【株式市場特集】2月末の権利取りで注目される高配当利回り株ランキング!明暗分かれる業績動向とは

2024年2月20日 14:08

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部】

■株式分割ラッシュで狙うべき6銘柄!業績上方修正や増配も見逃せない

 今週の当コラムは、そうした投資家向けに「あれもこれも」の試金石ともなるややテクニカル的な投資スタンスを提案することにした。

 2月相場もあと、残り8営業日である。この2月末に株式分割や配当の権利付き最終日を迎える銘柄の権利取りである。株式分割はいまやラッシュとなっており、現在市場の人気株の中心となっているトヨタ自動車<7203>(東証プライム)にしろ東京エレクトロン<8035>(東証プライム)にしろこの株式分割換算で実質的に上場来高値を更新し、SCREENホールディングス<7735>(東証プライム)に至っては、わずか1カ月超で分割権利落ち分を完全に埋め上値トライとなっている。2月末に株式分割を予定している銘柄は6銘柄である。しかし3月末は、47社が株式分割を予定しており、この前哨戦としても注目されよう。

 また2月27日に権利付き最終日を迎える2期決算会社の高配当利回りランキングの上位銘柄は、消費関連株、内需関連株が中心になる。新型コロナ感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)当時は、「ウイズ・コロナ」で業績を伸ばし、「アフター・コロナ」ではその反動で苦戦する銘柄の比率が高い。それでも業績を下方修正しても増配に踏み切る銘柄も含まれている。権利付き最終日まであと6営業日である。債券投資の所有期間利回り感覚で対応するのも、「あれもこれも」相場への試金石となりそうだ。

■株式分割の6銘柄には業績上方修正、増配、自己株式取得の上乗せも

 2月27日に権利付き最終日を迎える株式分割銘柄は、コード番号順にあげるとクオンタムソリューションズ<2338>(東証スタンダード)、セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東証プライム)、SANKYO<6417>(東証プライム)、ジェイリース<7187>(東証プライム)、壱番屋<7630>(東証プライム)、スギホールディングス<7649>(東証プライム)の6銘柄である。分割比率はSANKYOと壱番屋が1対5分割、クオンタムS、7&IHD、スギHDが1対3分割、ジェイリースが1対2分割となっている。

 このうちSANKYOは、株式分割と今3月期業績の上方修正、増配、自己株式消却を同時発表し、株価はその後、昨年来高値まで約7%高し高値もみ合いとなっているが、PERは7倍台、配当利回りは4.36%と権利取り妙味を示唆している。またスギHDは、株式分割と業績の上方修正を同時発表し、ジェイリースも、株式分割とともに配当方針を変更して年間80円への増配を発表し、配当利回りは3.21%、PERも13倍台とバリュー株妙味を内包している。壱番屋は、株式分割権利落ち後の3月1日に価格改定を実施予定であり、株価押し上げ効果を発揮しよう。異色なのはエヌビディア関連株人気で昨年来高値3500円まで買われたクオンタクSで、その後ネヌビディア製GPUサーバーの販売進展をリリースするたびに株価は下ぶれたが、21日のエヌビディアの決算動向次第で買いの目も出てくることになる。

■「業績上方修正で増配、下方修正でも増配」銘柄が交錯も下値は確認済み

 2月期決算会社の高配当利回り株ランキングのトップ10は、8月期決算会社で中間配当を予定している銘柄も含め高配当利回り順にあげると次の通りとなる。4.69%のグラファイトデザイン<7847>(東証スタンダード)以下、バロックジャパンリミテッド<3548>(東証プライム)、エーアイテイー<9381>(東証プライム)、リソー教育<4714>(東証プライム)、AVANTIA<8904>(東証スタンダード)、ヨンドシーホールディングス<8008>(東証プライム)、和田興産<8931>(東証スタンダード)、イオンフィナンシャルサービス<8570>(東証プライム)、ワキタ<8125>(東証プライム)、IDOM<7599>(東証プライム)と続き、第10位のIDOMDOの配当利回りの3.76%は、東証プライム市場の全銘柄平均の2.07%を上回る。

 この10銘柄の高利回り状況は、明暗さまざまである。和田興産は業績の上方修正とともに年間配当を50円から52円へ増配する一方、業績下方修正組では、ワキタが逆に同43円から62円に増配予定で、グラファイトD、バロックJ、エーアイティーが期初予想の配当を据え置く。またIDOMは、業績下方修正とともに配当も小幅減配した。こうした業績不調組は、すでに調整局面を経て下値を確認し出直り途上にある。また不動産関連株のAVANTIAと和田興産は、日本銀行の植田和男総裁が、ゼロ金利解除後も緩和的な金融環境を維持する発言した金融政策の恩恵を享受しPER8倍台、5倍台の割安修正が期待される。この2銘柄に加え4°CHD、IDOMは足元で昨年来高値を更新しており、配当権利取りがさらに上値追いをサポートしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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