アルコニックス、27年3月期増収増益・連続増配予想、装置材料・金属加工が好調

2026年6月16日 07:54

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アルコニックス<3036>(東証プライム)は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売までをONE-STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。成長投資と株主還元を両立して資本効率の最大化を目指す方針としている。27年3月期は増収増益・連続増配予想としている。製造(装置材料、金属加工)が好調に推移する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り下げて年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。高配当利回りも評価材料であり、出直りを期待したい。

■非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー

 同社は商社機能と製造機能を併せ持ち、M&Aも積極活用しながら、非鉄金属の素材・部品・製品の生産から卸売までをONE-STOPで提供する「非鉄金属等の総合ソリューションプロバイダー」である。

 報告セグメント区分は、商社流通の電子機能材事業(EV/FCV部品材料、車載電池用材料、半導体各種材料、携帯機器端末部品材料、IT機器部品材料、各種電池材料、レアメタル、ニッケルなど)、商社流通のアルミ銅事業(電装部品、自動車構成部材、リードフレーム用銅条、コネクタ部品、プリント基板部品、建築資材、電気設備部品、アルミ缶材、熱交換器用素材、医療向けチタン展伸材、空調機器向けアルミ圧延品・伸銅品など)、製造の装置材料事業(自動車構成部材用めっき材料、金型用溶接材料、ブレーキパッド用カシュー樹脂、自動車生産ライン向け非破壊検査装置/化成品、電装部品用モーター部品、半導体用めっき材料、電波吸収体、マーキング装置、電気設備部品など)、製造の金属加工事業(自動車パワートレイン向け部品、EV車載電池向け部品、自動車試作部品、製造・実装装置向け部品、コネクタ端子部品、航空機用部品、空調機器向け部品など)である。

 事業分野別の主要グループ会社(26年3月期末時点)は、電子機能材事業はアドバンストマテリアルジャパン、ANDEX、アルミ銅事業は林金属、アルコニックス・三高、アルミ銅センター、平和金属、装置材料事業はUnivertical HD、東海溶業、マークテック、富士カーボン製造所、金属加工事業は大川電機製作所、大羽精研、富士プレス、FUJI ALCONIX Mexico、富士根産業、ジュピター工業、ソーデナガノ、坂本電機製作所である。

 なお富士カーボン製造所で進めている中国拠点再編を含む事業構造改革の一環として、26年12月(予定)に富士カーボン製造所の中国拠点である連結子会社の富士碳素(昆山)有限公司を閉鎖し、その生産を同じく中国拠点の富士碳素製造(広州)有限公司ほかへ移管する。またインドにおける事業展開の加速に向けて、25年12月に千代田空調機器とインドのチャンナイに空調・冷凍機器用部品の開発・製造・販売を行う合弁会社(同社出資比率10%)を設立した。さらに26年5月にはインドのグルグラムに同社のインド現地法人を設立した。

 26年2月には、商社流通のアルミ銅事業セグメントに属する4社(林金属、アルコニックス・三高、平和金属、ACメタルズ)について、27年4月1日付で統合する検討および準備の開始を発表した。4社のうち1社を存続会社とする吸収合併の方式を想定している。

 26年3月期のセグメント別経常利益(セグメント間取引消去前)は、商社流通が28億09百万円(内訳は電子機能材が28億75百万円、アルミ銅が65百万円の損失)で、製造が61億12百万円(内訳は装置材料が14億82百万円、金属加工が46億30百万円)だった。製造が収益柱に成長している。

 ベンチャー投資としては21年12月に、投資事業(アルコニックスグローバルイノベーション投資事業有限責任組合、21年8月設立の子会社アルコニックスベンチャーズが運用)を開始した。先端材料・高成長事業および素材・モノづくりに関連のあるベンチャー企業または事業を投資先として成長支援し、投資先が生み出すアイデアや技術を取り込んで新規事業開拓と更なる業容拡大を目指す。25年3月末期時点で投資実績は9件となっている。26年2月には核融合スタートアップのMiRESSOへ出資した。MiRESSOが推進する低温精製技術を用いたベリリウムの製造販売事業ならびに鉱物資源の精製に関する技術プラットフォーム事業の社会実装を支援する。26年3月には、23年12月に出資した東大発の次世代化合物半導体ベンチャーGaianixxに追加出資した。Gaianixx製品が2社に製品認定されるなど本格的な商用化フェーズに入ったため海外拡販など社会実装を支援する。

