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割安フグ店:関門海が、鰻・河豚を2本柱とする理由と背景
今年は「長雨&酷暑」の長期予報。「なんとか乗り切れば、フグの季節がやってくる」と自分自身に言い聞かせ耐えなければ・・・と思っていた矢先だった。74歳の誕生日の翌日:6月19日の読売新聞オンラインが、『フグ漁獲量全国1位は北海道に、海水温上昇で漁場が大変化・・・マイワシも北上』と題する記事を配信した。
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日本近海の海水温上昇による漁業への影響が広がっている現状を、多種多様な魚の漁場の変化などを例に記した記事だ。一読の直後にフッと頭を過ぎったのは、私の懐でもひと冬に1~2回はフグが口にできる格安フグ料理を展開する関門海(東証スタンダード市場)の動向。
住処:埼玉県にもフグ料理店:「玄品」が4店舗ある。漁場の変動は価格などにも変化をもたらすのか。気になり問い合わせた。IR担当者から「天然とらふぐの漁獲量の多い地域が北上していることだが、弊社のビジネス展開への影響はない。・・・が企業としては注視している」とする内容が返ってきた。
いささか不勉強。関門海(玄品)の源流は、1980年に現社長:山口久美子氏の亡夫:聖仁氏(2005年急逝)が興した。仲介を介さず養殖場から直接仕入れたフグを値頃な価格で提供することで店舗を拡大してきた(現、内外70店舗余)。
関門海のフグは養殖。が山口社長は、「養殖方法から味の分析、加工技術の開発まで多角的な研究をもとに品質向上と向き合い、2003年に(夫らにより)長期低温熟成技術が完成したことで、養殖でありながら天然に近いフグを品質と価格で提供できるようになった」と訴求している。それを耳にし、とりあえずは「依然同様の懐具合で大丈夫だな」と、一安心。
ふぐは(仕上げのフグ雑炊の)味わいもさることながら、含有される「コラーゲン」「タウリン」の栄養分も魅力。俄かフグ専門家風に言えば、前者は「皮膚や骨、関節、筋肉、髪などに含まれる蛋白質の1つで肌にハリを骨にしなやかさと強度を生み出してくれる」。後者は「筋肉、脳、目の網膜、心臓や肝臓などの臓器に高濃度で含まれており、身体・細胞を正常な状態に戻す作用がある」とされている。
そんな風に関門海を覗き込んでいくうちに、四季報の言を借りればコロナ禍の影響の薄らぎに伴う「黒字定着」の流れの中で、「フグと鰻を2本柱に」という姿勢を知った。IR担当者は「うなぎは玄品の夏場の施策として取り組んでいる。とらふぐや蟹は冬場に比べ夏場は販促に苦戦する。通年を通した安定収益源につながると捉えている」と説明したが、「インバウンド事業者等とのタイアップで集客」という流れも始まっているようだ。
鰻と河豚、ともに増加傾向のインバウンドの懐・腹を捉えられる「日本食」と思うが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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