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物流業界、72%が「原価高騰」の影響あり 燃油価格や人件費が高騰
ほとんどの物流企業が「原価高騰の影響を大きく受けている」「若干影響を受けている」と回答[写真拡大]
物流業界は2024年問題や人材不足といった様々な課題と向き合い対策を模索中だ。そんな中、「働く」に関する社会課題をビジネスで解決する、キャムコムグループの株式会社ロジテックが、物流企業で働いている全国の1000名を超える人材を対象に定期調査を行っている。
第1回目のテーマは「原価高騰の影響と対策のリアル」。実際の現場ではどこまで原価高騰の影響が出ているのか、どうやって補填しているのかというものだ。「あなたの会社では物流業界における原価高騰の影響を受けていますか?」という質問の回答は、「大きく影響を受けている・若干影響を受けている」を合わせると72%にのぼり、数多くの企業に影響が及んでいることがわかった。
「原価高騰の原因として考えられることを、影響度が高いと思うものは何ですか?」という質問には「燃油価格の高騰」が72.7%、「人材不足・人件費高騰」が50.5%で回答のTOP2を占め、過半数の企業にとっての大きな要因だ。次いで「ドライバーの高齢化による効率悪化」で28.2%と、避けられない問題が表面化しているといえる。
「原価高騰の影響を、何でカバー、補填、または吸収していますか?」という質問の返答は「補填できていない」が最も多く、40.4%。企業の利益を文字通り削って乗り越えようとしている企業が主なようだ。2位が20.1%の「サービス料金の値上げ」と20%の「経費の削減」で、後に「人件費のカット」「労働時間の削減」などが10.6%で続く。
現在は2024問題への対策のためDX化が推進されているが、「デジタル化」や「取引先の見直し」といった改善は進捗していないと思われる。
原価高騰のカバーや補填の取り組みについては、規模が大きい企業であればサービス料金の値上げや経費削減などの手法で補填できているようだが、小規模の会社ではサービス料金の値上げがしづらく、補填ができていないという実態が見える。
「実施した補填策のうち、効果が出たものは何ですか?」という質問についても、「補填できていない」という返答の企業が最多で40.4%にのぼる。効果があった補填策も「サービス料金の値上げ」「経費の削減」で小規模企業であれば難しく、「人件費のカット」や「労働時間の削減」は実施した企業のうちでも6割程度しか成果が出ていない。
結果として、原価高騰による影響は多数の企業に現れているということがわかる。サービス料金の値上げや経費削減などで対応している規模の大きい企業はごく一部で、規模の小さな企業は人材不足と高齢化から対応する人材も乏しく、補填策のない悪循環の中にある。
物流業界全体の課題として、今後本格的に取り組む必要があると言えるだろう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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