三菱地所、Airbnbと連携 賃貸と日割利用混在の次世代レジデンス始動へ

2023年7月13日 16:26

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三菱地所とAirbnb Japanが連携、東京都豊島区で次世代レジデンス展開(画像:三菱地所の発表資料より)

三菱地所とAirbnb Japanが連携、東京都豊島区で次世代レジデンス展開(画像:三菱地所の発表資料より)[写真拡大]

 三菱地所は12日、民泊サービスを手がけるAirbnb(エアビーアンドビー)の日本法人と2022年12月に締結した包括連携協定のもと、協働した取り組みを本格的に開始すると発表した。ポストコロナ時代の多様な暮らし・旅・ワークスタイルの支援を目指す。第1弾として、東京都豊島区で賃貸借と日割り利用をハイブリッド運用する次世代型レジデンス「(仮称)豊島区池袋4丁目計画」に着手する。

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 連携協定では、大きく3つの指針を掲げている。

 1つ目は「ポストコロナの新たなまちづくり」。多様なライフスタイルやワークスタイルを支援するインフラ・サービスを提供し、国内外の個人を呼び込んでまちをイノベーションハブとする取り組みを行う。

 2つ目は「まちの魅力のデジタル化を通じた海外発信の強化」。まちのコンテンツのデジタル化を促して世界に発信し、世界からのアクセスを容易にして新たな人の流れやにぎわいを生み出す。

 3つ目は「地域社会の課題解決と持続可能な成長モデルの検証」で、地方都市で国内外の人流を起点とした新たな地域活性化の形を検証する。遊休不動産の活用や、地域人材・コミュニティの育成、長期周遊の仕組みづくりなどを行い、旅のあり方や地域成長のモデルケースを検証するという。

 今回は第1弾として、国内外の多様な人材を呼び込む仕組みづくりを目指し、豊島区池袋4丁目計画を始動。次世代レジデンスと位置づけ、月単位の賃貸借で借りる物件と、日割りで借りる物件が混在する、ハイブリッドでの運用を予定している。

 連携によりそれぞれの会社の異なる強みを生かし、地域コミュニティのさらなる活性化を目指すという。

 計画の開発と運用は三菱地所レジデンスが担い、運営はHmlet Japan(ハムレットジャパン)が担当する。

 Hmlet Japanは、三菱地所とシンガポール発のコリビング(賃貸住宅)運営会社Hmletの合弁会社で、2019年1月に開業。家具・家電付きの部屋が選べて、礼金・手数料なし、電気・ガス・水道などの手続き不要ですぐに使えるなどの特徴を持つ賃貸を運営している。海外からオンラインで契約可能で、語学レッスンや清掃サービスなど、入居後のサービス提供も行っている。

 19年12月に渋谷で第1号物件を開業し、その後東京都内で物件を展開。23年5月時点では全32棟、計613戸を運営している。入居者は外国籍が約7割で、外国人受け入れのノウハウを持つ。シンガポールのHmletは22年4月から欧州中心にコリビングを運営している「Habyt」の傘下に入っており、欧州で認知されている点も強みといえる。

 次世代レジデンスの物件は23年7月18日に着工し、25年の入居開始を予定。三菱地所らは今後、池袋を皮切りに、渋谷など国内外の旅行者に人気のエリアでハイブリッド運営の賃貸住宅を開発・提供していく方針だ。併せて、地方都市の遊休不動産の活用や地域活性化を促す仕組みづくりなどに取り組んでいくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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