4月のバイト時給、求人各社で引き続き前年上回る GWで人材需要続く

2023年5月21日 08:00

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 求人サイトを運営する各社が4月度のパート・アルバイト時給動向を発表。ディップに続いて、リクルートも2年以上時給アップ傾向が続くなど、幅広い職種で時給の上昇が続いていることが分かった。

【前月は】3月のバイト時給、求人各社で前年上回る 年度末迎えて人材不足続く

■アイデムは西日本の専門・技術職の時給が大幅アップ

 10日、アイデムが2023年4月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比49円増の1,143円、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同48円増の1,166円となり、ともに6カ月連続で前年同月を上回った。

 大分類の職種は全て前年を上回った。中でも、専門・技術職(3月の時給:1,345円、前年同期比:57円増、以下同じ)、販売・接客サービス職(1,077円、41円増)、事務職(1,126円、43円増)、飲食サービス職(1,068円、38円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの平均時給は同142円増の1,185円で、関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同153円増の1,203円となり、ともに2カ月連続で前年同月を上回った。東日本同様に、大分類は全て前年を上回る。特に専門・技術職(1,483円、248円増)が大幅に時給アップ。販売・接客サービス職(1,024円、42円増)、事務職(1,063円、47円増)、飲食サービス職(1,031円、41円増)で上げ幅が大きめだった。

■マイナビは8カ月連続で前年上回る

 16日、マイナビが4月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比45円増の1,187円となり、8カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、ドラッグストア・量販店が1,036円(前年同月比:45円増、以下同じ)、ホテル・ブライダル・トラベルが1,161円(99円増)。家庭教師が1,767円(306円増)。その他アパレル・ファッションが1,263円(180円増)、販売(アパレル・ファッション関連)が1,043円(70円増)。

 テクニカルサポート・保守・テスターが1,355円(54円増)、DTP・CADオペレーターが1,556円(331円増)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,383円(204円増)。アンケート・調査・企画が1,466円(181円増)、その他イベント・キャンペーンが1,383円(316円増)。

 看護師・准看護師が1,915円(440円増)、薬剤師・登録販売者が1,438円(92円増)。カフェが1,090円(64円増)、ファーストフード・デリが1,094円(108円増)。インストラクター(レジャー・アミューズメント)が1,210円(150円増)、その他レジャー・アミューズメントが1,175円(153円増)。

 その他軽作業が1,222円(170円増)、搬入・搬出・会場設営が1,807円(345円増)。その他工場・倉庫・建築・土木が1,143円(85円増)、建築・土木・設備作業が1,622円(386円増)、構内作業・フォークリフト・溶接が1,343円(76円増)。その他配送・引越・ドライバーが1,281円(93円増)など。

 反対に時給が下がったのは、試験監督・採点・アドバイザーが1,214円(87円減)。SE・プログラマが1,379円(98円減)、その他エンジニア・サポート・保守が1,176円(55円減)。その他クリエイティブ・編集が1,182円(138円減)、編集・制作・校正が1,120円(174円減)。

 ヘルパー・介護が1,354円(61円減)、医療専門職が1,316円(74円減)。ワゴン販売・売り子が1,102円(186円減)。その他オフィスワークが1,172円(125円減)。その他警備・清掃・ビル管理が1,020円(80円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比79円増の1,055円、関東が同27円増の1,255円、甲信越・北陸が同55円増の1,109円、東海が同52円増の1,135円、関西が同74円増の1,202円、中国・四国が同93円増の1,074円、九州・沖縄が同75円増の1,070円となり、7カ月連続で全ての地域で前年同月を上回っている。

■リクルートは24カ月連続で前年上回る

 19日、リクルートのジョブズリサーチセンターが4月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比23円増の1,143円となり、24カ月連続で前年同月を上回った。ゴールデンウイーク前の人材確保を目的にフード系で時給アップが続いているほか、シフトの融通が利く短時間や短日数の求人ニーズが増加している。

 職種別で時給が上がったのは、アパレル販売が1,070円(前年同月比:52円増、以下同じ)、化粧品販売が1,058円(64円増)、ホテルスタッフが1,170円(72円増)、宿泊施設関連(旅館・民宿)が1,174円(55円増)。ホールスタッフ(飲食店)が1,115円(55円増)、調理・コック・板前(見習い含む)が1,107円(57円増)、ファーストフードが1,132円(107円増)、洗い場・パントリーが1,119円(65円増)。構内作業・フォークリフトが1,352円(55円増)。塾講師が1,525円(54円増)など。

 反対に時給が下がったのは、ホテルフロントが1,184円(37円減)、イベントスタッフ(設営・運営など)が1,232円(21円減)。一般事務が1,226円(43円減)、コールセンタースタッフが1,432円(106円減)。営業が1,334円(236円減)。スポーツインストラクターが1,149円(146円減)、家庭教師が1,446円(104円減)、プログラマ・エンジニアが1,126円(119円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比18円増の1,184円、東海が同30円増の1,061円、関西が同10円増の1,106円となり、引き続き3地域ともに前年を上回った。

■ディップは28カ月連続で前年上回る

 同日、ディップが4月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比27円増の1,236円となり、28カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は約30万5,000件で前年同月比2.8%増だった。

 職種別で時給が上がったのは、受付・秘書が1,265円(前年同月比:82円増、以下同じ)。Webデザイン・CAD・DTPが1,361円(106円増)、編集・制作・撮影が1,303円(240円増)、看護・介護が1,691円(423円増)。携帯・家電販売が1,557円(72円増)。

 ホール・キッチンスタッフが1,087円(50円増)、カフェ・レストラン・ファーストフードが1,100円(55円増)。キャンペーン関連が1,546円(111円増)、イベントその他が1,362円(202円増)、パチスロが1,584円(263円増)。建築系が1,835円(375円増)。教育・保育が1,216円(122円増)など。

 反対に下がったのは、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,289円(257円減)、SE・PG・エンジニア・運用が1,115円(294円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,182円(144円減)、調査業務が1,361円(130円減)。

 モデル・エキストラ・芸能関連が1,499円(68円減)、美容・理容・サロンその他が1,060円(60円減)。建築・土木その他が1,198円(171円減)。工場・製造その他が1,195円(101円減)。教師・講師・インストラクターが1,507円(82円減)、試験監督・添削が1,685円(81円減)など。

 地域別では関東が前年同月比25円増の1,270円、東海が同26円増の1,193円、関西が同13円増の1,244円、九州が同43円増の1,179円となり、2カ月連続で全地域が前年を上回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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