今6月期下方修正も株価に動揺を感じない:インテージHDをどう見るか!?

2023年7月17日 06:36

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 インテージホールディングス(東証プライム。以下、インテージHD)。市場調査で国内首位。日本で唯一、消費・販売のパネル調査網を持っている。

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 そんなインテージHDの今2023年6月期の着地を、興味深く見守っている。前期の「4.6%増収、5.2%営業増益、3円増配38円配」に対し今6月期は「6.3%増収、11.8%営業増益、4円増配82円配」計画で立ち上がったが、第2四半期開示と同時に「5.1%増収(633億円)、0.2%営業増益(46億5000万円)」に下方修正した。

 その背景を「マーケティング支援(消費財・サービス)事業で原材料費高騰や円安により、主要顧客群である消費財メーカーのビジネス環境悪化」「マーケティング支援(ヘルスケア)事業でもリサーチ事業が前年度の体制変更の影響」で、いずれも売上が計画を下回る水準なった。売上の伸び悩みによる利益減、というわけだ。なお配当については特別目的会社清算による繰延税金資産計上の影響で据え置いた。

 そして5月9日開示の第3四半期の修正値に対する進捗率は、「75.7%、87%」。利益面の上振れが期待できそうにも見えるが・・・

 下方修正時以降の株価動向が、何かを訴えている感じを受ける。2月7日の翌日・翌々日は商い(18万6700株、10万7500株/ちなみに本校作成時は2万1900株、1654円)も膨らみ株価も終り値ベースで(78円高1645円、47円高1692円)。その後6月21日には年初来高値1740円まで上昇している。

 どう捉えるべきか。これはあくまで私見だが、こんな見方をしている。

 インテージHDのパネル調査は、「日本No1」とされるだけの重さがある。SCI(全国消費者パネル調査)は、全国15~79歳の男女5万2500人が対象。屋内外で消費する食品・飲料・日用雑貨品などの購買データを、専用スキャナーやスマホのアプリを利用して収集。日本最大の消費者パネル。

 SRI+(全国小売店パネル調査)は、スーパー・コンビニ・ドラッグストア・専門店など約6000店舗が対象。食品・飲料・日用雑貨・一般医薬品など様々なPOSデータを収集。各業界のインデックスとし、圧倒的強みを誇っている。

 つまり経済回復/消費回復という流れの中で、ここからが需要の拡充期と捉えることができるのではないか。

 時価は1600円台前半。予想税引き後配当利回り2%強。過去9年余の修正済み株価パフォーマンスは2.5倍強。株価は新年度入り以降を見据えていると、見ることができるのではないか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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