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発火したら消火が困難なEV車、運搬はどうする?
Photo: 2010年12月初代発売以降、発火事故とは一切無縁の日産リーフ (日産広報資料)[写真拡大]
ネット上では、昨今は珍しく無くなったEV車の発火事故。
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従来はせいぜい「事故を起こして3秒で発火し、ドライバーは逃げられずに助からなかった」とか、「無人のショールームで自然発火して、複数の展示車が燃えた」、「数台並んで駐車中のEVバスが発火して全て類焼した」、「モーターショー展示EV車が開催日の前日に展示台上で自然発火した」といった、「些細な?」事故ばかりだった。
しかし、今回は自動車運搬船で発火事故が起こり、1週間以上燃え続けたという。
●事故の規模は深刻だ
現代ビジネスによると、火災事故は7月26日未明、北海のオランダ沖で、3783台の車を積んだ自動車運搬船「フリーマントル・ハイウェイ」で発生。
この自動車専用の貨物船は、船主が愛媛県の正栄汽船、チャーターしたのが川崎汽船、船籍はパナマという。
積荷の3783台の中には498台のEVが含まれており、その1台から発火したと言われている。
以前から言われている通り、EV車が発火した場合には、消火が困難である。本件では、懸命の消火活動により火勢がだんだん鎮まったのは、1週間以上も燃え続けた後だったそうだ。
●国産車が関与しなくて幸いだった
この貨物船は、北ドイツのブレーマーハーフェンの港を出発し、最終目的地シンガポールへの経由地であるエジプトに向かう予定だったが、150kmほど西進し、オランダ領海を航海中に事故が起こった。
積み込み地から判断して、日本でしか生産していない国産EV車とは無関係だったのは朗報だ。
●国産EV車しか信用できない
永年に渡る実績を誇る国産EV車を見れば、例えば日産リーフの場合、2010年12月の初代発売から10年が経過した2020年12月時点で、グローバル累計販売台数が50万台となった。
その間、世界59の国と地域で、延べ180億キロ以上を走行して、バッテリー起因による火災事故は発生していない。
これに対して、初期のテスラがパナソニックの車載電池を使用していた時代には、全く無縁であった発火事故は、他国の生産する電池を採用したり、中国で車両生産する様になって以降、ネットの発火事故ニュースの常連になった。
筆者は、信頼と実績が伴わない他国銘柄の電池や、組み立て工場のレベルは、怖くて信用できない。
●EV車の消火
通常のガソリンエンジン車火災の場合、消火に必要とされる水の量は3.2トンとされるのに対し、EV車のリチウムイオン電池火災の場合、約22トンも必要としている。
そんなリチウムイオン電池を使うEV車を保有するには、発火した場合に類焼しないだけのスペースを確保して駐車しなければならないと、規定している国まである。
8月20日午後、厚木市のパチンコ店の立体駐車場での火災では、3916平方メートルが焼け、駐車中の152台が被災したが、この場合は火元の車はディーゼル車だった様だ。
自動車運搬船に積載する完成直後の自動車は、工場出荷時点で燃料は少量しか積んでいないが、日常使用中の車はもっと多量の燃料を積んでいる。
そんな条件下の通常の内燃機関車であるが、これ程消火に手間取るのだから、リチウムイオン電池搭載車ならどれ程の大事だったか計り知れない。
冒頭の自動車運搬車の火災事故をきっかけに、欧州ではEV車に対する見方も変わりつつある。
ノルウェーの海運業者が「今後EVは運ばない」と宣言し、「火災が起きることが怖いのでは無く、EVの火災は消火できないことが怖いから」と説明しているのが象徴的である。
●極端なEV車推しへの反省を
EV車は車載電池の関係で、同クラスの車体よりも2~300kg重くなり、立体駐車場の構造設計に影響が出ているそうだ。
また、EV車の数少ない優位点であるモーターの特性から来る、加速性能の関係で、ただでさえ重い車体によるタイヤ負荷と同時に、過剰トルクによる耐摩耗性も問題となり、高額なタイヤが必要となる。
税制面でも、道路に対する負荷は、一般的な内燃機関搭載車よりも過大であるにも拘わらず、「ガソリンを消費しない」為に、ガソリン税に含まれる道路関連の税金を全く負担せず、タダ乗りが現状である。
そんなEV車に「盗人に追い銭」で、補助金まで支給し、減税までしている。
もし優遇するなら、自宅にソーラー発電設備があり、それで発電した電気でのみ走行するEV車だけに限って、補助金支給し、ある程度の減税措置をとれば十分だ。
走行時にCO2を出さないと言うだけで、電力会社が発電時にCO2を代わりに排出しているEV車を推すことは、自国が技術的に劣る為に、自動車に関する「土俵とルール」を無理やり転換することを謀った中国を利するだけであろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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