■「長期経営計画2030」

 25年5月に策定した長期経営計画2030では、数値目標に最終年度31年3月期の経常利益150億円以上、ROIC8%以上、ROE12%以上を掲げている。

 事業戦略としては、注力分野(半導体・自動車・リサイクル)を再整理し、市場拡大が期待できる領域「勝ち筋」とグループが提供する価値「ソリューション」のマトリックスをグループで共有し、勝ち筋とソリューションが交わるエリア(ホットスポット)で、今後のグループ付加価値増大に寄与しうる事業に注力するとともに、新たな勝ち筋とソリューションを開拓する。具体的なグループアクションプランとして、リサイクルセンターの拡張・全国展開による循環社会の実現、半導体関連領域におけるテック素材・装置部材等のグループ内コラボレーションによる製品化と社会実装の実現、モビリティ・次世代エネルギーに跨る電動化領域でのハイテク素材・部材等の開発・製品化とグループ内バリューチェーンの構築、医療領域での最新生体適合素材開発や医療ロボット用精密加工部品・器具など高度医療分野への展開を推進する。

 26年4月にはリサイクル施設の建設を目的として埼玉県羽生市の土地取得を発表した。今後のスケジュールとして26年4~5月建設工事着工予定、26年度内建設工事完成予定としている。長期経営計画2030のグループアクションである「リサイクルセンターの拡張・全国展開による循環社会の実現」を推し進め、非鉄金属リサイクル事業における国内トップクラスの集荷量の実現を目指す。

 財務戦略については、成長投資と株主還元を両立し、資本効率の最大化を目指す。株主還元についてはDOE(株主資本配当率)の目標を従来の3%から4%に引き上げた。

 サステナビリティ経営に関しては、23年7月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明、23年8月に内部統制システム基本方針を改定、26年3月に経済産業省が定める健康経営優良法人認定制度に基づき、3年連続で健康経営優良法人2026(大規模法人部門)に認定された。また温室効果ガス(GHG)排出量削減目標および削減計画を策定した。なお26年6月24日開催予定の第45回定時株主総会での承認を条件として、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する。

■27年3月期増収増益・連続増配予想

 27年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比7.0%増の2350億円、営業利益が9.8%増の107億円、経常利益が11.8%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が17.9%増の66億円としている。配当予想は前期比3円増配の90円(第2四半期末45円、期末45円)としている。連続増配で予想配当性向は40.9%となる。

 セグメント別計画として、商社流通は売上高が0.3%減の1300億円で経常利益が11.0%減の25億円としている。内訳は電子機能材の売上高が12.0%減の350億円で経常利益が30.4%減の20億円、アルミ銅の売上高が4.9%増の950億円で経常利益が5億円(前期は65百万円の損失)である。製造は売上高が17.5%増の1050億円で経常利益が22.7%増の75億円としている。内訳は装置材料の売上高が26.0%増の610億円で経常利益が68.7%増の25億円、金属加工の売上高が7.5%増の440億円で経常利益が8.0%増の50億円である。

 セグメント別の見通しとして、商社流通(電子機能材、アルミ銅)は新規商圏開拓やリサイクル事業の地歩を固める1年と位置づけて減収減益、製造(装置材料、金属加工)は半導体・航空・宇宙・防衛関連を中心に需要を着実に取り込んで増収増益の見込みとしている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主還元はDOE4%以上、株主優待制度は3月末の株主対象

 株主還元については、長期経営計画2030においてDOEの目標を従来の3%から4%に引き上げた。また株主優待制度については、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて優待商品を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は水準を切り下げて年初来安値圏だが調整一巡感を強めている。高配当利回りも評価材料であり、出直りを期待したい。6月15日の終値は2429円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS219円95銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の90円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2635円52銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約756億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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