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日本語では区別しにくい「other」と「another」、正しい使い分け方は?
「other」と「another」は、どちらも中学で習う基本的な英単語だが、この違いを明確に説明できるだろうか。日本語に訳せば、どちらも「別のもの」や「もう一方の」などと同じような意味になってしまうので混乱しやすいのだが、文脈に合わせて適切に使い分けるべき単語たちだ。そこで今回は、なるべくシンプルにこれらの違いを説明しよう。
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■「the other」と「another」:特定する必要があるかどうか
日本語では「other」は「ほかのもの」、「another」は「もう一つのもの」などと訳されることが多いが、訳すると違いがわからないので混乱してしまうのも仕方ない。そこで、まずは冠詞の「a」と「the」の使い分けについて確認しておこう。
・I was making orange juice when an orange fell on the floor.
上の例文は、オレンジジュースを作っていたときにオレンジが1個床に落ちたことを表すが、なぜ「the orange」ではなく「an orange」なのだろうか。
それは、落ちたのがどのオレンジだったかが重要でないからだ。「the」をつけるのはその後の名詞を特定する必要があるからだが、この場合、落ちたオレンジがどれかを特定する必要がない。
だが具体的にどのオレンジが床に落ちたのかを特定する場合は、「the orange」を使う。たとえば、いくつかオレンジがあるなかで青いのが1個あり、それが落ちたとしよう。
・I was making orange juice when the green orange fell on the floor.
このように、落ちたのが特定の「青いオレンジ」を指す場合は、「an orange」ではなく「the orange」となるのだ。
「other」と「another」の違いにも同じルールが適用される。具体的なものを指す場合は「the」をつけて「the other」とし、後に続く名詞を特定する必要がないときには「another」を使うのである。
・Somebody is in that bathroom, you have to use the other one.
この場合、バスルームは2つある。一方は誰かが使っているから、もう一方の(単数かつ特定の)バスルームを使わなければならないわけだ。
・I need another phone.
この場合、特定の電話機を指すのではなく、何でもいいからもう1台電話が必要だと言っているのである。
■「another」と「other」:単数か複数か
「another」と定冠詞なしの「other」は、どちらも具体的に特定する必要がない名詞につく。両者の違いは、後に続く名詞が単数形なら「another」、複数形なら「other」である。
・Can you pass me another orange?
・Can you pass me two other oranges?
上の例文はどちらも別のオレンジを取ってくれと言っているわけだが、前者が1個、後者が2個取ってくれという意味だ。特定のオレンジではなく、頼まれた側の好みでどれか1個、もしくは、2個選んでよい。
■不可算名詞には「other」
後に続く名詞が数えられない名詞の場合、「another」ではなく必ず「other」がつく。
・Have you got any other advice?
「advice」は不可算名詞なので、「one advice」や「two advices」という形にはならない。
・Do you have any other information?
・They need to find other accommodation.
「information」も「accommodation」も「advice」と同じく不可算名詞なので、「ほかに」や「別の」と表現するときには「other」によって修飾されるのだ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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