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RobotHomeの収益好転は、古傷(不祥事)脱出と捉えてよいのか!?
2024年4月にはGINZA SIXへの本社移転を予定している。(画像: RobotHomeの発表資料より)[写真拡大]
こわいもの見たさ?で、Robot Home(東証プライム)を覗いてみた。手元の四季報の業績欄の見出しは、【大幅増益】。旧社名は、TATERU。
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TATERU時代の2018年に、不祥事が発覚した。古傷に塩を塗り込むつもりはないので、詳細は省くが・・・。
「TATERU」ブランドのアパート経営のプラットフォームを展開していた。「土地情報の提供から、アパートデザインの企画・施工・賃貸管理」までワンストップで提供。それなりの収益も残していた。が躓き(不祥事)の入り口は事業展開の第1歩。「アパートのオーナーになりたい」と考える投資家の、資金手当て(銀行融資)で起こった。
TATERUが顧客予備軍の預金通帳を改竄し、銀行の融資審査が通り易くしていた。当時の新聞を繰ると、「2015年7月以降336件の物件について組織ぐるみで改ざんを行っていたことが判明した」といった内容が記されている。結果、TATERUは1年間の業務停止命令を受け取締役の辞任や減給処置が執られた。
2019年/20年12月期の業績は「80億円の営業損失、100億円の最終損失/30億円の営業損失、50億円の最終損失」。
それが21年には「2億9900万円、3億7300万円の黒字、1円復配」、22年は会計基準変更で単純比較は難しいが数値を見る限り「32.5%増収、115.1%営業増益、92.4%最終増益、1円増配2円配」。そして今12月期は「56.8%増収(85億円)、31.7%営業増益営業増益(8億5000万円)、11.2%最終増益(8億円)」計画で立ち上がり、第1四半期は前年同期比「83.8%増収、60.1%営業増益、103.3%最終増益」で通過している。
TATERU⇒RobotHomeで、何がどう変わったのか。
「IoT賃貸経営プラットフォーム『ResidenceKit』の運営」と説明される。ホープページには「オーナー・入居者・管理会社すべての人のためにIoTを活用した新しい形の賃貸経営プラットフォーム」と記されている。
具体的には「for Owner」のアプリは物件情報(稼働率や空室サイトへのアクセス数)の確認が可能。「for Property Management」のアプリでは「契約情報管理・更新対象者の抽出・入金家賃管理・解約撤去清掃・決済明細」など、煩雑な遣り取りもシステム上で一元管理が可能。
経営の軸足を移した。では株価はどう反応しているのか。本稿作成中の時価は200円水準。2015年12月3日の(修正値水準の)上場初値315円から18年4月3日には2549円まで買い進まれている。が不祥事発覚後は100円台まで下落。投資妙味は覚えないが、収益好転の結果か信用取引の取組は大幅な買い長。さて、どう対応するべきか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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