業移行後もACTIVE Shuttleの構成要素として維持すると説明している。
Bosch Rexrothは、ACTIVE Shuttleが業界標準のインターフェース「VDA 5050」に対応していることも公表している。VDA 5050は、異なるメーカーの自律搬送ロボットや無人搬送車と、上位のフリート管理システムとの通信を標準化するための仕様だ。この対応により、ACTIVE Shuttleを他社製の車両と同じ管理システムの下で運用することも可能になる。
NEURA Mobile RobotsはACTIVE Shuttleのハードウェアとソフトウェアを引き継ぐが、発表ではROKITそのものの知的財産権や事業全体を取得するとは説明していない。このため、今回の取引は、ACTIVE Shuttleで使用されるナビゲーションおよびフリート管理技術をNEURAの製品基盤へ取り込むものと位置づけるのが適切だ。
NEURAの創業者兼CEOであるDavid Reger氏は発表で、次のように述べている。「欧州にはロボティクスと産業分野に関する非常に豊富なノウハウがある。私たちの役割は、これらの技術を結び付け、より大きなものへ発展させることだ。目標は、搬送ロボット、産業用ロボット、人型ロボットが共通のインフラ上で連携できる、オープンなエコシステムを構築することである」
■異なる種類のロボットを共通基盤で接続
NEURA Roboticsは2019年にDavid Reger氏がドイツ・メッツィンゲンで設立した。現在は産業用協働ロボット「LARA」、認知型協働ロボット「MAiRA」、自律搬送プラットフォーム「MAV」、サービスロボット「MiPA」、人型ロボット「4NE1」などを展開している。
同社が構築を進めるNeuraverseは、ロボット、開発者、企業をクラウド上で接続するプラットフォームだ。NEURAは、異なる形状や用途のロボットが、学習した技能やデータを共有するエコシステムとしてNeuraverseを位置づけている。
ACTIVE Shuttleについても、将来的にはナビゲーションやフリート管理に関する技術をソフトウェアおよびハードウェアのツールとしてNeuraverse経由で利用できるようにし、NEURAのほかのロボティクス用途にも展開する計画だ。
NEURAは2025年、ハンブルクを拠点とする無人搬送システム企業ek roboticsの事業を取得し、NEURA Mobile Robotsとして再編した。ACTIVE Shuttleの取得により、同子会社が扱う自律搬送ロボットと構内物流向けソリューションの範囲はさらに広がる。
NEURAが2026年6月に発表したシリーズCの資料によると、同社の受注残と戦略的導入案件は合計10億ドル(約1,590億円)を超える。調達資金は、認知型ロボットと人型ロボットの世界展開、Neuraverseの拡張、ロボットの訓練施設「NEURA Gym」の展開、生産・導入基盤の拡大などに充てられる予定だ。
NEURA Mobile RobotsのマネージングディレクターであるAndreas Lindemann氏は、既存のACTIVE Shuttle顧客へのサービス継続を最優先すると説明している。その上で、NEURAグループのAI技術とソフトウェア機能をACTIVE Shuttleへ段階的に加えていく方針を示した。
■急拡大するロボティクス投資と構内物流市場
今回の事業取得の背景には、AIを物理空間で動作する機械へ組み込む「フィジカルAI」への投資拡大がある。
Crunchbaseの集計によると、世界のロボティクス関連スタートアップが2026年初めから6月下旬までに調達した資金は188億ドル(約2兆9,892億円)に達した。これは2025年通年の150億ドル(約2兆3,850億円)を約25%上回り、それまでの年間最高額だった2021年の141億ドルも超える。
また、CNBCが引用したDealroomのより広い集計では、ロボティクスおよびフィジカルAI企業による2026年の調達額は6月時点で558億ドル(約8兆8,722億円)となり、前年の年間記録の2倍近くに達した。CrunchbaseとDealroomでは集計対象の範囲が異なるため、両者の金額は直接比較できない。
ACTIVE Shuttleが対象とする構内物流は、工場や倉庫、配送センターなどの施設内で、部品や製品を移動・保管する業務を指す。自律搬送ロボットは、固定された搬送設備と比べて経路や台数を変更しやすく、生産工程や荷物量の変化に対応しやすいという特徴がある。
Grand View Researchは、世界の自律搬送ロボット市場を2025年の約47億ドル(約7,473億円)から、2026年には約55億ドル(約8,745億円)へ拡大すると予測している。2026年から2033年までの年平均成長率は14.4%で、2033年には約140億ドルへ達する見通しだ。
人型ロボットも、将来的な構内物流の担い手の一つとして注目されている。Gartnerは2024年、2027年までに新たに販売される構内物流向けスマートロボットの10%を、次世代の人型作業ロボットが占めるとの予測を示した。ただし、これは市場の将来に関する予測であり、人型ロボットが現時点で構内物流に広く普及していることを示すものではない。
NEURAは、従来型の自律搬送ロボットから産業用ロボット、人型ロボットまでを共通のフィジカルAI基盤へ接続する構想を掲げている。ACTIVE Shuttleの取得は、すでに産業現場で使われている搬送プラットフォームをその構想へ加え、構内物流におけるロボット間連携を強化する取り組みとなる。
事業の引き継ぎは2026年10月1日付で実施され、Bosch RexrothとNEURA Mobile Robotsが共同で移行を進める。NEURA Mobile Robotsはハンブルク、ロイトリンゲン、ミラノ、プラハ、バッキンガムに拠点を置いている。取引金額は発表されていない。
■注目ポイントQ&A
●NEURAはACTIVE Shuttleの取得によって、機体以外に何を引き継ぎますか?
NEURA Mobile Robotsは、ACTIVE Shuttleのハードウェアとソフトウェア、既存顧客向けサービスを引き継ぎます。ACTIVE Fleet ManagerとROKITナビゲーションソフトウェアも、引き続きACTIVE Shuttleの構成要素として提供されます。将来的には、関連するナビゲーションおよびフリート管理技術をNeuraverseから利用できるようにする計画です。
●BoschはNEURAとどのような関係にありますか?
Boschは、NEURAが2026年6月に発表した最大14億ドルのシリーズCラウンドに参加した投資家の一社です。両社は同年1月にも、人型ロボットの開発と量産化に向けた技術・開発提携を発表しています。今回の事業取得により、両社の関係は構内物流分野にも広がります。
●NEURAの事業取得は、工場自動化の将来像について何を示していますか?
NEURAは、産業用協働ロボット、自律搬送ロボット、サービスロボット、人型ロボットなどをNeuraverseへ接続し、共通の基盤上で学習や連携を可能にする構想を掲げています。ACTIVE Shuttleは、工場や倉庫内の搬送を担うプラットフォームとして、このエコシステムに加わることになります。
●既存のACTIVE Shuttle顧客へのサポートは2026年10月1日以降どうなりますか?
NEURA Mobile Robotsが既存設備のサービスとサポートを担当します。ACTIVE Fleet ManagerとROKITナビゲーションソフトウェアも引き続き提供されます。Bosch RexrothとNEURA Mobile Robotsは、サービスを継続できるよう共同で引き継ぎを進めています。
元記事: NEURA Acquires Bosch Rexroth ACTIVE Shuttle to Build Unified Physical-AI Stack
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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