星光PMCは23年12月期2Q累計減収減益、通期営業増益予想据え置き

2023年8月10日 15:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  星光PMC<4963>(東証プライム)は8月8日の取引時間中に23年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、国内外の軟調な需要環境に伴う販売数量の減少などで減収減益だった。通期の増収・営業増益予想は据え置いた。第2四半期累計の売上高と営業利益の進捗率は低水準の形だが、積極的な事業展開で下期の挽回を期待したい。株価は戻り一服となってモミ合う形だ。ただし第2四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的だった。1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年12月期2Q累計減収減益、通期営業増益予想据え置き

 23年12月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比3.8%減の153億28百万円、営業利益が35.3%減の7億24百万円、経常利益が30.1%減の12億19百万円、親会社株主帰属四半期純利益が27.9%減の9億41百万円だった。

 原料価格上昇に対応して製品価格への転嫁を進めたが、国内外の軟調な需要環境に伴う販売数量の減少などで減収減益だった。営業外収益では、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによって為替差益が減少(前年同期は4億90百万円計上、当期は3億59百万円計上)した。

 製紙用薬品事業は売上高が5.8%増の97億67百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が0.6%減の4億38百万円だった。売上面は、国内が需要減少の影響を受けたが、中国・東南アジアでの拡販、原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁などで増収だったが、利益面はベトナム子会社の償却負担増の影響で減益だった。

 樹脂事業は売上高が15.3%減の29億93百万円、利益が92.9%減の12百万円だった。原料価格上昇に対応した製品価格への転嫁を進めたが、国内の印刷インキ用樹脂の需要減少、中国の景気回復遅れに伴う粘着剤の需要減少などで販売数量が減少した。

 化成品事業は売上高が19.1%減の25億68百万円、利益が34.1%減の4億49百万円だった。欧米の景気減速の影響で主力製品の輸出数量が減少し、原材料価格上昇なども影響した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が74億57百万円で営業利益が3億11百万円、第2四半期は売上高が78億71百万円で営業利益が4億13百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年12月期比8.8%増の352億80百万円、営業利益が6.7%増の20億10百万円、経常利益が9.8%減の21億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.9%減の15億50百万円としている。配当予想は22年12月期と同額の16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 差別化製品の市場投入を積極推進し、原材料価格高騰に対して遅れていた製品価格への転嫁が進展して、増収・営業増益通期予想としている。EBITDA(営業利益+減価償却費)については18.4%増の39億30百万円の計画で、過去最高だった21年12月期の41億59百万円に近い水準まで回復する見込みとしている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については為替差益等を見込まず減益予想としている。

 製紙用薬品事業の計画は、売上高が9.1%増の218億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が47.3%増の12億20百万円、EBITDAが29.6%増の21億20百万円としている。差別化製品拡販と価格転嫁効果に加えて、前期後半に本格稼働したベトナム子会社が1年を通じて安定稼働することも寄与する見込みだ。

 樹脂事業の計画は、売上高が10.5%増の76億10百万円、セグメント利益が30.1%増の4億60百万円、EBITDAが22.0%増の8億70百万円としている。製品価格への転嫁に加えて、中国を中心とする粘着剤の拡販、水性インキ用樹脂ラインナップ拡充やUV硬化型粘着剤拡販など製品ポートフォリオ転換を推進する。

 化成品事業の計画は、売上高が5.9%増の58億20百万円、セグメント利益が32.0%減の7億10百万円、EBITDAが0.7%増の12億70百万円としている。生産性改善を目的とした大型設備投資に伴う減価償却費の増加が一時的な減益要因となるが、機能性モノマーの拡販や製品価格への転嫁を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が43.4%、営業利益が36.0%、経常利益が56.4%、親会社株主帰属当期純利益60.7%である。売上高と営業利益の進捗率は低水準の形だが、積極的な事業展開で下期の挽回を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服となってモミ合う形だ。ただし第2四半期累計業績に対するネガティブ反応は限定的だった。1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。8月9日の終値は569円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円12銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1015円10銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約173億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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