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気になるナスダック100リバランスの影響
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●ナスダック100指数のリバランス
米証券取引所は、7月24日の取引開始前、ナスダック100についてリバランスを実施した。ロイター通信などが報じている。特定銘柄への過度な集中を是正するためと発表している。
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ナスダック100にはGAFAMに加えて、テスラと2023年相場の主役とも言っていいエヌビディアも含まれている。
これらの銘柄が売られることも警戒されるが、好調な株価に水を差すことになるのだろうか?
●ナスダック100とは?リバランスがなぜ必要?
ナスダック100とは、世界最大の新興企業向け株式市場であるナスダック(NASDAQ)の上場企業の中で、金融セクター以外において、流動性が高くて時価総額の高い100の銘柄で構成する株価指数である。
毎年12月に定期的な入れ替えを行っているが、指数の完全性を維持するために必要と判断された場合には、特別リバランスを実施することができる。
今回、GAFAM+テスラ・エヌビディアの7社の合計がナスダック指数の半分近くを占めるようになったため、これらの割合を強制的に引き下げることになっている。
特別リバランスを行うと発表があった7月7日には、これらの銘柄が軒並み下落した。
ナスダック100の特別リバランスは頻繁に行われているわけではなく、1998年の11月、2011年の5月の過去2回だけである。
●下落が続くのか?
24日に開示が行われるため下落も警戒されていたが、24日のナスダック終値は結局3営業日でリに反発した。ただ今後も売りへの警戒は残る。
7日の発表以来、ハイテク株が下落する中、ヘルスケア株や金融株は物色されており、NYダウとS&P500は上昇していた。
過去2回の特別リバランスでも、同様の傾向があった。24日以降も大型ハイテク株が売られて、それ以外の銘柄が買われるという傾向はしばらく続くのかもしれない。
だが今回のリバランスは、投資家が夏休みを取る“夏枯れ相場”と初めてタイミングが重なってしまっている。
夏枯れ相場の影響で、売りが大きく出ない可能性があるが、逆にNYダウやS&P500などに思ったより買いが入らない可能性も否定出来ない。
ハイテク株もいずれは戻るだろうが、秋頃までは期待出来ないのかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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