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若者のフランクな日常表現:イギリス英語のスラング特集 (11)
今回もイギリスならではのスラングを紹介しよう。今回取り上げるのは、比較的インフォーマルで、若い世代を中心に使われているスラングである。
【前回は】会話で役立つ日常的な表現:イギリス英語のスラング特集 (10)
■Leg it
「leg it」とは、「急いでどこかへ行く」や「急いで逃げる」という意味のスラングだ。
イギリスでは子供や若者によって使われることの多い表現である。たとえば、いたずらをして逃げるような場面に適している。また、泥棒が警察から逃げるような場面も、「leg it」のニュアンスにふさわしいだろう。
起源について明確なことはわかっていないが、文字通り足を使うことに由来するのは間違いないと見てよい。交通手段が発達していなかった時代、急ぐには自分の足で歩いたり走ったりするよりほかなかった。そこから、「足を使って急ぐ」で、「leg it」が生まれたと推測される。
・The exam time is closing in, so I have to leg it to school.
(試験の時間が迫っているので、学校へ急いで行かないと)
・The hint of police coming made them leg it.
(警察が来る気配がしたので、彼らは足早に逃げた)
■Long
「long」の一般的な意味は説明するまでもないが、イギリスでは「長い」とはちょっと違う意味のスラングとして、特に子供や若者の間で使われることがある。
「long」とは、非常な努力や手間を要すること、また、その努力に値する結果が得られそうにないことを表すスラングだ。たとえば、「Cleaning the kitchen is long.」のように使う。
上記の例文を翻訳するなら、「キッチンの掃除は面倒だ」や「キッチンの掃除は手間がかかる」あたりになるだろう。ただ、単に面倒や手間がかかるというだけでなく、その仕事を完了するまでにとても長い時間がかかり、加えて、それほど時間と手間をかけたとしても、あまり綺麗になりそうにない、というニュアンスが含まれている。
「long」だから時間がかかることを表しているのは明らかだが、そのうえ、非常に厄介で時にイライラいさせるようなタスクを指すことが多い。
なお前述のように、このスラングの担い手はおもに子供や若者だ。大人が公的な場面で使うような表現ではない。前回紹介した「innit」を使うような人たちが、おもな担い手だと言えるだろう。
・Going to that party tonight? Nah, getting there is long, mate.
(今夜そのパーティーに行くの?いや~、行くのが面倒だよ)
・Doing all this homework is long, innit?
(この宿題全部やるの、めんどくさいんだよね、そうだろ?)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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