「地主」の順調なビジネス展開は、著名テナントの存在が支え

2026年3月3日 13:48

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 地主(3252、東証プライム、旧日本商業開発)。会社四季報は「スーパーやホスピスなどテナントの底地を投資家向けに売却・賃貸。私募REIT運用に強み」と記している。

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 まずは、そのビジネスモデルを確認しておく。4つのステップに分けられる。

 (I): 土地を買う。先々の転用可能性を基本に、土地投資を行う。人口動向/足元の商圏/道路付け/周辺環境を検証し実践。万が一「テナント退去」という事態が起こった場合に備え、「後継テナント誘致」「第三者への売却」が容易な土地を購入する。

 (II): 土地を貸す。建物は所有せずテナントと長期(20年~50年)の定期借地権契約を結び、長期の安定収益を確保する。建物はテナント負担で建設・所有・運営を行う。

 (III): 貸している土地を売る。安全な金融不動産商品として、地主リートなどに売却。四半世紀以上の実績を積み重ねているが主たる実績として、例えば食品スーパー最大手のライフ数カ所などが確認できる。

 (IV): 底地売却の受け皿:リート。特徴は「追加投資不要:土地のみの投資であり、上に立つ建屋の保守・修繕・改装はテナントが対応」。/「長期安定収益:長期の契約のもと建物はテナントが投資するため、退去リスクは低い」。/「資産価値は下がりづらい:テナントには更地返還の義務があり更地で返還されるため、資産価値が下がりづらい」。

 地主保有のテナント群には前記のライフの他、「西友、カインズなどのスーパー」「くら寿司など飲食チェーン」「出光などのGS」「神戸学院大学キャンパス等教育機関」「小さなお葬式など葬祭機関」「公的健診機関」「ルネサンスなどスポーツクラブ」etcが・・・

 こうした地主ビジネスは1992年の「借地借家法:改正」に押し出されたとされる。旧借地法下では「土地を貸すと返ってこない」という認識が強く、地主の抵抗が不動産投資において利用されることが強かった。

 それが「改正」で事業用定期借地権が制定されたことで、「あらかじめ決められた年数が経過すれば、貸した土地は更地で地主に返還される」ことが定められ、旧日本商業開発の事業は大きい歩みの契機を得た。

 地主の収益動向は12月期決算に移行した2021年12月期から、「売上高561億7700万円、営業利益54億7500、25円増配50円配」-「11.2%増収、17.1%増益、55円配」-「36.7%減収、4.0%減益、55円配/販売用不動産売却-いわば在庫調整」-「80.6%増収、41.0%増益、85円配」-「33.7%増収、0.8%減益、110円配」、そして今12月期は「31.0%増収(1000億円)、39.5%増益(120億円)」計画。

 本稿作成中の株価は3400円台入り口。IFIS目標平均株価3923円。ご判断は読者諸氏に・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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