夏至に何する? 水無月からキャンドルナイトまで、初夏をスローに楽しむ

2023年6月21日 11:07

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記事提供元:エコノミックニュース

「日長きこと至る(きわまる)」。日本を含む北半球では、一年で最も日が長くなる夏至。今年の夏至は6月21日の水曜日だ。

「日長きこと至る(きわまる)」。日本を含む北半球では、一年で最も日が長くなる夏至。今年の夏至は6月21日の水曜日だ。[写真拡大]

 「日長きこと至る(きわまる)」。日本を含む北半球では、一年で最も日が長くなる夏至。今年の夏至は6月21日の水曜日だ。

 夏至という言葉はよく耳にするものの、何をすれば良いのかよくわからない人も多いのではないだろうか。確かに、バレンタインデーやクリスマスなどのような華やかなイベントイメージはないが、それでも日本各地には夏至の風習が今でも残っている。

 例えば、一般的には夏至に食べるものとして冬瓜(とうがん)などが有名だが、各地でも様々な郷土色もあり、関西ではタコを食べる風習が残っているところもある。これは、田に飢えた稲がタコの足のように大地にしっかり根付くようにという意味が込められているらしい。

 また、京都では夏至から6月の末にかけて、氷を模した三角形のういろうに、邪気払うといわれる小豆をのせた「水無月」という和菓子を食べる。普段は和菓子を食べる機会が少なくなった令和・平成の京都の子どもたちも、水無月は喜んで口にする。生活習慣や気候も変わって、「夏至に〇〇を食べる」という意味合いは薄れてしまったとしても、そういう風習はこれからも受け継がれていってほしいものだ。

 そして、夏至の新しい風習として注目されているのが「100万人のキャンドルナイト」だ。新しいといっても、このムーブメントが始まったのは2003年で、すでに今年で21年目を迎えるのでご存じの方や毎年参加しているという人も多いだろう。

 「でんきを消して、スローな夜を。」という合言葉のもと、大地を守る会の呼びかけによって始まったこのムーブメントは、夏至と冬至の夜8時から10時までの2時間、電気を消してロウソクの灯りの下で、ひとりひとりがゆっくりと考える時間を持つことを提唱している。一人でいるのも良いし、家族や友達と過ごすのも良い。ろうそくの灯のゆらめきの中、ひとりひとりが自由なひとときを過ごすのだ。でも、皆で時間を合わせているからなのか、自由でありながら、つながっている、不思議な一体感を感じられるのも、この「100万人のキャンドルナイト」の大きな魅力の一つとなっている。

 これに賛同する企業や団体も増えている。例えば、山田養蜂場はミツバチの専門家らしく、ミツバチが作り出した天然素材ミツロウを使ったキャンドルで「ミツロウキャンドルナイト」を夏至の夜に開催する。同社は、世界的な取組みである「100 万人のキャンドルナイト」に賛同して、2021年の冬から毎年、夏至と冬至の日にこの「ミツロウキャンドルナイト」を実施。一般的なキャンドルと比べてミツロウキャンドルは煤が出にくく、有害物質を含まないため、安全性が高いエコなキャンドルだ。そして、それを製作しているのは、山田養蜂場グループの特例子会社「障がい者自立支援所ビーハッピー」で働く、山田養蜂場の仲間たちだ。同社では6 月 8 日に公開した特設ページでミツロウキャンドルナイトへの想いを載せた動画を公開しているので、興味があればぜひ、見ていただきたい。

 また、夏至や冬至の夜だけでなく、毎月20 日に「キャンドルナイトの日」を実施しているのが、青山、銀座、大阪など全国に10店舗を展開する、こだわりのタルト、ケーキのお店「キルフェボン」だ。同店は2005 年から「100 万人のキャンドルナイト」に賛同しており、毎月20 日の17:00 ~閉店までの間、店内の照明を落とし、キャンドルに明かりを灯すほか、キャンドルナイト限定のケーキを提供するなど積極的だ。室内ということもあり、安全面等を考慮して、使用するキャンドルは全てLEDキャンドルだが、それでもロマンティックでスローなムードは充分で、常連客などにはすっかりお馴染みとなっているようだ。

 ろうそくの灯で数時間を過ごす。たったそれだけのことだが、たったそれだけの時間もゆっくりと落ち着いて取れないのが、現代社会。自分自身の生活や幸せを見つめ直し、心をリセットする良い時間になるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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