5月のバイト時給、上昇続く 飲食や接客、サービス系で需要増加

2023年6月15日 09:01

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 求人サイトを運営する各社が5月度のパート・アルバイト時給動向を発表し、外出客やインバウンド需要の増加により、接客やサービス系を中心に人材需要が増えていることが分かった。

【前月は】4月のバイト時給、求人各社で引き続き前年上回る GWで人材需要続く

■アイデムは2カ月連続で全ての職種が時給アップ

 8日、アイデムが5月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの5月の平均時給は前年同月比44円増の1,139円、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同41円増の1,160円となり、ともに7カ月連続で前年同月を上回った。

 大分類の職種は4月に続いて全て前年を上回っている。その中で専門・技術職(5月の時給:1,322円、前年同期比:42円増、以下同じ)、販売・接客サービス職(1,088円、51円増)、事務職(1,127円、52円増)、飲食サービス職(1,071円、40円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの5月の平均時給は同64円増の1,111円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同70円増の1,126円となり、ともに3カ月連続で前年同月を上回った。

 東日本同様に、大分類は2カ月連続で全て前年を上回っている。特に専門・技術職(1,300円、50円増)、販売・接客サービス職(1,033円、47円増)、事務職(1,068円、53円増)、製造関連・ドライバー職(1,079円、43円増)、清掃・ッメンテナンス職(1,049円、42円増)で時給の上げ幅が大きめだった。

■マイナビは9カ月連続で前年上回る

 13日、マイナビが5月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。5月の全国平均時給は前年同月比47円増の1,194円となり、9カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、ホテル・ブライダル・トラベルが1,162円(前年同月比:88円増、以下同じ)、アパレル・ファッション関連の商品管理が1,106円(99円増)、販売が1,041円(65円増)。DTP・CADオペレーターが1,601円(389円増)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,305円(107円増)。

 サンプリング・PRが1,643円(124円増)、その他イベント・キャンペーンが1,314円(135円増)。その他医療・介護・保育が1,264円(148円増)、看護師・准看護師が1,936円(471円増)。

 カフェが1,095円(63円増)、ファーストフード・デリが1,095円(108円増)。インストラクターが1,239円(211円増)、その他レジャー・アミューズメントが1,221円(144円増)。ボディセラピスト・エステティシャンが1,162円(107円増)。その他軽作業が1,269円(237円増)、搬入・搬出・会場設営が1,724円(74円増)。

 その他工場・倉庫・建築・土木が1,153円(65円増)、建築・土木・設備作業が1,646円(366円増)、製造・ラインが1,321円(76円増)など。

 反対に時給が下がったのはカウンター業務が1,077円(82円減)、携帯販売が1,440円(97円減)。試験監督・採点・アドバイザーが1,215円(128円減)、営業アシスタントが1,045円(68円減)。SE・プログラマが1,383円(63円減)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,291円(95円減)。

 その他クリエイティブ・編集が1,151円(115円減)、編集・制作・校正が1,147円(179円減)。アンケート・調査・企画が1,275円(150円減)。ワゴン販売・売り子が1,100円(211円減)。その他オフィスワークが1,146円(210円減)、テレフォンアポインター・テレマが1,422円(121円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比62円増の1,054円、関東が同32円増の1,262円、甲信越・北陸が同55円増の1,111円、東海が同64円増の1,154円、関西が同63円増の1,207円、中国・四国が同84円増の1,081円、九州・沖縄が同57円増の1,078円となり、8カ月連続で全ての地域で前年同月を上回った。

■リクルートはフード系が3カ月連続で最高時給を更新

 14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが5月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。5月の3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は、前年同月比27円増の1,150円となり、25カ月連続で前年同月を上回った。行動制限の解除に加えてインバウンド需要の増加で、フード系や店頭販売の求人ニーズが増加。その中でもフード系の時給は3カ月連続で過去最高時給を更新している。

 職種別で時給が上がったのは、レジが1,080円(前年同月比:56円増、以下同じ)、化粧品販売が1,067円(72円増)、ホテルスタッフが1,169円(78円増)。ファーストフードが1,138円(110円増)。組立工が1,231円(91円増)、構内作業・フォークリフトが1,360円(67円増)、ドライバー(中型・大型・バス・タクシー)が1,203円(68円増)。看護師が1,802円(81円増)、塾講師が1,560円(95円増)、保育士が1,177円(61円増)など。

 反対に時給が下がったのは、一般事務が1,214円(63円減)、コールセンタースタッフが1,428円(104円減)。営業が1,388円(191円減)。スポーツインストラクターが1,151円(259円減)、家庭教師が1,378円(131円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比21円増の1,192円、東海が同31円増の1,065円、関西が同18円増の1,110円となり、3地域ともに前年を上回る状況が続いている。

■ディップも時給アップ続く、求人件数も11.9%増加

 同日、ディップが5月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。5月の全国平均時給は前年同月比54円増の1,276円となり、29カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は同11.9%増の約298,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは、受付・秘書が1,267円(前年同月比:96円増、以下同じ)、事務・データ入力が1,402円(78円増)、専門事務が1,273円(84円増)。Webデザイン・CAD・DTPが1,374円(114円増)、編集・制作・撮影が1,303円(253円増)、看護・介護が1,736円(443円増)、専門職・その他が1,508円(414円増)。販売その他が1,070円(58円増)。

 カフェ・レストラン・ファーストフードが1,103円(56円増)。キャンペーン関連が1,557円(122円増)、イベントその他が1,323円(153円増)、パチスロが1,574円(241円増)、エステ・リラクゼーションが1,167円(96円増)。建築系が1,792円(212円増)。教育・保育が1,221円(138円増)、教師・講師・インストラクターが1,654円(75円増)など。

 反対に下がったのは、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,274円(239円減)、SE・PG・エンジニア・運用が1,114円(396円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,173円(148円減)、調査業務が1,265円(235円減)。イベント関連が1,368円(190円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,442円(128円減)。工場・製造その他が1,207円(111円減)、試験監督・添削が1,643円(95円減)、教育その他が1,567円(95円減)など。

 地域別では関東が前年同月比47円増の1,299円、東海が同48円増の1,234円、関西が同61円増の1,294円、九州が同56円増の1,225円となり、3カ月連続で全地域が前年を上回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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