米政府、頭足類を実験動物として使用する場合のガイドライン案

2023年10月9日 07:58

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記事提供元:スラド

米国立衛生研究所 (NIH) 実験動物福祉局 (OLAW) が頭足類の実験動物としての使用について、提案中のガイダンスに対する情報提供要請 (RFI)意見募集を行っている(Ars Technica の記事)。

タコやイカ、オウムガイなどを含む頭足類は侵害受容器や中央神経系など、痛みを感じるのに必要な生物学的メカニズムを持っていることを示すさまざまな証拠が示されている。また、頭足類は適応学習することや、侵害刺激に反応して行動を変えること、哺乳類のように麻酔薬へ反応することなども確認されている。タコの睡眠に人間のレム睡眠のような段階があることも話題となった。

このようなデータを認識して研究団体や監視組織は頭足類の実験動物としての福祉に関するガイドラインを策定しているが、米国ではまだ規制対象となっていない。既に多くの研究施設は頭足類を人道的に扱っているが、OLAW は正式な基準を設けることで頭足類の人道的扱いと 3R (Replacement・Reduction・Refinement: 代替・削減・回避できない非人道的手順の軽減) 原則の徹底を目指す。募集は 9 月上旬から行われており、12 月 22 日締め切りとなっている。 

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