上場来8期連続EPS成長:テクノプロHDは、IT軸の技術系人材サービス大手

2023年8月4日 08:08

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 テクノプロ・ホールディングス(東証プライム市場。以下、テクノプロHD)は、2014年6月の上場以来、前6月期まで8期連続でEPSの成長を実現している。IT技術者に強みを持つ、技術系人材サービスの最大手企業。2022年6月期末で「エンジニア・研究者2万2048名」を擁し、「2385社の顧客」を有している。研修受講者数は「延べ29万5724名」。

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 周知の通り、IT系人材を中心とした「人材不足」が指摘される中で「成長要因」を背負った企業と言える。収益動向が、それを顕著に示している。

 前6月期は「10.8%増収、6.1%営業増益、16.9%最終増益、72円配(21年7月に1対3の株式分割を実施:実質216円配/配当性向50.3%)」。対して今期は「9.1%増収、3.1%営業減益、11.9%最終減益、72円配」と慎重な計画で立ちあがったが、2月3日に上方修正。「11.9%の増収(2000億円)、16.6%の営業増益(220億円)、2.8%の最終減益(150億円)、3円増配77円配」。テクノプロHDは背景をこう説明した。

 「国内技術者派遣、請負・受託業務の旺盛な需要が継続。国内事業の主要指標の在席技術者数・稼働率・月次平均売上単価が計画を上回って推移し・・・」。第3四半期の新規予想に対する進捗率は、「74%、75%、77%」。

 第3四半期の決算資料は「ウィズコロナ、原材料・資源価格上昇、円安の継続による物価高や増税懸念で景気の先行きは不透明状況が続いているが・・・当社グループが注力する技術者派遣・請負業務の顧客需要は、コロナ前の水準を上回る回復を見せ・・・」とし、具体的にこう言及している。

★技術者確保: グループの稼働率は95%超の状態が続いており、新たなオーダーに対応できる技術者が不足。高い採用基準を維持しながら、育成前提の未経験者の確保にも努めている。またグループ連携の採用やリファラル(自社社員の推薦・紹介)採用を進めた結果、国内在籍技術者数は過去最高となった。

★人的資本への投資: 22年7月に技術社員の新人事制度を導入。市場価値を等級ごとに定義化し可視化し、公正かつ納得感のある処遇に踏み出した。

 至26年6月期の中計では、「平均売上高成長率9.2%、同営業利益成長率10.5%、同純益成長率10.7%」を掲げている。

 本稿作成中の時価は3300円水準、予想税引き後配当利回り1.8%強。2月の年初来高値4140円から同安値3095円(5月)まで調整し、戻り基調。2014年の上場初値から時価水準への修正値ベースの株価パフォーマンスは5.3倍強。

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