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飲食業の倒産が急増、コロナ対策の効果が息切れ 原材料などの高騰も 東京商工リサーチ
東京商工リサーチが2023年1月から5月における飲食業者の倒産動向を発表し、新型コロナ対策の効果が薄れてきたことに加えて、原材料費の高騰や人手不足などにより、小規模な業者を中心に倒産件数が増加していることが分かった。
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■倒産件数が急増、新型コロナ関連も増加
7日、東京商工リサーチが2023年1月から5月の「飲食業の倒産動向」調査を発表。倒産件数は前年同期比73.7%(143件)増の337件(負債1,000万円以上)となり、2022年度上半期(237件)を大きく上回るペースでの倒産件数となっている。
このうち新型コロナ関連の倒産件数は、同96.5%(111件)増の226件となり、大きく増加。さらに倒産件数全体に占める新型コロナ関連の倒産件数の割合は67.0%と前年同期の59.2%から7.8ポイント増加している。新型コロナ関連の融資や給付金等の支援効果が薄れたことに加えて、食材費や光熱費の高騰、人材不足などが増加の要因となった。
■持ち帰りや宅配飲食業の倒産がさらに増加
業種別では10業種中9業種で前年同期から増加。特に食堂・レストラン(倒産件数:91件、前年同期比:106.8%増、以下同じ)、専門料理店(72件、89.5%増)、バー・キャバレー・ナイトクラブ(16件、77.8%増)、持ち帰り飲食サービス業(17件、112.5%増)、宅配飲食サービス業(28件、4倍)で大きく増加した。
一方で唯一減少した業種は、すし店(4件、42.9%減)だった。
新型コロナによる巣ごもり需要で急増した持ち帰り飲食サービス業や宅配飲食サービス業で、需要減少に伴う淘汰が始まっている。
また、倒産件数における新型コロナ関連の倒産割合が多い業種は、居酒屋(新型コロナ関連倒産の割合:82.6%、以下同じ)、そば・うどん店(75.0%)、すし店(75.0%)、専門料理店(72.2%)となっている。
■東京都など33都道府県で倒産件数が増加
都道府県別で倒産件数が最も多かったのは、東京都の48件。次いで大阪府が45件、愛知県が30件、兵庫県が21件、神奈川県が19件、福岡県が15件、北海道と千葉県が各11件とここまでが2桁件数の都道府県。それらを含めて33都道府県で前年同期から増加した。
前年同期から減少したのは京都府(倒産件数:5件、以下同じ)、奈良県(4件)、岐阜県(1件)、鳥取県(0件)、沖縄県(0件)の5府県。前年同期比変わらずだったのは長野県(3件)、山形県(3件)、福井県(2件)など9県。
倒産の原因で最も多かったのは「販売不振」で274件。次いで「既往のシワ寄せ」が23件、「他社倒産の余波」が15件など。
資本金別で倒産件数が最も多かったのは、100万円以上500万円未満の134件(前年同期比:91.4%増、以下同じ)。次いで1,000万円以上5,000万円未満が43件(22.9%増)、500万円以上1,000万円未満が33件(13.8%増)、100万円未満が32件(3.2倍)、5,000万円以上1億円未満が5件(25.0%増)、個人企業他が90件(2倍)となっており、個人経営や小規模が飲食業の倒産が大半を占めている。また1億円以上の倒産件数がゼロで、唯一前年(1件)を下回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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